第36話 弔い
王立エストア魔法騎士学院。
あれから一週間経った、学院は急ピッチで復興作業が行われている。
そして、亡くなった生徒、従者、先生達の葬儀が記念式場で行われていた。
「学院長、さようなら……」
「ぐすっ……」
「じゃあな、また来るよ……」
様々な生徒、親御さん、関係者の方が来て死者を追悼し、花を手向けた。
総勢六百二十四人、六百二十四人も死んだのだ。
一晩の襲撃で多くの犠牲者が出た……。
それを踏まえて再開後は騎士数名が学院に駐在することに決まった。
警備を強化しなくては再開に反対の声が上がるのは当たり前だ……。
死体が狙われているという情報も騎士団を悩ませる。
一人の生徒が式場に現れた。
「あれって……」「ドレイク君……」「先輩……」
ドレイクは誰とも目を合わさず、そして静かに追悼し花を手向けて式場を後にした。
学院は当面の間閉鎖で、生徒達は故郷に帰るなり、別の道に進んでいく者で別れた。
そんな中、俺は四月に行われる騎士団の入団試験を受けようと決めていた。
参加資格は二十歳以上であること、Lv.60以上であること、赤色以上の適性がある事の三つだ。
二つはクリアしているが年齢は何ともできない。
だから魔法騎士団長、ハイル・アーツに直談判するつもりでいる。
三年まで上がれば引き抜いてくれるという約束もある。
騎士団は三つの団に別れている。
騎士団長ハイル・アーツが指揮するドラゴニア聖騎士団。
副団長フラム・グレースが指揮するドラゴニア魔法師団。
副団長ゲルド・ダガーが指揮するドラゴニア獣王団。
フラム・グレースは赤髪赤目のハイエルフ、国内随一と言われている程の魔法耐性がある。
ゲルド・ダガーは凶暴かつ獰猛なウルフ族の族長だった男、近接戦無敗とまで言われている。
ハイル・アーツは剣の英雄、それ以上の情報はドレイクにはない。
一週間後には入団試験が始まる。
ギルドは解散した、名残惜しいが仕方ない、学院が機能しない今あっても活動も出来ないのだ。
俺とマシュアは二人で郊外の森で訓練しながら入団試験の日を待っている。
試験内容は団長、副団長に認められる程の技があるか否か。
技……簡単ではない。
単に攻撃方法の事を言っているのではないだろう。
熟練度、力、速さ、精度、いろいろと考えられる。
マシュアは取り合えず苦手な近接を伸ばすことに尽力し、ドレイクは神竜の加護を制御することに尽力している。
大技で一撃叩き込むよりも、細かく制御し要所要所で発揮した方が強いからだ。
もっと精確に、もっと綿密に力を制御する。
そうして一週間が経過した。




