第41話 会議
星歴3018年7月。
魔法師団の制服が自室に届いた。
「おおおお! かっこいい!!」
魔法耐性の高いエルダースパイダーの糸から作られる特注品、デザインもかっこいい。
幼い頃憧れていた聖騎士になれたみたいで嬉しい。
ライラが鏡の前で女性用制服を着た姿を隅々まで見ている。
「可愛い!! 私も昔から憧れてたの!!」
二人してテンションが上がっているところに。
コンコンコン。
「どうぞー!」
ライラが返事をする。
「失礼するぞー」
ワーグルだ。
「ジークさんが全員会議室に集合するようにだってさ」
「ジークさんが?」
闇ギルドの件だろうか?
「分かった。ライラ、行くよ」
「はーい!」
三人で会議室へと向かう。
コンコンコン。
「入れ」
「失礼します」
会議室には七人揃っていた、空いている席に着く。
「全員揃ったな、では始める」
ジークさんが話始める。
「会合の日が確定した、早いが今月末の30日だ。」
後十日後か。
「王都には続々と各地の闇ギルド員も集まってきている。奴ら会合だけで終わらせる気はないようだ」
つまり……。
「戦争だ」
フラム副団長が言う。
戦争か……初めてだが戦うしかない。
「それで作戦を変更することにする、王城の守備が手薄になるわけにはいかない。ハイルの聖騎士団は王城の守備とし、私とゲルドの獣王団で仕掛ける」
「厳しくないですか?」
珍しくディアス先輩が真剣な顔だ。
「厳しいがやるしかない。このチャンスを逃がせばまた来年、いや、来年は警戒されて一網打尽に出きない」
「やるしかないか……」
空気がしまる。
向こうは百人規模になるだろう……対してこちらは二十人。
一番の戦力であるハイルさんが消えるのも痛い。
コンコンコン。
「入れ」
「失礼するよ」
!!
「王子殿下!!」
フラム副団長が驚く。
皆が席を立ちフィーゲル殿下へと敬礼する。
「楽にしてくれ、会議を邪魔して悪かったね。一つ作戦があるんだ良いかな?」
「作戦ですか?」
「うん、当日私達は国王陛下を含めて城を発つ」
「つまり、エルフの森に行進すると?」
「そうだ、奴らが狙っているのは父上だ、それは間違いない。騎士団を伴っての行進を流石に無視できないはず」
「私たちがエルフの森を制圧すれば、奴らは加護をこれ以上受け取ることができないと、そういう事でしょうか?」
闇ギルドが今力を付けてきているのは、エルフの森の国王が玉座の間での祈りを許しているからだ。
それを阻止すれば闇ギルドの勢力拡大は潰えることになる、必死に阻止しようとするはずだ。
となると……。
「郊外の森まで行って、そこで追いかけて来た奴らを迎え討つ」
王子殿下が言い切る。
「いい案です。奴らもやる気のようですし」
ジークさんが賛同する。
フラム副団長は考える。
「だが一種の賭けだ、その間に城を攻められるかもしれない。民が殺されるかもしれない」
「それでも! 闇ギルドを潰さない限り国民は怯えながら暮らすことになる!」
王子殿下の言う通りだ。
国を守る、変える、簡単じゃない、皆を守りたいなんて綺麗ごとだ。
綺麗ごとは甘美な毒だ、毒で国に蔓延る猛毒は癒せない。
「分かりました、その案で行きましょう」
「ありがとうフラム」
握手が交わされる。
この国の退路は断たれた。
王都が滅ぶ危険性を抱えながら、前に進むと決めたのだ。
でも、何故最初にフラム副団長の所に……?
「作戦立案はグレース様が全て仕切っているんだ。」
ディアス先輩からの補足、非常にありがたいがこの人心が読めるのか……?
「顔に出てるぜ? 何故? 心を読まれたのか? ってな」
!!
「もしかしてエスパーですか!??」
「んな訳ないだろ、お前が解りやすいだけだ」
デコピンを喰らう。
「それよりも覚悟しておけよ、ドレイク」
「何をですか?」
「戦場では王族を守るのが第一だ。お前の彼女達を守っている暇はほぼないってことだよ」
そうだ、戦争なんだこれは。
もし、彼女達か王族を守る二択を迫られた時俺は……。
「俺もいるし騎士団の精鋭だ。仲間を信じろ、きっと大丈夫だ」
「はい……」
そして会議が終わり、決戦の日が訪れる。




