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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第五章 ドラゴニア魔法騎士団編
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第43話 凱旋

 俺達は戦いに勝利し、王都エストアへと凱旋する。


「陛下達が帰って来たぞーーー!!」

 時刻は夕方、闇ギルドとの戦いに勝利した一同は、王都へ凱旋する。

「国王陛下ーーー!! 万歳ーーーー!!」「ハイル・アーツ様ーー!!」「グレース様ーーー!!」

 すごい歓声だ。

「帰ってくるの早くないか?」「確かに…… 一日で戦争って終わるのか?」

 疑念の声も上がる。

 当然だ、戦っていたのは闇ギルドだという事を国民は知らない。


 すると馬車が止まり国王陛下が姿を現す。

「陛下ーー!!」

 またも歓声に包まれる。

 しばらく完成を浴びた後、陛下が手を上げる。

 すると国民は一斉に静まる。

「皆の者! 此度の戦は我々の勝利だ!」

 うおおおおおおおおおお!!!!

 大歓声が上がる。


 そして陛下は再度手を上げる。

「ただ、エルフの森と戦争をしたのではない」

 どういうことだとざわめき始める。

「我々は! 闇ギルドに全面戦争を仕掛けた!!」

 !!

「王都を揺るがしていた闇ギルドは全て! 騎士団が粛清した!! 今日この日を持って、王都の自由と安全を約束しよう!!」

 驚く国民たち。

 そう、精鋭部隊が王都を離れたと同時に、王都に残った騎士も闇ギルド員を捕縛して回っていたのだ。

「ほ、本当ですか国王陛下? 闇ギルドが無くなったって……?」

 一人の中年の男性が陛下に恐る恐る質問をする。

「うむ、これからは安心して暮らせ」

「ほ、本当に、ありがとうございます……!!」

 泣き崩れる中年の男性……。

 闇ギルドに命を奪われた人は大勢いる。

 家族、友人、恋人、ペット、財産を奪われた人は大勢いる。

 その者達の悲願を今日果たしたのだ、皆が泣いて喜んでいる。


 今日は歴史に残る日になるだろう……。

 しばらくして国王陛下は馬車に乗り、王城へと動き出す。

 皆が手を振ってくれている。

 命を賭して戦った甲斐があった。


 王城へと馬車が着く。

 王族の方達はやることがいっぱいあるようで城内へと消えて行った。

 残った騎士達は無くなった騎士、戦友の弔いだ。

 離れた丘に墓を建てて花を手向ける。


「ジャック……」

 ディアス先輩の友人が亡くなった。

 泣いている先輩を見るのは初めてだ、いつも明るくて頼りになる先輩。

 こっちまで辛くなる……。

 三十人で行き、帰って来たのは二十人だけ。

 半分も生き残ればいい方だったが、それでも仲間を失うのは辛く慣れないものだ。

 だがようやく国内に平和が訪れようとしている。

 闇ギルドが王都に巣喰い始めてから五百年以上は経過している、久方ぶりの平穏。

 学院で亡くなった人、家族も少しは報われるだろう。

 夏なのに少し冷えた夜風が、どこか寂しさを募らせる。

「今日は眠れそうにないな」

 俺はディアス先輩の横に並び黙祷する。

「ドレイク……」

「俺にも送らせてください、先輩」

「ああ、ジャックも喜ぶよ……こいつは馬鹿でお調子者だが俺よりも強くて……友人だけど憧れでもあったんだ……」

「……」

「まったく、先に逝っちまいやがって……これが終わったら美味い酒でも飲もうと約束したのに……」

「……」

「彼女になんて伝えたらいいんだ……! 今もお前の帰りを楽しみに待っているんだぞ!! ジャック!!」

「……」

「悪い……ちょっと歩いてくるわ」

 そういってディアス先輩は歩いて行った。

 ……。


「俺が先輩を支えます! ジャックさんの代わりにはならないかもしれないけど、俺が支えてみせます!!」

 墓に向けて一礼をしてドレイクも去る。

「……ったく、馬鹿な後輩だよ……」

 近くで頭を冷やしていたディアス先輩にまで聞こえる声量だった。

 ふふっ、と笑い王城へと去っていく。


 翌日。

 今日は休日になっている。

 起きるとミュフィスとライラが幸せそうな顔で眠っていた。

 幸せだ……スースーと寝息を立てている、寝顔も相変わらず可愛いな。

 やっと王都にも平和が訪れたし遊びにも行きたいな。

 ベッドから出てシャワーを浴びて着替える。

 お湯を沸かして紅茶を入れテレビを付ける。

 昨日の一件が報道されている。

 今頃父さん達の耳にも聞こえているだろう。


 手紙でも知らせなきゃと思い、用意して書き始める。

「むにゃあ……」

 なんだその可愛らしい寝言は、くすっっと笑ってしまう。

「レイ~~~……」

 ミュフィスが既にベッドから居なくなった俺を夢の中で探している。

 すると横で眠っているライラの顔をぺちぺちと軽く叩き手繰り寄せる。

 そして、そのまま口づけをする。

 な、なにいいいいいいいいい!!!

 しかも結構深いし長い!!!

「レイ……」

「レイ~~……」

 二人ともどんな夢を見ているんだ? いや半分くらいは起きてて寝ぼけているのか……?

 眼福ではあるがとても刺激的な光景だ……。

 すると何かに気づいたのかライラが目を覚ます。

「んぅ、レイ……? レイ……わーーーー!!!!!!」

 驚いて飛び起きる。

「うわああああああ!!」

 ミュフィスもそれに驚いて飛び起きる。


 なんだこれは……。

 二人して現状を把握する。

「ミュフィスちゃん……おはよう」

「ライラちゃん……おはよ」

 二人して赤くなってる……。

「二人ともおはよう」

 俺はこっちにいるぞと挨拶してみる。

「おはよ……」「おはよう……」

 女性同士でキスをしてしまったのが恥ずかしいのか、俺と間違えていたのが恥ずかしいのか、見られていて恥ずかしいのか……全部か。

「顔でも洗ってきたら?」

 とりあえず助け舟を出す。

「う、うん」「そ、そうね」

 そうして二人してお風呂場の方へと向かって行った。

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