第77話 警告
翌日俺達は馬を借り、王都へ向けて森を走っていた。
「今日はこの辺で野宿するか」
「疲れったす……」
今日はほとんど移動をしていたから、馬に乗り慣れていないメイルやロディスは疲れ果てていた。
「えーと、近くに川があるね、馬に水をやったら汲んでくるよ」
「頼むよ、俺は森で獲物を狩ってくる。メイルも着いてこい」
「疲れたよー……」
「一人で待つよりいいだろ? 魔物に襲われたくないだろ?」
「行きまーす……」
渋々俺に着いてくることになる。
「じゃあ行ってくる、火の番は任せた」
「いいさ、今夜は御馳走が食べれると期待しているよ」
「楽しみにしてな」
そう言って俺達は夕暮れの森の中へと入っていく。
メイルも疲れているだろうしデカい鹿でも狩れればいいんだが……。
十分程獲物を探して森を歩いていると獣の匂いを嗅ぎ取ることができた。
いるな……。
メイルに止まれと合図をして俺はゆっくりと獲物に近づく。
あれは……ゴールドバード!!
鳥の魔物の一種で、肉を焼いた時に黄金色になるのでそう呼ばれている。
味も栄養価も高く、高価な食材として出回っている。
ゴクリっ。
俺は遠距離武器を持っていない。
だが、ジャバウォックを召喚すれば簡単に狩ることが出来る。
「顕現せよ……ジャバウォック!」
気づかれた!!
逃げようとして空へ飛び立つが空は竜のテリトリーだ。
ゴールドバードの首に噛みつき俺の前に持ってくる。
「グルルルルルルッ」
「よくやった、戻ってよし」
魔法の竜なので意思はないが一応声をかける。
「メイル! デカい獲物が取れたぞ!!」
茂みに隠れていたメイルが姿を現す。
「凄い……ゴールドバードっすか?」
「ああ! 今夜は御馳走だ!!」
「やったーー!!」
早速キャンプ地に戻って解体をしよう。
俺達は早く食べたくてすぐにゼラの元へと戻った。
「獲物を取って来たぞーって……誰?」
「さあな……私も話しかけてはいるが、一向に名前を言わないんだ」
キャンプ地にはフードを深く被った少年? が座っていた。
「子供か? ゴールドバードを仕留めたから夕飯にするところだ。一緒に食ってけよ」
「……」
「腹減ってるだろ? 待ってろよ」
血抜きしてゴールドバードを解体していく。
するとジェイドも戻ってきた。
「魚と山菜を取って来たよ!」
「おお! 益々豪華になったな!」
「運が良くてね。ところでこの子は?」
「さあ? とりあえず危険ではなさそうだから飯作ろうぜ」
「うん、そうしようか」
ゼラとメイルは料理が出来ないらしく男の俺達で作り始める。
肉と野菜ならシチューが良いな。
具材を丁寧に切り分けて鍋に入れて煮込む。
簡単だが美味いし栄養価も高い。
それに余っている肉と魚を焼いて別で出す。
まあ野営でこんだけ食えれば十分すぎる。
そんなこんなで料理が完成した。
「よし! 出来た!」
「美味しそうじゃないか」「美味そうっす!」
「温かいうちに食べようか」
皆で晩御飯にする。
「美味しい!!」
メイルは気に入ってくれたようだ。
ゼラも美味しそうに食べている。
少年も少しずつだが食べ進めている。
「今日は運が良かった、ゴールドバードが食えるなんて」
「この森では普通だよ」
「お、話す気になったか?」
「うん、お腹空いてて、喋れなかったんだ……」
「僕、どこから来たの?」
メイルが優しく少年に聞く。
「僕は王都から来たんだ、よそ者が国に入ったって聞いて警告にね」
「よそ者ってのはあたしらの事かい?」
「多分そうみたい……王都に行くのは止めた方が良いよ」
警告ね……何やら事情があるようだ。
「王都では何が起きてる?」
「内戦だよ……現国王と第二王子の兵が争っているんだ」
内戦か、来た時期が悪いな。
「それで? どっちが押しているんだい?」
「現国王とその側近が強くてね……正直第二王子に勝ってほしいけどこのままだと無理みたいなんだ……」
へえ、強いのか……興味出てきたな。
「どれくらい強い?」
「強さ? なんでもLv.100越えが国王含めて三人いるらしいんだ」
!!
「面白いな、俺が第二王子につくって言ったらどうする?」
「ゴホッゴホッ!! レイ!」
メイルに怒られた。
「お兄さん強そうだけど、国王には勝てないかな……」
「へえ、魔王はどれくらい強いんだ?」
「確かLv.110になったって聞いたよ、魔法の熟練度が桁違いだって話も……」
「魔法ね……」
俺はこの世にフラム様よりも魔法に秀でている者はいないと思っている。
「会いに行きたいな」
「レイ! 駄目だよ!」
「僕達は魔王国から最果ての荒野へ行くのに、王都は抜けないといけないからね」
「でも……また戦いになるの?」
「メイルは俺が守ってやる、安心してろ」
「レイ……」
「決まりだ。この国は腐っている、道中見てきた光景が現国王の仕業だって言うなら見過ごせないな」
「僕も許せないな……国を預かる者として、今の国王には退いて貰おう」
「あたしは構わないよ? むしろ戦いを望んできたからね」
「俺はー……陰で大人しくしておきます」
「帰ったら説教だからね?」
方針は決まった。
「じゃあ行きますか! 魔王退治に王都まで!!」
「おー!!」




