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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第五章 ドラゴニア魔法騎士団編
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第49話 戦いの後

 闘技場第二医務室。


「よし! これで治療は済んだわ!」

「ありがとう、ライラ」

 医務室で二時間ほど治療を受けていた俺は、服を着て一息つく。

「フラム副団長は大丈夫かな?」

 間違いなく手ごたえはあった、そして肉を切り裂いた感触も確かに感じている。

まあ、フラム副団長は鬼のように強いし堅い、きっと今頃回復しているだろう。

「グレース副団長には私のお母さんが付いているからきっと平気よ」

「そっか」

 なら安心だ。

「はぁ……負けちまった」

 ベッドに倒れ込み考える。


 間違いなく全力を出して挑んだ。

 その結果一矢報いることはできたが負けた。

 あの時フラム副団長が放った魔法……。

 大爆発で竜はやられ体制を崩しかけた俺は、竜の背から勢いのまま飛び降り斬りかかった。

 それをフラム副団長は防御、それを力任せに崩して一撃入れた。

 そこからが問題だ。

「ぐっ!!! 舐めるなよっ!!」

 また爆発、それで体制を崩された後だ。

「神代の傑物よ! 炎神の一撃をここに!!」

 その直後、重い一撃を喰らい、見事に右半身を焼かれた。


 惜しかった……惜しかったがゆえに悔やまれる。

 あの最後の一撃、あの体制では受けようがなかった。

 

 はぁ……とため息をついてみる。


「もう、今日は終わりだって」

 ライラが係の人から報告を受け取り教えてくれる。

 ハイルさんとゲルド副団長の御前試合観たかったな……。

 後で魔道具を借りて観よう。


 ベッドにライラが腰かけてくる。

「ふんふんふーん♪」

 鼻歌交じりだ、随分と機嫌が良さそうだ。

 そういえば久しぶりだな二人っきりは。

「悪いな、時間作ってやれなくて……」

「ううん、レイ凄く楽しそうだから……」

「ははっ……楽しいよ、毎日」

「私もね! 仲間と一緒に仕事するの楽しいんだ!」

「そっか」

「うん、エストア病院の院長先生がね!……」

 それから久しぶりに二人で笑いあいながら話をした。

 午後十時になり係の人が帰る時間だと言ってくるまで今までの事を話し続けたのであった。


 翌日。

 今日は大怪我したということもあり休日だ。

 眠りから覚めたドレイクはシャワーを浴びて着替え日課のニュースを見る。

 昨日の話題で持ち切りだ、俺たちの後にやった御前試合はハイルさんが勝ったらしい。

 映像を係の人から貰ったが、先にニュースで結果を知ってしまった。

 少しだけもったいない気分になる。


 映像投射魔道具で昨日のハイルさんたちの試合を観ようとする。

 するとライラが起きてきた。

「むにゅう……おはようレイ……」

「おはよう、コーヒー淹れるよ」

 コーヒーの準備をする。

「ねえ? ミュフィスちゃんは?」

「俺が起きた時にはもういなかったな」

「どこいったんだろう?」

 顔を洗いに行ってから席に着くライラ。

「どうぞ」

 淹れたてのコーヒーを渡す。

「ありがと」

 二人してコーヒーを飲みながら昨日の試合を観る。

 凄まじい近接戦だ。技の応酬、音だけで威力が伝わってくる。

 これが騎士団長と副団長の戦いか……。

 互いに傷が増えていく。

 そしてハイルさんがゲルド副団長の首に剣を突き付けて終了。

「凄かったね……」

「とんでもないな」

「でも昨日のレイとグレース副団長の試合の方が凄かったよ?」

「そうかな?」

 火力だけで見たら俺たちの派手だったから面白かったんだろう。

「ちょっと今日から行くところあって」

「どこに行くの?」

「エルンの街に、鍛冶というか武器の作り方を習いにね?」

「そうなんだー、じゃあミュフィスちゃんと二人かー」

「一ヶ月程で帰ってくるから、お土産も買ってくるよ」

「頑張ってね、無理はしないように!」

「ああ! 準備したら行くよ」

「うん!」

 ドレイクは早速準備して宿を出る。

 そろそろ宿じゃなくて住めるところ探さないと……。


 家を建ててもいいかもしれない。

 そんなことを考えながら馬車ギルドまで歩いていく。

 馬車に乗りエルンの街に向けて出発する。

 今回はグラドさんの工房に行く予定だ。

 以前ミュフィスの短杖を作ってもらった場所である。

 手紙を出して返事が返って来たので早速向かおうというわけだ。

 鍛冶師の見識があれば俺の武器はもっともっと洗練される。

 なんとしてもコツを掴んで帰らなければ……。

 俺が更に強くなるためには必要なことだ。

 そして俺はエルンの街に再び辿り着いた。

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