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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第五章 ドラゴニア魔法騎士団編
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第66話 時代

 王都近郊の森。

「ふっ!! しっ!!! せあっ!!!」

「軽いぞ刀刃!!」

 俺と刀刃は朝からずっと試合を繰り返していた。

 今はこの身体に慣れつつ能力を探っている所だ。

 まず、爪に魔力を通すと伸びて切れ味が増すことが判明。

 大体10cm~30cm位の長さを使い分けている。

 そして尾だ、以前より長い尾をどう戦いに活かすか。

「せあああっ!!!」

 ギリギリまで技を見て躱す、そして一気に間合いに入る!

「!!」

 蹴りを腹にくらわす。

「グゥッ!!!!」

 なんとか後ろに吹き飛ばされながらも耐える刀刃。


 そう、刀刃はあのダンジョンから帰った日から人よりも飯を食べるようになった。

 もっと頑丈で強靭な肉体を作り上げる為にはまずは飯だと気づいたのだろう。

 まあ、前から飯食えと言ってはいたが、自分で気づくことは大切だ。

「どうした! 隙を見せるな!!」

 距離が出来た所で俺は詠唱に入る

「神代の英雄竜よ! 顕現せよ!!」

「グルルルルルルッ!!」

 前とは比べ物にならない迫力の土竜が現れる。

「行け!!」

「グルルッ!!」

 土竜が地面の中へと姿を消す。

 そう、地面の中を泳げるのだ。

 そこから刀刃は見えない土竜と俺を相手することになる。

「くそっ!!!!」

 動けない……!! だけど打開策を考えている暇などない!! 前に出ろ! 僕!!

「せああああああああああぁっ!!」

 全力で駆ける!

 土竜が仕掛けてくるよりも前に! ドレイク先輩を斬る!!

「土城の防壁よ!!」

 ギィイイイイイン!!

 か、堅すぎる!! 刀が魔法壁に当たった瞬間に弾かれた……!!

「グルルルッ!!」

 足元の地面から土竜が飛び出してくる!!

 しまった!!

 胴体を喰らおうとする瞬間に土竜は止まり消えて行った。

「降参です」

「悪くない、いい判断だ」

 ふぅー……息を吐き出す。

 悪くないか……まだまだ足りてないな、あの時から少しは成長したけどもっと強くならなきゃ。

「昼の時間だ戻るぞ」

「はい!!」

 一旦王城に戻り昼食をとることにする。

 

 王城食堂。

「ガツガツガツガツガツガツ!! モグモグモグ!!」

 限られた時間でカロリーをこれでもかと詰め込もうとする刀刃。

「おいおい! 野菜も食えって!!!」

 ディアス先輩が刀刃にサラダも食わせようとする。

 いや、そうだけどそうじゃない気がする。

 まあもっと飯を食えって言ったのは俺だから何も言えない。

「でも昔のドレイクはもっと食ってたけどな!」

 そうだ、俺は竜体を戦闘中に維持するために吐きながらも食べていた。

 今は丁度いいカロリーを取ればいいとわかっているから大丈夫だが。

 さっきのディアス先輩の言葉を聞いて刀刃の飯を食う速度が上がった。


「お疲れ様!」

「ライラか、お疲れ」

 ライラが合流する。

「聞いた? 騎士団合同でダンジョンに行く話」

 刀刃が止まった。

「ああ、三騎士団から三名ずつ選んで潜るって話だろ?」

「うん、私選ばれちゃった」

 あははーと言って笑うライラ。

「するとあれか……魔法師団からは後二人か」

「ううん、私は戦えないから人数にはカウントしないって」

「となると三人……誰が行くか……」

 まずはフラム副団長だろう、それは絶対だ。

「獣王団はゲルドさん、ミュフィスちゃん、ジノ君の3人だって」

「ほう……俺も行きたいけど他のメンバーを育てたいってのがあるんだよな……」

「良く言ったドレイク、うちからは多分俺とジークだろうな」

 そう、次のLv.100が育つ絶好のチャンスなのだ。

 刀刃を見てみるとグッと我慢している。

 あのダンジョンに行くのはまだ早いか……。

 それを分かっているからか堪えている。

「聖騎士団は誰が行くんだ?」

「アイルースさんとマシュア君とバアル君だって」

 あれ? ハイル騎士団長は行かないのか……なんて話をしていると……。


「皆!!!」

 誰かが慌てて走ってきた。

「遂にやったぞ!!」

 なんだ? とざわざわし始める。

「ハイル騎士団長が!! Lv.100に昇格したんだ!!」

「!!」

「マジか!!」「おっしゃああ!!」「三人目か!!」

 食堂が一気に騒がしくなる。

 そうか……だから今回はダンジョンへ行かないのか。

それなら納得だ。

「三人目か……時代が変わるな……! これは俺も遅れられないぜ!!」

 ディアス先輩は一足先に修練場へと戻っていく。


「ごちそうさまでした!!」

 刀刃も戻っていく。


「皆いっちゃったね……」

 サラダをモグモグしているライラ。

「皆やる気に満ち溢れててよろしい」

「なにそれ?」

 ふふっっと笑うライラ。

「じゃあ俺も行くよ」

「うん! 頑張ってね!!」

 バイバーイと手を振るライラと別れて俺も修練場へ向かった。

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