第27話 魔法具店
ドレイクとマシュアは近くの森に来ている。
「じゃあ始める、神竜の加護よ!」
「雷弓の加護よ!」
爪に付与してマシュアの雷弓を迎撃する。
ギィイイインッ!!
!!
やっぱりだ。
「威力があまり上がらないな……」
「爪はあまり魔法耐性に優れていないという事か?」
「多分そうだと思う。昨日も相手がバアルとはいえ加護の力を感じれなかった」
「ふむ……」
「下手に付与すると魔法耐性が無い分損耗が大きすぎる……」
実践ではマシュアの弓に付与して戦うのがいいだろう。
「でも、レナイゼル様との戦闘では上手くいってたけどな?」
「確かに、あの時は両足に付与してたけど……戦闘中は靴を履いてるから爪が出せないし」
「謎だな……そのブーツは?」
「これはエルンの街で買った魔法耐性の高いブーツだけど」
「それだな」
「え?」
「レイは触媒がブーツしかないんだ。足には付与できるが他には使えない。指が通せる魔法耐性の高いグローブでも買ったらどうだ?」
「なるほど……試してみるか」
グローブか、確かに理論上は上手くいきそうだな。
「前は爪を触媒にしてそのまま付与したんじゃないか?」
「無意識にやってたから分からないな」
「無意識に魔法を使うな。触媒を通して付与すれば爪の損耗は免れ、威力も比べ物にならないほどになるだろう、それと、前のガスノットとの戦いでは俺の魔弓を勝手に触媒にした。魔法を行使していたら危なかったぞ……?」
「わ、悪い……じゃあ、魔法具店にでも行ってみるか!」
「本格的なのはエルンの街か王都エストアで注文して作ればいい」
「よし! じゃあ店まで行くぞ!!」
バーセラル街。
「魔法具店っと、こっちか」
今から行く魔法具店には過去に何度か足を運んだことがある、品ぞろえも多くて質も高い店だ。
「あった、ここだ」
ガチャリとドアを開けて中へと入る。
「いらっしゃいませ、ランドロック様」
「久しぶりだなクライツ、元気にしてたか?」
「はい、生きているうちにドレイク様が領主になるという吉報を聞けて嬉しい限りです」
「そうか……今日はグローブを見に来た。魔法耐性の高いものを見せてくれ」
「かしこまりました。魔法耐性ですと……こちらの品はどうですか?エルダースパイダーの糸から作られた一級品です」
「ほぅ……悪くないな。限界まで魔法耐性を上げたいんだ」
「手に付けるものですよね?」
「うん? そうだけど?」
「でしたらこちらはいかがでしょうか? 世界三大魔宝石のひとつ、焔の魔宝石です。三日もあれば指輪に加工してお渡しすることが可能でございます」
「……初めて見たな」
「ずっとお待ちしておりました」
「……?」
「ドレイク様が御領主様になる際に贈る宝石は、瞳と同じ色の焔の魔宝石がよろしいかと思い今まで保管していたのです」
「クライツ……って贈り物?」
「はい、この宝石は私からの贈り物とさせて頂きます」
「……受け取るよ。その指輪は領地を守る力とするよ。ありがとう、クライツ!」
「これ程嬉しい日はございません……今後ともよろしくお願いします」
「ああ! 任せとけ!!」
「では、三日後にドレイク様の館へと送ります」
「せっかくクライツがくれるんだ、受け取りに来るよ」
「では、お待ちしております」
「ああ! じゃあ、また!」
クライツの店を出る。
「レイは街の皆から慕われているな」
「皆大事な昔から知っている家族同然の人達だからな……」
そして必ず守ると誓った領民だ。
グッと拳に力が入る。
最近父さんから聞いたがエルフの森と戦争に入るかもしれないという報告も上がっている。
そうなれば兵や騎士を率いて戦争に参加する事になる。
「マシュア、俺はやるぞ。例え大切な人たちから畏怖されようと、守り切って見せる」
「安心しろ、どこまでも着いていく」
「それは頼もしいな」
二人で拳をぶつけ合う。
「仲間も力も手に入れた、もう国民が虐げられる時代は終わらせるんだ」
「ああ、必ず、お前なら実現できるさ」
「じゃあ帰って早速訓練だ! 行くぞ!!」
「おう!」
三日後になるまで寝る間も惜しんで訓練に入るのであった。




