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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第五章 ドラゴニア魔法騎士団編
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第58話 戦いの準備

 しばらく飛んでいると王城が見えてくる。

 近くで降ろしてもらい、後は走り王城へと急ぐ。

「鍛冶ギルドへ追加で発注しろ!」「こっちもだ! 医療ギルドへポーションの追加を! 急げ!!」

 兵士が慌ただしく戦争の準備を進めている。


 城内へ入り玉座の間へと直行する。

「通してくれ」

 ハイルさんの一言で玉座の間の扉が開く。

 前に進み方膝をつく。

「ハイル・アーツです。急ぎ戻ってきました」

「よく来たハイルよ、面を上げい」

「国王陛下よ! 戦争とは!?」

 フラム副団長はかなり焦っているな……。

 無理もない、全軍の指揮権はハイルさんが持っているが作戦などはフラム副団長も考えている。


 そして同族との戦争だ……敵軍には知り合いだっているだろう。

「エルフの森は前々から我が国とは馬が合わん……攻められるか攻めるかの二択だ」

「私に同族を止めろと言う訳ですか……?」

「そうなるな」

「現国王は私の父です……殺せというんですか?」

 フラム副団長はエルフの森、現国王陛下の息子、第一王子だ。

「そう言っているわけではない。向こうは焦っている。国の内部は崩壊しもはや国として機能していない……戦争で勝ち、他国から奪うほか生きる道は無いという事だ。そして、私はこの戦争を受けることにした。向こうから提示された内容は決闘だ。軍を動かしているのはその後にエルフが攻めてきても対処するためである」

 !!

「相手は誰が……?」

「ハイエルフの森随一の魔導士、ゼイルース・ディーネル」

「ディーネル?」

 思わず俺は聞き返してしまう。

「そうだ、アイルース・ディーネルの兄だ」

 そんな……。

「決闘は四日後の午後一時、国境で行われる。準備しろハイル」

「はっ!」

 玉座の間を後にする。

 空気が重いな……。

 友人の兄を殺さなくてはならないんだ、当たり前か……。

「僕がやる」

 !!

「君たちには荷が重い内容だ、決闘は僕が出る」

「ハイル……すまない」

「いいさ、フラムは当日アミュスフィア領で指揮を取ってくれ」

「分かった」

「当日、決闘の場には僕とドレイクだけで向かう」

 !!

「後の軍はアミュスフィア領で待機、いいね?」

「俺ですか?」

「ヴァンに乗せて欲しいんだ、ダメかな……?」

「分かりました、ヴァンにも伝えときます」

「ありがとう」

 そしてその日は解散する。


 ふぅ……一度家に帰って全員と話すか。

「ただいまー」

 あれ? 誰もいない……?

 すると二階からバタバタとメイルが降りてくる。

「おかえり!!」

 メイルが胸に飛び込んでくる。

 ってその勢いのまま押し倒された。

「メ! メイル!?」

「今すぐ子作りするっす!!」

 バタバタと尻尾を振っている。

 ああ、完全に襲われる奴だ……。

「子作りって……何言ってるか分かってんのか?」

「だって……レイが死んじゃったら私……」

 今度は泣き出してしまう。

「大丈夫、死なないよ」

「え?」

 頭を撫でてやる。

「メイルを残して死ぬわけないだろ? それに、俺は強いんだぜ? 知らないか?」

「確かにレイは強いけど……でも……」

 耳が倒れてシュンとなっている。

 抱きしめる。

 暖かい……メイルの鼓動と呼吸の音が聞こえてくる。

 頭を撫で続ける。


「ただいまー! って何してるの?」

 ミュフィスが帰って来た

「ミュフィスちゃーん!!」

 お、今度はミュフィスに甘えに行った。

「どうしたの? メイルちゃん?」

「うえーん!!」

 完全に母親と娘だな……。

「今日はメイルちゃんの好きなハンバーグ焼くから、一緒に食べよ?」

「う、うん!」

 おお、泣き止ました……流石だ。

 ライラが帰ってから夕飯を食べ終えた俺は、自室に戻って今日はメイルと一緒に寝た。


 翌日。

 聖騎士団第一修練場。

 全騎士が集まっている場で国王陛下から再度、説明がされた。

 そして解散となる。

 今日はこの後普通に訓練をして終わる予定だ。

「ドレイク、今良いか?」

「フラム副団長、なんでしょうか?」

「当日私も連れていけ」

 !!

「いいんですか?」

「ああ、国王陛下には今さっき了承を得た」

「分かりました」

「当日、もし戦闘になっても私には構うな、どうなるか自分でもわかっていない……」

「俺が守ります」

 !!

「俺がフラム副団長を守りますよ、だから安心してください」

「フッ、頼もしいな、ではよろしく頼む」

 そう言って去っていくフラム副団長。

 よし少しでも強くなっておかないと!!

 フラム副団長程、頼もしい人を俺は知らない。

 やっと決闘についていく決心が出来た。

 やるぞ!!

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