表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜を従え王と成る  作者: 水亥
第二章 エストア魔法騎士学院編
23/111

第23話 ドワーフの鍛冶工房

「お、あそこか」

 三十分ほど歩いたところに工房はあった。

「ごめんくださーい」

「失礼する」

 俺とマシュアは挨拶しドアを開ける。


「カァアアアン! カァアアアン!」

 甲高い鎚を打つ音が響き渡っている。

「ん……? なんだ坊主?」

 テーブルでコーヒーを飲みながら新聞を読んでいるドワーフがそこにはいた。

「鍛冶ギルドから紹介状を貰ってきた。貴方がグラドさんか?」

 マシュアが質問をする。

「ああそうだ、俺がグラドだ。で? 紹介状を見せてみろ」

 マシュアから紹介状を受け取り読み始めるグラド。

「どれどれ……ほう? Lvも熟練度も申し分ないな。メイル!! こっちにこい!」

 すると獣人の女の子がバタバタと二階から降りてくる。

「親方!! 何の用だ!?」

「魔弓を一つ造ってやれ」

「えー!? あたしへの依頼!? 了解!!」

 「この子が作ってくれるのか?」

「メイルは普段は防具を作っているが、俺が認める実力だ。代金はエストア白金貨五十枚だ」

 エストア金貨五百枚相当の値段だ。


 なら……。

「俺も作って欲しいものがある」

「あ? 坊主もか? なんだ、言ってみろ」

「短杖を一つ」

「ほう……」

とマシュアが感心する。

「お前が使うのか?」

「いや、彼女への贈り物だ」

「がっはっは!! 女への贈り物を依頼されたのは初めてだな。だが良い! 協力してやろう。メイル!! 短杖も一本だ!!!」

 豪快に笑いメイルへとまた注文するグラド。

「はいよ!!! 親方!!」

 そうしてメイルはどこかへ行った。

「代金は魔弓と短杖合わせて、エストア白金貨90枚でどうだ?」

「ああ、それで頼むよ」

「決まりだな!! せっかくだ、ジュースでも飲んでいけ」

 そう言ってグラドさんも席を外す。


 若い獣人の男に案内され客室へと通される。

 ブドウジュースとフルーツがテーブルに並べられていく。

「こんなに?」

 テーブルにはなみなみと注がれたブドウジュースが置かれる。

「ドワーフのしきたりみたいなものです。めでたい時はとにかく飲む!」

 力説してくる獣人の男性。

「ははっ、せっかくだし頂こうか。乾杯!」

「乾杯!」

 ぐぃっと一気に煽る。

「~~~~~っ!!! 美味い!!」

「上品な香りだ、美味しいな」

 しばらくブドウジュースを飲みながらマシュアと話して宿へと帰り一日が終わった。


 次の日。

「さて、一週間暇になったけどどうする?」

「教会でステータスを詳細に確認してから、近隣の魔物狩りかな」

 宿屋の前で話し合い、取り合えず教会に行くかと合意し歩き出す。

 教会まではぶらぶらと屋台によったり店を見て回りながら進む。

 教会へついた。

 ランドロック領にある教会よりもずいぶん立派な教会だな、流石はエルンの街。

「おはようございます」

 扉を開いて挨拶する。

「はーい! おはようございます!」

 と美人のシスターが迎えてくれる。

「ステータス確認に来たので紙でもらってもいいですか?」

「では、あちらの魔道具へどうぞ!」

 魔道具のある方へ通される。

「使い方を説明しますか?」

「大丈夫です、ありがとう」

 シスターへ寄金を2人分渡す。

「さて、俺からやるか」

 そう言って魔道具にのボタンを押す。

すると紙が出てきた。


【守護竜ジャバウォック】ドレイク・ランドロック

王竜種 17歳 Lv.83 固有スキル:王竜眼(竜の眼を手に入れる)、神竜の加護(一時的に莫大な力を発揮、付与する)

竜術S,馬術S,力S,速さ,SS,耐久SS


「うん、次はマシュアだ」

「ああ」

 マシュアも同様にボタンを押す。


【守護竜の雷弓手】マシュア

ダークエルフ 28歳 Lv.89 固有スキル:王竜眼(竜の眼を手に入れる)

弓術SS,雷魔法SS,馬術SS,力S,速さ,SSS,耐久S


「よし、宿に置きに帰ろうか」

「そうだな、ありがとうございました」

 シスターに礼を告げて教会を後にし、宿へと向かう。

 宿へと帰る途中にマシュアが思い出したかのように言った。

「あ、お土産を忘れていた……」

「お土産か? 確かに忘れていたな……武器を受け取った後に買えばいいんじゃない?」

「いや、こういうのは忘れないうちに買うのがいい」

「そうだな……何にしようか?」

「エストア酒は絶対だな、あれはレナイゼル様も皆も喜んでいただけるだろう」

「アクセサリーとか母さん喜んでくれるかな? 後チョコレートとか……」

「二手に別れて急いで買いに行くぞ!」

「べつに別れなくても……あ! もしかしてお前……」


 ギ、ギクッっと聞こえるほどにマシュアの動きが止まった。

「アイルースさんへの贈り物か? 中々やるじゃないの?」

 近づき肘でマシュアをつつく。

「初めて好きになった女性だ、気持ちだけでも受け取って貰わねば……」

「そうかよ? じゃあ、別れてお土産探しと行こうか!!」

 空気を読んで俺は店が並ぶ通りの方へ消えていく。



 (アイルースさん、彼女は聡明で美しい。私なんかの気持ちを受け取ってくれるだろうか……? いや、必ず伝えなければならない、男としてだ)

 はぁっ……とこぼした息が白い。

 「私の人生、こうなるとは思ってもみなかったな……」

 戦争に明け暮れる毎日、奴隷にまで身を落とした時、私は死のうかとも考えていたが世界は一変した。

 こんなにも楽しく、幸せな日々が過ごせるとは夢にも思わなかったな……。

 絶対に成功させるぞ! と意気込みグッと拳を握り締め、贈り物を探しに行くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ