第26話 先生
次の日は昼過ぎに起きた。
「ふわぁああ……」
欠伸をしながら背伸びをする、久しぶりに熟睡できたな。
実家とはいえ、怠けてばっかいるのもあれだし身体を動かしに行くか。
身支度を整えて外に出る、少し寒いが大したことはない。
軽く体操をして走りだす、目的地は竜拳派の道場だ。
ここから三十分くらい走れば着く。
外の寒さが気持ちいい、昔も良く走ってたっけ……。
考え事をしながら走っているとすぐに道場へとついた。
中からは稽古中なのであろう、かけごえや足音が聞こえてくる。
「失礼しまーす」
特に気を遣うことなく扉を開ける。
人が多いな、増えたのか……?
「レイ!」
そこにはジノとバアルがいた。
「なんでお前らがいるんだよ」
「昨日レイが帰って来たって聞いて待ってたんだよ、な、バアル?」
「お前、また強くなったか……?」
「いや、どうだろ? なんか変わったか?」
「雰囲気がな……いや、今は良いか。先生に挨拶行って来いよ」
「ああ」
奥にいる先生のもとに挨拶をしに行く。
「お久しぶりです、先生」
「久しぶりだね、レイ。背が伸びたんじゃないかい?」
「成長期ですから、ははっ。お土産です、皆で食べてください」
エルンの街で買ったチョコレートと饅頭を渡す。
「ありがとう」
「後これは先生に……」
エストア酒を渡す。
「エストア酒じゃないか! 先生このお酒が大好きなんだ……気が利くね」
「お世話になりっぱなしでしたから」
「ゆっくりしていきなさい」
「はい!」
「じゃあ俺達もやろうぜ?」
ジノが肩を組んでくる。
「レイ、昇格した俺たちの力見せてやるよ」
バアルも肩を組んでくる。
「え? 俺挨拶に来ただけ……待ってくれ!」
両サイドから肩を組まれて中央へ連行されていく。
「領主様の息子の……」
「あっちは竜剣派の剣豪だった人だ」
「あの人は良くうちに来てた竜槍派の人だ」
ざわざわと中央から人が離れて見物人になる。
「じゃあ、まずは俺から行かせてもらう」
ようやくバアルが肩を組んでいた手を離して位置につく。
「じゃあ俺は見学だな」
ジノが離れていく、最初はバアルか……。
バアルとは嫌というほど戦っているが、昇格後は初だ。
というか俺も昇格したばかりだから本当に未知だな。
俺もバアルの正面の位置に着く。
「始まるぜ……」
その誰かが放った一言が消えると同時にいきなり試合は始まった。
剣と爪が互いの攻撃を弾きあう!
そこから一分ほど撃ち合っている。
初動は互角!!! なら!!!
「神竜の加護よ!!!」
「鬼の怒りよ!!!」
両爪に加護を付与してこれで決める!!!
衝突。
……重い!! だが!!!
「ぐっ……!! あああああああああ!!!!」
鍔迫り合いでじわりじわりと押していく俺。
すると急に爪が軽くなった……。
何だ……!?
「はぁああああああああああ!!!」
バアルの剣が押し戻す! そして!!
「はあっ!!!」
爪が砕けた!!!
「それなら!!!」
「そこまで!!」
!!
ドレイクもバアルも動きを止める、先生の声だ。
「武器を破壊されたのです、バアルに一本!」
「ふぅ……危なかったぜ」
バアルが額の汗をぬぐう。
「はぁっはぁっ負けたか……」
バアルに負けたことはもちろん何回もある、あるが……先生の前だったから余計に勝ちたかった。
「すげえな竜剣派の剣豪は」「かっけええええええ」「今の試合やばすぎだろ」
ガヤガヤと見物人達が話始める。
「俺もやりたかったが、レイの爪が折れたんじゃしょうがない。また、次やろうぜ」
「ああ……」
「レイ、来なさい」
先生に呼ばれて先生の元へ行く。
「今の試合だが……」
どうしたら良かったかを指導して貰う。
「ありがとうございます、先生」
「レイは昔から優秀だけど感情が技に乗りすぎている。冷静に落ち着いて対処しなさい」
「はい!!」
「バアル! 君も来なさい」
「え? 俺も……?」
バアルも交代で先生のところに向かい指導を受ける。
俺よりちょっと長い。うーん、羨ましい。
「ありがとうございます」
いつまでも注目を集めているわけにはいかないので三人で礼をして、道場を後にするのであった。
【守護竜ジャバウォック】ドレイク・ランドロック
王竜種 17歳 Lv.83 固有スキル:王竜眼(竜の眼を手に入れる)、神竜の加護(一時的に莫大な力を発揮、付与する)
竜術S,馬術S,力S,速さ,SS,耐久SS
【炎帝剣鬼】バアル・ローマン
鬼人族17歳 Lv.80 固有スキル鬼の怒り:(攻撃するたびに力が増加し攻撃を受けると減少する) 剣SS炎魔法S力SS速さS耐久S
【風妖精の槍手】ジノ・ウォルター
妖人族17歳 Lv.80 固有スキル:風妖精の舞(速度を上昇させる)槍S風魔法SS力S速さSS




