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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第四章 ギルド編
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第34話 暗雲

「キャー!!!」「水! 水魔法で消化しろ!!」「急げ!!!」

「避難しろぉおおお!!」「戦える奴は武器を持ってこい!!」


「ん? なんだ? 外が騒がしい……」

 起き上がり時刻を見る。

 午後七時だ、こんなにも騒がしい時間ではないはずだ。

「何か起きたか……?」

 指輪を着けて急いで部屋から出る。


 寮が燃えていた。

「何が起きた……??」

 フロアにはもう誰もいなくなっていた。

「……」

 一層警戒を強めて歩いていく。

 一階に降りる階段まで差し掛かったその時。

「よう、また会ったな」

 今度は下から、いや一階のフロアに一人いる……。

「ニードか、なんの騒ぎだ……?」

「俺達の拠点として学院が欲しくなってな、今奪っている最中だ」

「奪う……?」

「そうだ、中にいるやつらは皆殺し……先生も、生徒もだ」

「今、何ていった……?」

「皆殺しだと、そう言ったんだ。聞こえなかったか?」

 怒りが込み上げてくる。

 学院の後輩、同期、先輩、先生達……。

 大切な人達がこんな奴らの気まぐれで殺される?

「だから、お前殺されてくれねえかな?」

「……ふざけるなよ?」

「大真面目さ! でも、やっぱり戦うしかなさそうだな。来いよ、お仲間は今も殺され続けているぜ??」

 両手斧を豪快に担ぎそう挑発してくる。


 俺は竜体になる。

「神竜の加護よ、敵を討ち滅ぼせ!!」

 指輪が赤黒く光る。

「へえ……いいね、その指輪。お前を殺したら貰っとくからよ」

 また、挑発。

 だが、それに乗ってやるよ!!

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアァァアアアアアアアッッッ!!!!!」

 階段を駆け下りてニードへと接近する。

 相手も両手斧を構え始める。

「じゃあ、宣言通り殺すとするかぁ!! 水刃の加護よ!!」

 両手斧の刃部分にに水の膜が現れる。

「死ね」

 間合いに入った俺に対して両手斧が振り下ろされる。


 俺はそれを迎え撃つように右爪で迎撃する。

「……マジかよ!!」

 ニードが焦りを隠せずに驚く。

 両手斧を砕いた!

 その隙を逃さず、更に接近して相手の懐に入り、左爪を首に向けて振るう!

 ザシュッッッ!!

 ニードの首が飛んだ。

 ゴロッと首が転がる。

 それを一瞥もせずに、俺は寮の外に出ていった。


 外は地獄だった。

 あちこちに死体が転がり、血の水たまりが出来ている。

「……最悪な匂いだ」

 弔ってやりたいがそれは後だ、今はやることがある。

「ヴァン、侵入者の数が知りたい。聞こえるか?」

「主力は四人だね。それに加えて下部組織の構成員が五十人、今も戦闘中で大分数は減っているけど……」

「ありがとう」


 取り合えず校舎の方で戦っている音が聞こえるからそっちへと向かうか。

「てめぇ……つえぇな……」

「貴様に負けるほどやわな鍛え方はしていないだけだ」

 剣を振るう。

「……ドレイク君、来たか」

「現状は?」

「逃げれた生徒達は式場に集まっていて先生たちが防衛している。ミュフィス嬢もライラ嬢もそこにいる。アイルースも応援に行ってるから大丈夫なはずだ」

 遠くで戦いが起きている音が確かに聞こえる。

「どうしてこんな事が……」

「考えるのは後だ、僕たちも式場へ急ごう」

「あ、ああ」

 式場へ向けて走る。


「ワイヤード先生!!!」「先生!!!」

「ぐううぅうううううううっっ!!」

 斬られる。

 血が舞いあがる。

「先生! 頑張らないと! 生徒達が死んじゃうよ!! あはははははは!!」

 ククリ刀を二本持ち高らかに笑う女。

「く、くそっ!!」

 痛手を負った! 致命傷は防いだが……こいつ! つええ!!

「先生!!!」「ワイヤード先生!!!」「負けるな―!!」

 生徒達が声を大にして応援してくれている。

 死なせてしまった生徒も大勢いる。だけど、この場にいる生徒だけでも全員守ってみる!!!!

「おおおおおおおおおおぉおおおっっ!!!」

 負けるわけにはいかないんだ!!!

 渾身の一撃を捨て身の覚悟で放つ!

「それがどうしたぁ!! さっきと何も変わっちゃいねえ!! これで!!! 終わりさ!!!」

 ワイヤード先生の一撃をすれすれで回避して、ククリ刀がワイヤード先生の首を捉えた。

「先生!!!」

「させるか!!」

 ウィゼルさんが盾で相手の腹を殴りとばして助ける。

「ガハァッ!!!!」

「ウィゼルさん!! はぁっはぁっ……」

「後は任してください、先生は生徒たちの護衛を!!」

「しかし!」

「私に任せろ!!」

 ウィゼルさんが一喝する。

「生徒達を守ってあげてください! ワイヤード先生!」

「すまない!! 行ってくる!!」


「……痛ぇなあ! てめえは他の奴とは違え匂いがするぜ」

「そうかい?」

「死ね」

 ウィゼルに対して特攻を仕掛ける。

 それを完璧に防ぐ。

「ちっ!! 堅えなあ!!」

 相手の猛攻を全て盾でいなしていく。

「死ねよ!!おらぁ!!」

 盾を蹴り上げてくる。

 ……しまった!

「終わりだぜ!!」

「てめえだ、終わるのは」

「は……?」

 女の視界を黒い影が横切る。

 そして、女の首が転げ落ちた。

「はぁはぁっ!! 助かった!! ありがとう、ドレイク君!!」

「大丈夫か……?」

「僕は置いて!! アイルースの所へ!! リーダーの男がいるはずだ!!」

「分かった!」

 地面に倒れ込むウィゼル。

「はぁはぁ、流石に連戦で体力が……くそっ! 何が騎士だ……!!」

 右手で目を覆い悔しがる。

 (心配だなアイルース達の方へ向かったあの男……確実に僕よりも強かった。マシュアさんとヴァイルさんもいるから頑張って耐えてくれ……。)

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