第78話 王都デスアーダ
王都デスアーダへ着いた俺達は早速、情報収集をすることにした。
謎の少年はやることがあるらしく去っていく。
俺達は近くの冒険者ギルドへと顔を出す。
ドアを開けると喧騒が聞こえてくる。
カランカラン。
冒険者たちはなにやら準備をしているようだ。
「この戦で名を上げるぞ! いいな!」「俺達は第二王子に着くぞ!」「揃ったな行くぞ!」
戦の準備をしている者、すでに出立しようとしている者様々だ。
受付に行き今の状況を聞くことにする。
「戦はどうなっている?」
「今も王城で交戦が続いてます。今日で三日目、第二王子派が中々攻め切れておらず、長引きそうです。」
「ここにいる冒険者達は?」
「冒険者ギルドは第二王子の援軍として冒険者を出すことに決めました。貴方達も戦へ?」
「ああ、ちょっくら魔王とやらを仕留めにな」
「!!」
「魔王ググドアは王城にいます。その側近二人が現在も城の入り口を堅く守っています」
「特徴は?」
「一人は隻眼のゴブリンです。もう一人は悪魔種、闘牛族の長です」
悪魔種?
「悪魔種とはなんだ?」
「悪魔種は魔族、獣人族の属性です。格の高い者から力を認められると天使種か悪魔種どちらかになります」
「なるほどな……もう一つ、魔王を倒した場合どうなる?」
「魔王は氷竜ファヴニール様の傘下に入っています。もしかしたら戦闘になる場合も……ですが、このまま国を放っておくことはできません。」
ここでファヴニールか……。
「分かった。ありがとう、俺達もすぐに王城に行くよ」
「はい、でしたら医療ギルドでポーションを支給していますのでお使いください。どうか、御武運を」
「助かる、では行ってくる」
俺達はギルドの外に出る。
「話は聞いていたか? まずは王城の守備をしている側近を倒す」
「あたしに任せな! ジェイドはメイルとロディスを守りな!」
「分かったよ、僕は後方支援に回る。二人は任せてくれ」
「じゃあ俺は、悪魔種とやらを頂こうか……」
「出会った時から感じていたが、あたしより戦い好きだね?」
「なんでだろうな? ただただ血が滾ってしょうがないんだ」
「それは頼もしいね、じゃあ行くよ! あんた達!」
「おう!」
魔王城、城門前。
「敵を侵入させるな!!! ゲギャゲギャゲギャ!」
「踏み潰せ! 巨人達よ!! エッゲエッゲエッゲ!!」
側近二人は殺戮行為を近くで見ながら楽しんでいた。
「巨人共には槍兵を当てろ!!」「三人で仕留めろ!!」
巨人族の圧倒的な力の前に兵達は攻めあぐねていた。
「思ったよりもこっち側が減らされている! 行くぞ!!」
「準備は出来てるよ!! いつでも!!」
「顕現せよ! ジャバウォック!!」
「グルルルルッ!!」
「竜がでたぞーー!!」「援軍か!? 敵か!?」「構わずに巨人をやれー!!」
「巨人共を一層しろ!!」
巨人に噛みつき、爪で薙ぎ払い、尾で叩き潰すジャバウォック。
それでも続々と現れる巨人達。
「クソッ、キリがねえな!!」「側近まで近づけないさね! どうすんだい!?」
ここまでの大規模な乱戦の経験が無く、俺達も攻めあぐねていた。
「構え!!」「撃てええ!!」
!!
城壁の上から魔法兵と弓兵が攻撃を仕掛けてくる。
「どいつもこいつも! 雑兵のくせに調子に乗りやがる……!!」
「あんた……どうしたんだい?」
怒りが込みあがってくる。
必要のない巨人達との戦闘、今も倒れていく兵士、そしてそれを高らかに笑っているあの側近のゴミ共に!!
息を吸いこむ、たっっぷりと十秒ほど。
そして。
「ガアアアアアアアア!!!!!!」
咆哮した。
戦場は一瞬で静まり返る。
恐怖で武器を手放したものもいた。
今この場を制しているのは誰なのか、全員が理解した。
俺は屍を踏み越えながら隻眼のゴブリンの前に歩み出る。
「な、なんだよ……お前……」
歩みを止めない。
「く、来るな! おい! 巨人共! 動け!!」
誰も動けないでいる。
そして俺は左手でゴブリンの頭を鷲掴みにし宙へと持ち上げる。
「や、やめてくれ! 頼む! やめ……!」
力任せに頭を握りつぶす。
……。
「神竜の加護よ」
左爪に加護を付与し爪を2mまで伸ばす。
「貴様……!! よ、よくも……!!」
闘牛族の男は斧を力任せに振るってきた。
しかし。
左爪を軽く振るい斧をはじいた。
「グゥッ!!! なんだその力は!!!」
よろけて体制を崩した胴体目掛けて俺は爪を突き刺し、横に抉りとる。
「ゴフッ!!」
血を吐き出す闘牛族の男。
「魔王様……お逃げください……」
そして男は息を引き取った。
「つ、つええ……」「化物だ……」「味方……なのか?」
俺は城門を蹴りで砕き、中へと入っていく。




