第7話 再出発
「あれ・・・ここは・・・」
病室みたいだ、なんで僕はここにいるんだろう・・・。
「目覚めたか?」
「父上・・・?」
「ははっ呼び方変わってるぞ?」
よくみると父の目元にクマがある。寝ずに看病してくれていたんだろう。
「もう子供のままでいるのは辞めます・・・」
「そうか・・・」
「今回俺は何も守れなかった・・・」
「・・・」
父上は何も言わずに話を聞いてくれている。
「マシュアはどうなった・・・?」
「今隣の病室で眠っているよ。昨日目覚めて回復もしている」
「そうか・・・良かった・・・」
「レイも無事みたいだし、父さんも少し休憩してくるよ」
あくびしながら部屋から出て行こうとする父は本当に疲れている様子だ。
「何も聞かないのか・・・?」
「・・・」
「聞かないよ」
「え・・・?」
「いつか話してくれる時が来ればそれでいい」
そういって父上は寝てくるわと言って部屋から出て行った。
「そういえば傷・・・全然痛くないけどって、あれ? 傷口がふさがってる・・・」
まあ何でかとか色々考えることはあるけれど今は別の事を考えよう。
これからの事だ。
まず自分に足りないものが明確に分かってきた。
接近戦用の武器を扱える技量に体格、それに適性の高い雷魔法の習得、竜との会話はまあ置いといてと。
白い加護を貰えた時点で浮かれていた・・・
何があっても勝てるだろうと奢っていた。
才能だけでは戦いの勝敗は決まらないのに・・・
必要なのは熟練度だ、相手を殺せる武器が要る。
剣ならいつでも帯剣できて持ち運べるしショートソードあたりかな・・・。
魔法も帰ったら父上に頭下げて先生を付けてもらおう。
はあ・・・少しでも考え事を止めるとこの前の負けたことばかり考えてしまう。
いや人生でも経験したことのない死闘だったのだからそれでいいのかもしれないが
夜の病室に一人、少し寂しい思いがそうさせているのだろうか。
マシュアの部屋にでも行ってみようかな・・・。
病室を抜け出し隣の部屋をノックする。
コンコンコン。
「どうぞ」
「入るよ」
と一言伝えてからドアを開く。
そこにはベッドからもうでて果物を食べているマシュアがいた。
「りんご、いります?」
「いや、大丈夫だ」
シャリシャリとりんごを食べるマシュアのベッドに腰かけて天井を見上げる。
「マシュアって雷の魔法使えるんだろ?」
おもむろに頭に浮かんだ言葉を聞いてみる。
「使えますよ、熟練度はBですけど」
「領に戻ったら教えてくれない・・・?いや、教えてください。」
「ふふっ、いいですよ。私の授業は厳しいですからね・・・?」
「か、覚悟しとくよ・・・。」
あははっと笑いあいながら色々な話をする。
朝日が昇り病室の薄いカーテンから日差しが入ってくる。
「再出発ですね」
「うん、そうだな・・・あいつらに次会ったときは絶対に負けられない」
「私も魔法を勉強しなおします」
「あ、だったら父上に頼んで先生付けてもらおうとしてるんだけどマシュアも一緒にどう?」
「是非!ご一緒させていただきます!」
こうしてやる気に満ち溢れ再出発をするのであった。




