第67話 お見舞い
今日は特にやることがない。
いつも通りに団の皆と訓練して、刀刃を見てやって訓練は終了。
ダンジョン組は連携を取るために今上級ダンジョンへ行っている。
あれから何故エクスポイズンスパイダーが出たのか調査が行われたそうだ。
それで原因が解った、俺がLv.100を超えていたからだ。
それでボスも強いのが現れたという訳だ。
だから今頃ダンジョン組も強いボスと戦っているに違いないだろうと考えながら帰路につく。
ワーグルのお見舞いに行くか……。
暇しているだろうし美味い唐揚げでも買って行ってやるか。
エストア病院。
「こんばんは、エリゼさん」
「こんばんは、ドレイク君。お見舞い?」
「はい」
「今はリハビリしている所よ、見に行ってみる?」
「お願いします」
こんな遅くまでリハビリか……頑張ってるんだな。
エリゼさんについていき、ワーグルの居るところに着いた。
すると杖を突いて歩いているワーグルがいた。
……歩けないほどなのか?
ここにはジムのランニングマシンやダンベルもある。
トレーニング中かと思っていたら結構深刻そうだ。
「ワーグル」
「はぁっはぁっ! ドレイク……。エリゼさん、少し外してください」
「気を付けてね?」
エリゼさんが受付へと戻っていく。
「お前……まだどこか悪いのか?」
「エルフの秘儀は万能薬じゃないって……元に戻るまで時間がかかるらしいんだ……」
話しているだけでもキツそうだ。
「竜の黒い加護をあげれば……?」
「ん? ヴァンか?」
「うん、友達なんでしょ?」
「ああ、俺の大事な親友だ」
「だったら竜種へ進化すれば身体は治るよ?」
!!
「本当か!?」
「うん、竜の血で体内の毒された血が浄化されるからね」
「毒か……まだ完全には癒えてはいないんだな……」
「うん、結構危ない状態だね……いずれ魔法が使えない身体になるところだよ」
!!
「そうか、分かった。ありがとう」
「うん」
「なあワーグル、ちょっと外に行かないか?」
「外?」
「ああ、少し話したいことがある」
「いいけど……ちょっと時間はかかりそうだ」
「いいさ、おぶっていく!!」
「うわ!」
ワーグルをおぶって俺は外に行き、近くのベンチへ降ろす。
「久しぶりに外に出たよ……」
「またいつでも出れるさ」
「分かってる……もう長くないんだ……」
「お前さ、竜種になる気はあるか?」
単刀直入に聞く。
「竜?」
「そうだ、竜の血を取り込めば体内の毒を浄化できる」
「そ、そんなことが……でも、どうやって?」
「俺の加護を渡す」
「君はどうなるんだ?」
「昔使ってて今は使ってない加護だから何も変わらねえよ」
「加護ってそんな風にも使えるのか……」
「それに、竜も結構悪くないぜ?」
「ははっ、僕が竜になる日がくるなんて……頼むよ、ドレイク」
「ああ! じゃあ俺のクラスチェンジの魔宝石を使え」
「いつも持ち歩いているのか君は?」
「ああ、お守りだな」
ワーグルがクラスチェンジの魔宝石を砕く。
すると意識を失って倒れた。
おっと……ワーグルをしっかりと支えるドレイク。
頼む、上手くいってくれよ……。
一時間後
「ん……? あれ? ああ、寝てたのか」
「起きたかよ」
ワーグルが目を覚ます。
「結果は?」
「力が出てくる……これが竜の血の効果か……」
「成功したみたいだな! 歩いてみろよ!」
「うん」
ゆっくりとワーグルはベンチから立ち上がる。
!!
「歩ける……!! 杖無しでも歩けるよ!!!」
「よっしゃあ!! 走ってみろ!!」
今度は走らせる。
「走れる!! 心なしか前よりも早くなっている気がするよ!!」
「おお!! 今度は魔法を!」
どんどんワーグルが乗ってくる。
「素晴らしい!! なんて力だ!! 僕は竜になったんだ!!!」
感動しているワーグル。
「よかったじゃねえか、また歩けるようになれて」
「本当にありがとう!! 君のおかげだ!!」
「ははっ! 腹減ったろ? 唐揚げでも食おうぜ?」
再びベンチに座り二人で唐揚げを食べる。
「食事も喉を通らなかったんだ……久しぶりだ」
「ここの唐揚げは美味いからなー」
ポタポタと涙が落ちる音がした。
「こんなにも……生きていられることが嬉しいなんて……」
泣きだすワーグル。
「グスッ……あの時僕は後輩を守り、それで死んでいくつもりだったんだ……
もう助からないだろうなって思ってたよ……」
俺は静かに話を聞くことにする。
「僕は心のどこかで強くなることを諦めていたんだ……凡人なんだ、夢の世界の住人ではないってわかってた……」
「でも、見たくなったよ。僕自身がどこまで成長できるのか。夢の先まで仲間と共に進んでいけるのかをね」
「だったら行こうぜ? どこまでも、お前より前にいてやるからよ」
「ああ! いつか必ずLv.100に辿り着くよ……その時はレイって呼んでもいいかい?」
「いいもなにも親友だろ? 許可なんていらねえよ」
「ははっ! そうか! だったらやってやるぞ!!」
くだらない話をして解散した、そしてまた明日が始まる。




