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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第三章 ランドロック領編
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第28話 焔の魔宝石

 バーセラル街クライツ魔法具店。

 まだ朝の八時だが今日は特別に店を開けてもらっている。


「おはよー」

 ドアを開き中へと入る。

「お待ちしておりました、ドレイク様。どうぞ中へ」

 クライツに挨拶をして中へと入る。

「早速ですが指輪の方はできています」

「ありがとう、見てもいいか?」

「是非」

 クライツが綺麗な小さい箱を持ってきた。

「こちらになります」


 箱を開けると中には轟々と燃えるような赤色の魔宝石がついた指輪があった。


 綺麗だな……それにかっこいい……。

「へぇ、かっこいいな……」

 手に取りジロジロと見始める。

「お気に召しましたか……?」

「ああ!すごく気に入ったよ」

 そういって右手の人差し指へ装着する。サイズもばっちりだ。

「余った焔の魔宝石でピアスも作ったので良ければ」

 また箱を持ってきたクライツ。


 箱を開けると中には赤く光り輝く、焔の魔宝石のピアスがあった。


「おお、かっこいいな。ここで着けれる……?」

「着けれますよ」

「では、お願いするよ」

 耳に穴をあけた事が無いから少しだけ怖い。

 注射みたいなものだろうか……?

「では、失礼します」

 器具を持ってきたクライツが手を伸ばしてくる。

 すると左耳の耳たぶに少し衝撃が走る。

「終わりました、今回はポーションで止血します」

 ポーションは止血用、ハイポーションになると傷口がふさがる。

 他にエルダーポーションもあり、それは傷跡さえ綺麗に治せるのだ。

 そうしてポーションを沁み込ませたコットンで止血してもらう。

「終わりました。では、お付けいたします」

「よろしく」

 待っているとすぐにピアスの装着は終わった。

「出来ました……すごく、お似合いです」

 鏡で見てみると確かにかっこいい。

「ありがとうクライツ、遅くなったけどお土産のエストア酒だ。クライツは好きだろ?」

「おお!これは……受け取らせていただきます!」

「まだ家にいるから休みの時にでも顔を出すよ」

「では、またのお越しを心からお待ちにしております」

「じゃーな!」

 クライツが礼をする。


 店を出て右手を見る。

 焔の魔宝石の指輪が朝日を浴びて爛々と輝いている。

「ふふっ……クライツには後でしっかりとお礼しないとな……」

 早速だが、この指輪がいかに優秀な触媒なのかを確認しなくては。

 マシュアを連れて山に行くか。

 そうだ、ジノとバアルも連れて行こ。

 手紙ギルドから伝令竜でも飛ばせば明日ジノもバアルも来るだろう。

 手紙を飛ばしたら喫茶店で朝飯でも食べてくか。

 近くの喫茶店は焼き立てのパンにコーヒー、サラダが絶品だ。

 「腹減ったぁ……」

 手紙ギルドまで足を運ぶ。

 着いて早々に受付を済ませて手紙を書く。

 明日の午前十時にバーセラル山ふもとへ集合と。


 そういえば俺は時計を身に着けていないな……。

 ふと気づく。

 いつも大体の時間で行動してきた、早起きする習慣はついているから特に何かに遅れたこともない。

 それにマシュアが時計好きだから時間確認はマシュアに任せっぱなしだった。

 まあ俺は近接戦で激しい戦闘をするから要らないか……と決断する。

 決して面倒だからとかではない、決してだ。


 受付に手紙を渡し本日中に届くようにお願いする。

「エストア銀貨一枚になります」

 エストア銀貨を一枚支払う。

 すると、素敵な指輪ですねと褒めてくれた。

 ありがとうといい、エストア銀貨をもう一枚チップとして渡して店を出る。

 喫茶店へ行き朝食をとる。

「ふぅーっ…… 美味しかった」

 エストア銀貨二枚を支払い店を出て独り言がもれる。


 そういえば一人で動くのは何年ぶりだろうか……。

 いつもマシュアか、ジノと行動していた気がする。

 もう俺も大人だしマシュアを別行動させてもいいかな……。

 なんて考えながらぶらぶらと街を歩く。

 いい街だ、王都ほどではないけど活気があって人が優しい。

 そして何よりも飯が美味い!

 王都は洒落た店しかなくて息が詰まる。

 いや、バーセラルもお洒落ではあるんだけど。

 次はどこに行こうかなーと歩いているふと思い出す。

 髪伸びたし美容室で整えるか……。

 後ろ髪の長さが若干だが長すぎる気がする……。

 結んでいるとはいえ激しい戦闘中に掴まれでもしたら危険だからな。


 よし、髪を切ろう。

 決心していつも通っていた美容室の扉を開く。

「やってるかー?」

「はーい、って! レイ坊じゃねえか!! マジか! 帰ってきてたのか!!」


 こいつはここの店主のマイクだ。

「いや、ちょっと前に帰って来てて。元気そうだな?」

「おうよ! 若いもんには負けられねえよ!! それで? 随分な二枚目になって帰って来たな?? ははぁ! 彼女でも出来たか???」

「ああ、帰ったら告白するんだ。だから、一番かっこよく頼む」

「マジかよ!! これでランドロック領も安泰だな!! 任しときな!!」

 そういって席に案内される。

「まだ決まったわけじゃねえよ、はぁ……」

「なんだぁ? 弱気じゃねえか?? 男は当たって砕けろって!」

 準備をしながら楽しそうにマイクが言う。

「砕けたらお前のカットのせいにしてやる」

「それはまずいな!! だが、レイ坊ならきっと大丈夫だ……で? 贈り物は決めたのかよ??」

「ブルーアイス魔宝石の入った短杖をね……」

「世界三大宝石じゃねえかよ!! よく手に入ったな?」

「いや、鍛冶屋にあったんだ。店主に気に入られて安く買えたからいいが断られたらを考えると……」

「分かるぜ……俺もかみさんにプロポーズするときに渡したエストア金貨10枚だった指輪……断られてたらと思うと今でもゾッとするからな」

「だよな……」

「プロポーズの言葉は? 決めてんのかよ?」

「いや、まだなんだよ」

「まあ、案外その場で出た気持ちってのが伝わる場合もあるが。女って生き物は難しいからな……」

「やばい、今から緊張してきた……」

「ははっ! まあ、お前は今や領主なんだ。女の子の一人や二人落とせないとこの先大変だぜ……?」

「プレッシャーをかけるな」

そんなやり取りをしながらカットを進めていくマイク。

そうして二時間後。

「どうだ? 更にかっこよくなったろ??」

「いい感じだな、頭も軽くなった。ありがとうクライツ、今度お土産のエストア酒を家に送るよ」

「お! それは嬉しいねえ! レイ坊も色々と頑張れよ? じゃあな!!」

「ああ! じゃあな!」

 エストア金貨二枚を支払いグータッチをして店を後にする。

 今日はいい日だな……よし! 帰って騎士団の連中と訓練でもするか!!

 気分が良いドレイクは騎士団の連中に、お土産でも買って帰ろうとするのであった。

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