第8話 修行の日々
星暦3015年9月
あれから毎日魔法の勉強、剣術の訓練に明け暮れていた。
ジノも一緒にだ。
領に帰った後すぐにジノを半強制的に家に連れ帰り、
父上を説得して一緒に住みながら魔法の勉強と騎士団を相手に槍術の訓練をしている。
騎士団はLv50~Lv80辺りで構成されているので、レイとジノはLv、熟練度をどんどんと上げていく事が出来た。
ドレイク・ランドロック
【ドラゴンナイト】人族 15歳
Lv.58 剣S 雷魔法A
ジノ・ブリッツ
【青風槍士】人族 15歳
Lv.57 槍S 風魔法A
マシュア
【白聖の雷弓騎士】ダークエルフ 26歳
Lv.84 弓C 雷魔法B
「うーん、できた」
レイはそれぞれのステータスと得意分野を紙に書きだした。
最近教会に行き祈りを捧げてきたので最新版だ。
「何書いてるんだ?」
「皆の事を紙に書いて記録しとくんだ、ここから学院入学までどれだけ成長できたか分かりやすいだろ?」
「なるほど、、、いいなそれ」
「2人ともいい具合に仕上がってきていますね。次の昇格が楽しみだ」
この世界では子供の死亡率が高い。
魔物や闇ギルドのような犯罪組織も多く子供は狙われる立場にある。
だから学園に通うようになる15歳までにLv.40は超えさせなければどこでいつ死んでもおかしくないと言われている。
今は睨み合いで済んでいる国同士の競り合いもいつ爆発し徴兵されるかわからない。
最低でも2回は昇格していないと生きるのさえ厳しい世界になっていく。
そして軍同士の衝突ではLv.80は欲しいとされている。
全員が行ける領域では無いが、もし相手に自軍よりもLv.80超えが多い場合は圧倒的不利になるのである。
そのため国ではLvを効率的に上げられる魔物狩りを推奨している。
魔物は落とす戦闘経験値が高い、そして魔物が減れば国も豊かになっていく。Win-Winなのである。
かくいうレイとジノも騎士団の魔物狩りに同行してはLvを上げてきた。
マシュアのLvが上がらないのは自分よりも上の相手がいないからである。
魔物然り、人然り、マシュアはエルフとダークエルフ間の戦争で兵を率いていた将軍級の立場だ。
経験してきた場数も多く、そこらの魔物を狩るだけでは大して経験値を貰えないのである。
本人曰くあの王都でガスノットに大敗した日、弓を携えていたら互角の勝負ではあったと語っている。
まあ奴隷から救われてすぐに装備がないのは当たり前であの日はまけてしまったが・・・。
「魔法騎士学院か・・・」
「なんだ?楽しみじゃないのか?」
「楽しみ半分不安半分かな・・・」
「だよな・・・ダンジョン実習もあるしな」
この世界のダンジョンには強力な魔物がうじゃうじゃといる。
その理由は魔力溜まりだからだ。
深く広いダンジョン内には魔素が充満している。そこで生まれるモンスターは外のモンスターよりも凶暴で強い。
魔法の先生から習ったから分かる。ダンジョンは例えLv.80あったとしても気の抜けない場所だと。
「そういえばジノは連れて行く従者は決めたのか?」
「ああ、竜剣派の道場に友達が通ってるからそいつにした」
「えー・・・と大丈夫なの?」
「ああ、実力は俺よりも上だし大丈夫だろアイツなら」
「そっか、ならいいんだ」
「見に行ってみるか?」
「え?」
「剣だけで見たらレイよりも強いぜ?」
え・・・?ゴクリ・・・。
「ほう・・・それほどの逸材が・・・ドレイク様、是非挨拶に行きましょう」
「うん、会ってみたいかも。今から会えるのかな?」
「いつも道場にいるような男だ、今日もいるだろうな。そいつは周りからこう呼ばれているんだ、、、剣豪バアル・ローマン」
剣豪・・・ユニーククラスなのか?
竜剣派道場内
「おーい!バアルはいるか!!」
長髪の金髪を揺らし汗をぬぐっていた背の高い男が答える。
「こんな時間になんのようだ?ジノ」
「いた!レイ!こっちこっち!」
「ん?」
「どうも初めまして、ドレイク・ランドロックと申します。こっちは従者の・・・」
「マシュアです、よろしくお願いします」
「はあ、どうもバアルです」
うおー!見た目超絶イケメンなんだが!こいつが剣も強いってことかよ!!
とレイは内心はしゃいでいた。
「で?ジノ、何しに来たんだよ」
「レイと立ち合いして欲しいんだ。な?レイ?」
「うん。良ければ俺と手合わせしてほしい」
「なるほど、道場破りってやつか。ははっいいぜ受けてやる」
そして道場の真ん中で二人が対峙する。
すごい自然体だ・・・互いに獲物はブロードソード、五分の状況でどう立ち回るか・・・。
「いつでもいいぜ、かかってきな」
バアルが挑発する。
「なら行くぜ!」
切り結ぶこと約1分・・・全然押せない!!
なんだ?技量が圧倒的に違う!!
いくらフェイクを入れても力を乗せて剣を振っても全て軽々といなされる。
「なんだ?もう終わりか? じゃあ、これで終わりだ」
あっけなく首元に剣を突き付けられる。
「悪いな、剣だけは俺は他の追随を許さねえ。同年代に負ける気は1mmもしねえよ」
「参りました・・・」
互いに剣をしまい礼をする。
「満足したか?」
「はい、改めてありがとうございました」
「敬語はよしてくれ、同年代だろ?」
え・・・?えーーーー!!!マジか!!
「そ、そうだな、ははっ」
バアルって同年代なのか!!!
「じゃーなー!またー!」
ジノがバアルに手を振り帰路に就く。
ここらへんは特に何もなく道の周りには田畑が並んでいる。
「強かったな・・・」
「だろ?いつか会わせてレイを驚かせてやろうって考えてたんだ!」
「驚いたよ・・・あんなに強いなんて・・・」
俺には何ができるんだ・・・?
最近自信の付いてきた剣も届かなかった。
魔法だって通用しなかった可能性もある。
何ができるか考え続けなくちゃな・・・
「あー!腹減った! 帰って飯食おうぜ!」
そう言ってジノは駆け出す。
「あ!待てよ!ジノー!」
そう言って帰り道は3人で誰が最初に家に着くか競い合った。
結果はマシュアの独り勝ちだった
「「おい」」




