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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第五章 ドラゴニア魔法騎士団編
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第45話 転機

 ゲルドとマシュアは戦っていた。


「駄目だな」

「何がだ?」

「お前の役職だ、弓と雷どっちか捨てろ」

 突然片方捨てろと言い渡されるマシュア。

 でも確かに弓がある分、魔法は必要がない気もしている。

「ではどうしたら?」

「決まっているだろ、国王のじいさんに頼んで役職変更(クラスチェンジ)するんだ、せめて剣じゃなくても短剣くらいは扱えねえとこの先は無いぜ?」

 そう言い切るゲルド副団長。

「短剣か……しかし都合よくそんな役職に就けるかどうか……」

「ああ? まだわからねえのか? 都合とかは関係ねえ、お前に必要なのは王がてめえを認めるかどうかだ」

「国王陛下が私を……?」

「加護ってのは基本、王が誰に何を渡すのかの決定権を持っている、そういうもんだ。たまに神から認められて勝手に加護を授かる奴もいるがな……ああ、お前、ドレイクと一緒にいるから気づかなかったのか? 武勇も賢知も王星の加護も王が認めれば受け取れるんだぜ??」

 !!

「まあ国家機密ってやつだよ、俺でも全てを知っているわけじゃあねえがな。

それとLv.100になると更に昇格できるようになる、辿り着いた奴は見たことも聞いたこともねえがな」

「それも初耳だ……」

「お前が捨てると決めれば、王は新しく加護を与えてくれるだろうよ、神に認められるかは別だがな」

「そうか……」

「どうだ? じいさんに会ってみるか?」

「頼む」

「ドレイクも呼んでおけ、あいつには賢知の加護が必要だからな」

「分かった」


 玉座の間の前に着く三人。

 ドレイクとマシュアとゲルドだ。

「ではくれぐれも失礼のないように」

 そう言われ警備の騎士が扉を開く。

 ゲルドの後に続いて前に進んでいき、止まったところで片膝をついて礼をする。

「面を上げよ」

 顔を上げる、対面して正面からしっかりと顔を見るのは初めてだ。

「我が、フィルドレア・ドラゴニアだ」

「ドレイク・ランドロックです」

「マシュアです」

「して、何用か?」

「じいさん、こいつらに加護を与えてくれないか?」

「欲しいのは何の加護だ?」

「ドレイクには賢知、マシュアには王星だ」

「ほう、責任は取らんぞ?お主がとれい、いいか?」

 責任……?

「ああ、こいつらは柔じゃあねえ。加護一つなら耐えられる」

「ではよかろう」

 そう言って国王陛下は玉座から立ち上がり横に行く。

「座れい」

「玉座にですか?」

「それ以外あるか?」

「はい」

 そういってドレイクは玉座へと進む、そして座る。

「願いを言え」

「賢知の加護と役職変更(クラスチェンジ)を」


「よかろう! 神よ! 啓示を示せ!!」


 ドクンッ!!

 心臓が跳ね上がる音がした。

 そして意識が暗闇に落ちる。

 また暗闇か……前も経験しているから分かる。

「貴様の願いを聞こう」

 来たな神様……前とは別の神なのか……?

「願いか…… なら斧の加護をくれ」

「斧? 何故?」

「力だ圧倒的な力、敵を正面から叩き伏せる力が欲しい」

「それだけか?」

「土魔法だ、決して壊れない、最強の斧を作りたい」

「それだけか?」

「それだけだ」

「なら、持っていくがいい」


【英雄竜ジャバウォック】

固有スキル:王竜眼(竜の眼を手に入れる)、神竜の加護(一時的に莫大な力を発揮、付与する)、英雄竜召喚(ジャバウォックを召喚できる)

竜術SSS,馬術S,斧術S,土魔法A,力SSS,魔力SS,速さSS,耐久SS


「英雄竜ジャバウォックへ」

そう唱えるとステータスが変わっていく。

「ではまた会おうぞ英雄の子よ……」

「ああ」

 すると意識が戻る。

 玉座から降りて次はマシュアだ。

 マシュアが玉座へと座る。


「では、我が! 啓示を示そう!!」


 陛下の声と共にマシュアの意識が暗闇へと落ちる。

 その間に自分の能力を分析する。


 願いが通じる分自分で自由度の高い組み合わせを選べる。

 今までドレイクは竜術だけで戦ってきた、竜の身体だから斧を扱う力は十分にある。

 だから今回は斧を選んだ。

 そして土魔法。

 各属性魔法の中で最も地味とされているが武器を作ればその高度は一番だし防御にも使えてかなり強い。

 もっともそれに見合う技量は伴うが、それはこの先身に着けていくつもりだ。


 役職に就くと過去の経験から最初の熟練度が決まる。

 ドレイクはありがたいことに斧はSからだ。

 魔法は賢知を手に入れたからか土魔法がSS。

 後は前と変わらない。

 まあそれでも修練や訓練は必要になる。

 特に斧は初めて扱う。

 対人経験も足りていない。

 これから頑張るしかない。


 そんな事をずっと考えていたらマシュアが意識を取り戻した。

「平気か?」

「ああ、大丈夫だ」

「ドレイクとマシュアよ」

 国王陛下に呼ばれる。

「今回の加護はガスノットとラプダ討伐の褒賞だ。また来たければ結果を出すことだ」

「はっ!」

 二人で礼をする。

「じゃあな、じいさん」

 玉座の間から退出する。

 ふぅ……ちょっと緊張した。

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