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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第五章 ドラゴニア魔法騎士団編
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第69話 裏切り

 亡くなった騎士たちの弔いを済ませた騎士団員は、午前二時にもかかわらず全員集まっていた。

 ゲルドが裏切った、いや、裏切っていた。

 この事実は騎士団全員に衝撃を与えるものとなった。

「それでだ、ハイル今後はどうする?」

「うん……まずは団を新しく一つ作り直す」

 団を新しく……?

「私もそれには賛成だ、だが誰を副団長とするか」

「そうだね……」

 現在いるのはパーティー用のホールだ。

 国王陛下も王族の方たちも今夜はここに避難している。

 皆が不安になっている……団が一つ消えたのだ。

 副団長だったゲルドが裏切ったという事は獣王団はもう解散したも同然。

「この中に新しく団を立ち上げたい者はおるか!!」

 !!

「国王陛下……」

 陛下だ、陛下が俺達、騎士団員に呼び掛けている。


 だが簡単には出てこない、皆ショックのあまりそこまで頭が回っていない。

「じゃあ、この件は後日決めようか……」

 そうハイルさんが決めかけた時。

「はい!」

 刀刃が手を挙げた。

「刀刃……お前にはまだ早い」

 フラム副団長に断られる。

「僕ではなく、ドレイク先輩が良いかと」

 !!

 え? 俺?

「実は俺もそう思っていました!!」

 今度はディアス先輩だ。

「私も同じです!!」

 今度はミュフィス。

 俺も私もと次々声が上がる。

 皆……。


 国王陛下とハイルさんとフラム副団長の目線が突き刺さる。

「出来るか? ドレイク」

 フラム副団長だ、俺に出来るか聞いてくれている。

 はぁ……全く、断れないな。

 うん、断れない。

「分かりました、俺が新しい副団長になります」

「成る成らないの話じゃない、出来るかを聞いている」

 真剣な言葉だ。

 成るのは誰でもできる簡単だ、すぐに辞めればそれでいい。

 だが出来るかは話が変わってくる、団員の命を預かれるのかを聞いているのだ。

「私には正直荷が重いです……だけど、団員の命だけは死んでも守り抜きます!!」

「ハイル、お前は?」

「うん、いいんじゃないかな?」

「決まりだ!! 今を持ってドレイク・ランドロックを新たな副団長に任命する!!」

「おおお!!」「流石!!」「よっ!副団長!!」「どこまでも着いていくぜええ!!」

 皆が拍手で迎えてくれる。

 副団長か……ついにここまで昇って来たな。


「では、早速ドレイクには新しい団の名前を考えてもらう!!」

「おおおお!!!」

 団の名前か、それなら一つあるな。

「竜導師団で行きます」

「いいぞー!」「よっ! 竜導師団長!」「よっ!副団長!」「うおおおお!!」

「決まりだね、国王陛下、それでいいですか?」

「うむ、我も賛成だ。ドレイクよ、この国を頼むぞ」

「はっ!!」


 こうして俺はフラム副団長と肩を並べるドレイク副団長になった。

 ドレイク副団長……良い響きだ。

「では次に! 団の再編成を行う!! まずは元居た獣王団の者は聖騎士団の団員とする!! 次に、各団から竜導師団に行きたい者は、私かハイルの元に来て移動を行う事とする!」

 ……ええ? それってあんまし集まらないんじゃ?

 するとフラム副団長の前に出てきたものが一人。

「僕は竜導師団へ行きます!!!」

 ホールに響き渡る声で刀刃が宣言する。

 刀刃……お前……。

「何故なら、今行けば補佐になれるかもしれないからです!!」

 刀刃……お前……。今度は残念がる、こいつはこんなに馬鹿だったか……と。

「俺も行きます!! グレース様! 今までお世話になりました!!」

 ディアス先輩……。

「何故なら、ドレイクの団には可愛い子が来るからです!!」

 ディアス先輩……馬鹿だ……。

 その二人をきっかけに俺も私もと結構な人数が集まってきた。

「もういないか!! 団を変えれるチャンスだぞ!!」

 なんかクラス替えみたいになっているな。

「いないようだね、では! 各団に別れてミーティング! 以上!!」

 そうして俺は魔法師団を抜ける事になった。


「フラム副団長!!」

 俺はフラム副団長に声をかける。

「なんだ? ドレイク?」

「お世話になりました!! 魔法師団の団員でいれて良かったです!!」

「副団長は忙しいぞ? 気合を入れてけ!!」

「はい!!」


 別れも済んだ。

 後は新しい竜導師団の皆と一緒に過ごすことになる。

 一生の別れじゃないんだ、いつでも会おうとすれば会える。

 俺は晴れやかな気持ちで竜導師団の皆の元へ向かう。

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