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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第七章 魔法師団編
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第106話 大国

 星歴3021年3月。


 俺は朝早くから庭でマシュア、ミュフィス、メイル、アイルース、セイルと訓練をしていた。

「はっ! せぃっ!」

 メイルは規格外の運動神経の良さをしている。

 剣術が上達する速度も異常に早く、もうLvも94だ。

 ハイルさんが言っていたが、パワーもあって手数が多いメイルには双剣も合うらしい。

「メイル、双剣はどうだ? 使いこなせれば強力だぞ」

 試しにメイルにもう一本剣を使ってみるように言ってみる。

「双剣……やってみるっす!」

 両手に剣を構えてアイルースと対峙する。

「はぁぁっ!」

 最初の踏み込みから出る一歩が速い!

 だがアイルースを崩すのは簡単ではなかった。

 一撃を貰って後退をするメイル、初めての双剣にしては良い感じだ。

 マシュアもミュフィスと近接戦の訓練をしている。

 相変わらず苛烈な攻めだな……。

 マシュアは攻めがとにかく上手い、相手の隙を見逃さずに素早く短剣で斬りかかってくる。

 一見捨て身に見えるほどの攻撃も本人は分かってやっている。

 ミュフィスは受けに回るので手いっぱいだ、反撃には出られない。

 セイルは朝走ってからずっと素振りをしている。

(確実に成長しているな……これはミュフィスとメイルのLv.100も近いか)

「セイル、俺が見てやる。打ち込んで来い」

「おう!!」

 俺はセイルの剣筋を見て思う、この年にしては良い剣だと。

「毎日素振りばっかで! 飽きてたところだ!」

 俺は木剣で攻撃を全ていなしていく。

「くそっ! まだまだ!!」

 持って三十分だった。

「はぁっはぁっ!」

「結構体力は着いたな、だがまだまだ足りん。もう一本走ってこい」

「またか! 20km追加とか鬼だ!」

「死ぬよりましだろ? それとも逃げ出すか?」

「誰が諦めるかよ……父さん母さんに誓って俺は逃げねえ!!」

「なら40km走ってこい」

「ああ! 走ってやるよ!!」

 セイルは街に飛び出して走りに行った。

「ドレイク様、少々厳しいのでは?」

「ガキの子守をしてる訳じゃねえ、俺は騎士を育てているつもりだ。ルーシーはどうだ?」

「今高等部の範囲に入った所です。私が国内一のエストア大学へ必ず入れてみせます」

「そのまま頼む、それとセイベルはセイルの勉強も見てくれ」

「セイル君も?」

「ああ、学院が来年度から再開する、十五歳になったら入れるつもりだ」

「かしこまりました」

 セイベルは国内一の難易度を誇るエストア大学の卒業生だ。

 その博識さを買われて俺の父さんの下で執事をしていた。

 正直高校も大学も卒業していない俺にとってはとても羨ましい。

(学院も皆で卒業したかったな……)

 知識は武器になるし金にもなる。

 セイルは途中で騎士にするが、ルーシーにはいい学校を卒業してほしい。

 

「よし! 訓練止め! 準備して仕事に行くぞ!」


 今日は会議がある。

 議題は今年の入団者の選抜についてだ。

 剣王国、獣王国、魔王国がドラゴニアの傘下に加わりこの国には試験を受けようという腕自慢が集ってきている。

 それをどう選別して団に組み込むかが問題だ。

「では、会議を始める!」

 聖騎士団との合同会議、フラム副団長が取り仕切っている。

「皆分かっていると思うが、入団試験の日が近づいてきている。今年は補佐をしている者とそれ以外の者も試験に加わることにする」

「得意分野が魔法と武器、どちらかを入団者が選び試験に臨む形だね。僕とフラムは別れてフラム側に魔法を得意とする騎士をつけるよ」

「判定は各々に任せるとする。それでだ、今年は修練場と闘技場を使っての試験となる。問題が起きた場合は速やかに私かハイルへと報告する事、いいな?」

「「「はっ!!」」」

「では魔法が扱えるものは魔法師団の第一会議室へ集合だ」

 二つに分かれてまた会議が始まる。

 俺はハイルさんの方に残った。

「今年は知っているだけでも結構な手練れが来るよ、獣王国のサーレ、バーラル、魔王国のカーミラ、ハントス、剣王国の刃武(じんぶ)色葉(いろは)、六人はLv.100越えだね」

「!!」

 Lv.100か……良い素材だな。

「僕らは先輩として騎士の在り方を背中で、行動で示さなくてはいけない。皆も気を引き締めるように」

「「「はっ!!」」」

 いよいよ大国らしくなってきたな、以前は内乱で揉めていた国とは思えない位強くなるぞ……。

「それで試験本番は僕とディアスとドレイクとウィゼルが受け持つ、周りはサポートやそれぞれの視点で入団者をよく見ていて欲しい」

 細かく役割分担をしていき当日の動きを確認する。

「以上だ、当日まで時間が無いけど頼むよ?」

 会議が終わり解散となる。

 そして、試験当日の四月となった。

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