第74話 盾の国
俺達は順調に旅を進めて遂に、盾の王国へとやってきた。
「広ーい!! てか、建物が高いっす!!」
「こんなに発展しているなんて……流石、ドワーフの国だ!」
三階建て、四階建て、なんなら五階以上の建物もちらほら見える。
それに活気が凄い。
街行く男共は筋骨隆々の上半身裸で、女性は露出の多い服を着ている。
中には本当に際どい衣装を着ている女性もいた。
「へえー……良い街だな、な? ロディス?」
「ああ、最高の街だぜ! ここは!」
若干言葉の意味合いが違う気もするがまあいいだろう。
一同は街並みをゆっくりと観ながら、冒険者ギルドを探すことにする。
時刻は午後の四時、通りでは仕事が終わったのか一杯酒盛りをしている者が多い。
「いいっすね~! エルンの街を思い出します!!」
「ドラゴニアだと確かにエルンの街に似ているな」
「へえ、こんな所が他にもあるのか……てか、お前らドラゴニアから来たのか?」
聞かれて気づいたが言ってなかったな……。
「ああ、俺達はドラゴニアの王都エストアから来たんだ」
「凄いじゃねえか! あの強国のドラゴニア! しかも王都!! やっぱ貴族様は違うな……」
世界には強国と呼ばれている国がある。
例を挙げると、魔王が君臨している魔国、盾王が君臨しているここ盾王国、そして俺達が住むドラゴニア王国。
後三国あるが、ここが六大強国として世界へ名を轟かせている。
「ドラゴニアは見て回らなかったのか?」
「金がいくらいると思っているんだ? しかも闇ギルドのテリトリーには近付きたくないね」
「そうか」
「それは弟も分かっているはず、俺は平和な国を周っているんだ」
「なるほど……」
確かになんでディアス先輩は危険なドラゴニアを選んだんだ?
そこも気になるな……。
しばらく歩いていると冒険者ギルドが見えた。
早速中へと入るとそこは酒場と化していた。
「乾杯!」「姉ちゃん! ビールおかわり!」「今日の分け前だが……」
俺は冒険者ギルドが好きだ、冒険者が好きと言ってもいい。
命を賭けての魔物との戦い、生きて帰っては喜びを分かち合う。
一時は俺も冒険者になろうかと迷ったほどだ。
様々な冒険、国を渡っての旅、そして出会い。
その光景を見てちょっとと羨ましいなと思いつつ俺は受付に行く。
「こんばんは! 何の用だい?」
「こんばんは、最果ての荒野に関する情報が知りたいんだ、何かないか?」
「あんた、挑む気かい?」
「俺一人で行くつもりだ」
「悪いことないわないよ、辞めといた方が良いね」
「何故だ?」
受付のお姉さんが耳打ちをしてくる。
「最近うちのAランクパーティーが行ったっきり帰ってこないのさ……それ程危険な場所さ」
「Lvは?」
「全員80Lvを超えてるよ、あんた強そうだけど一人は絶対に行かせられないね」
困ったな……。
今戦えるのは俺しかいない。
どうするか……。
とりあえず俺達はギルドで飯を食うことにした。
「じゃあ、乾杯!」
「乾杯っす!」「乾杯!!」
美味い美味いと料理を食べ勧めるメイルとロディス。
ここでパーティー募集してもいいが、強そうな奴がいるかどうか。
酒を飲みながら考えているとギルド内が一層騒がしくなる。
なんだ?
注目を浴びているのは一人の女剣士だ。
皆がその剣士を見ては仲間と何か言いあっている。
「よう! 雷姫! どうだ? 俺達のパーティーに入る気にはなったか?」
一人の冒険者が女剣士を勧誘している。
「あたしはあたし以上の強い雄としかパーティーは組まない。悪いね」
勧誘は一蹴されて雷姫と呼ばれる女はカウンター席で飲み始める。
「けっ、Lv.100になったからって調子乗りやがって……」
Lv.100?
俺は酒を飲む手を止め、雷姫の隣りへと座る。
「なんだい? あんたも勧誘かい?」
「そうだ、俺と最果ての荒野へ行かないか?」
「最果て? 随分自信があるようだが、あたしより弱い雄に構ってる暇はないよ」
「じゃあ、あんたより強かったら?」
「何?」
初めて雷姫が俺の方を見た。
!!
「あんた……竜なのかい?」
「ああ、そうだ」
「獣人は大勢観てきたけど竜種の獣人は初めてだよ、名前は?」
「ドレイクだ、あんたは?」
「あたしはゼラ」
「ゼラ、俺とパーティーを組んでくれ」
しばらく考えるゼラ……。
すると。
「いいさ、あんたと最果ての荒野、行ってやろうじゃないか」
!!
「俺のLvは105だ、よろしく頼むよ」
「へえ、良い漢じゃないか!! ルセッタ! 酒を持ってきな!」
「はい! 生お二つ! ごゆっくり!」
店員がビールを二つ運んでくる。
「あたしとパーティー組もうってんなら今日は朝まで付き合ってもらうよ!!」
「ははっ、仲間もいるんだ。そっちで飲まないか?」
ゼラを連れて俺はメイル達の席に戻ってきた。
!!
「で、でっかいっすね……」
メイルがゼラの胸を凝視している。
「なんだい? この貧相な二人があんたの仲間かい?」
「貧相って何ですか!! 私は立派な鍛冶職人のメイルです!」
「俺は情報屋のロディスだ」
「へえ、まあいいさ! 今日は飲むよ! 乾杯!!」
「乾杯!!」
メイルは早々に潰れ、俺とロディスとゼラは朝まで飲み続けた……。




