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竜を従え王と成る  作者: 水亥
第七章 魔法師団編
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第102話 家族

 王城へと着き軽い会議をして解散となる。

 明日からは休みで家族同士の顔合わせがあるので準備をしなくては。

 セイルとルーシーを連れて家へと帰宅する。

「ただいまー」

 家へと入りリビングに向かう。

「誰かいるかー?」

 リビングに入ったがまだ皆帰って来てないようだ。

「適当に寛いでくれ、今風呂の準備するから」

「お、おう」

 セイルとルーシーはテーブル席に座る。

 俺はお湯を張る為の魔道具の電源をオンにしてリビングへと戻る。

「お前らジュースで良いか?」

「なんでも大丈夫です……」

 まだ緊張しているか……お菓子も出してやるか。

 ジュースとクッキーとチョコレートをセイル達の前に置いてみる。

「好きに食っていいぞ」

「あ、あの……」

「どうした?」

「これ、なんでしょうか?」

「オレンジジュースとクッキーにチョコレートだ。甘くて美味しいぜ?」

「高級品じゃ……」

「気にすんな、稼いでいるからな」

 二人はじっとお菓子を見ている。

「ただいまー!」

「お、帰って来たか」

「久しぶりの家……癒される~」

 メイルはお疲れのようだ。

 ガチャリとリビングのドアが開き三人が入ってくる。

「お客さんですかー?」

「いや、話があるから座ってくれ」

 三人は取り合えず荷物を置いて席に着く。

「ウェステンシアで家族を亡くしたらしい、俺が引き取ってきた。自己紹介は出来るか?」

「兄のセイルだ、よ、よろしく」

「妹のルーシーです、よろしくお願いします……」

「そう、大変だったわね……家は自由に使っていいからね?」

 ライラが微笑みながら話しかける。

「俺達何すればいいんだ?」

「セイルには明日から剣の道場へ通ってもらう。国内一の道場だ。ルーシーは女性陣に任せるよ」

「二人は何歳なの?」

「セイルが十三歳でルーシーが十歳だ」

「ルーシーちゃんは何がしたい?」

「お料理とか、家事がしたいです……」

「そっか、じゃあ昼間は学校へ行かせようかな? 皆はどう思う?」

「賛成です」

「それでいいと思います」

「決まりだな、それと、マシュアとアイルースもここに住むことになる」

「!!」

「何かあった時に動ける人が多い方が良い。今回実感したよ……今後も安全とは限らないからな」

「うん、分かったよ」

 ライラが賛成し皆うなずく。

「よし、俺はマシュア達を迎えに行ってくる」

 話し合いも終わって俺は外に出る。

 すると家の前に馬車が止まった。

「なんだ? マシュアにしては早いな……」

 扉が開かれて中から見知った顔が姿を現す。

「セイベル!」

「ドレイク坊ちゃま……このセイベル今日からドレイク様専属の執事になりました」

「!! 本当か!?」

「はい、レナイゼル様より、ドレイク様のお役に立ってこいとのことです」

 このタイミングでセイベルが来てくれたのは非常に助かる。

 セイルとルーシーの勉強も見てくれるし、家の事もしてくれるからだ。

「ドレイク様ー!!」

「エリーゼ!!」

「はい! メイドとして今日からお世話になります!」

「助かるよ二人共! 皆中にいるから入ってくれ、俺はマシュアの引っ越しを手伝いに行ってくる」

「マシュア君の引っ越しというと……?」

「今日からマシュアとアイルースもここに住むんだ。何か起きてからでは遅いからな」

「分かりました、ではエリーゼ、参りましょう」

「ではまた後で!!」

「ああ!」

 今日からセイベルとエリーゼも住むのか……賑やかになるな。


 俺はヴァンに乗ってマシュアの家まで飛び立つ。

 家の前でマシュア達が荷物を持って待っていた所だ。

「お待たせ、アイルース」

「助かりますドレイク君、マシュア君はもうすぐ来ます」

 家からマシュアが出てくる。

「荷物はこれで全部だ、頼めるか?」

「もちろん、二人も乗っていくか?」

「そうだな、乗らせてもらうよ」

「お願いします」

 荷物をヴァンの背に紐で縛って固定し、マシュアとアイルースを乗せて家へと飛び立つ。


「セイベル様が……」

「そうだ、今日から賑やかになるぜ」

「楽しみですね」

 軽く話しているとすぐに家へと着いた。

 荷物を降ろして中へと運ぶ。

「一人部屋を二つ使ってくれ、二階は女性陣の部屋で男は三階だ」

 部屋に案内して荷物を置いてからリビングへと戻り皆で夕食を取る。


「久しぶりにゆっくりできるな……」

 俺は自室のテラスで夜風を浴びていた。

「ワインでも開けるか」

 グラスに注いで一口飲む。

「美味いな、一人で飲むのももったいないがまあいいか」

 今回の戦いではなんとかミュフィスの家族を守ることが出来た。

 街に被害が出たのは悔しいが、相手はあの三人だ。

 無傷で生還できたのは運が良かったな……。

 騎士団は年々強くなっていってる、それでも、まだ世の中はどうしようもない闇で溢れている。

 ドラゴニアはいくらか平和になったと思った矢先にこれだ。

 世界にはもっと強い奴もいるだろうし気は抜けないな……。

 俺は世界一の騎士になる為に騎士団へと入った。

 でも薄々分かっている、一人で出来る限界がある事に。

 だから仲間を増やして後続を育てないといけない、セイルやルーシーのような若い奴らを。

 俺がディアス先輩やフラム副団長にそうして貰ったように、今度は俺がその恩を次の世代へと返す番だ。

 刀刃、ルーカス、レベッカ、ナーシャ、ルミア、時雨。

 この後輩達を育てる事に集中しないとな。

 周辺国の戦力は落ちてきている、このタイミングでどこか別の国が攻め入って来てもおかしくはない。

 だが動きやすくなってきているのも事実だ。

 今までは睨まれていて身動きが取れなかったが、剣王国も獣王国も確実に鬼葉とゲルドの損失は大きいだろう。

 うちの国が攻めれば領土拡大もできる。

 後は国王陛下達がどう動くか……。

「考えても仕方ないが……まだまだ波乱は置きそうだな」

 グラスの中身を飲み干して俺は寝ることにした。

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