第99話 久しぶりに
俺達は父さん達が飲んでいる酒場にやってきた。
「レイ! 来たか!」
「父さん!」
俺達は予約していた近くの席に座り宴会が始まる。
「よっしゃ! レイの勝利記念に乾杯!!」
「「「乾杯!!」」」
「美味い!!」
ハザックさんは相変わらず豪快に飲むな……。
俺とジノとバアルの両親達が来ている。
後はセイベルやクライツも来ているようだ。
「バアル! お前遂に彼女が出来たのか!?」
「うるせえな親父……紹介するよ、セーラだ」
「初めまして、セーラ・ヴェイルと申します」
「良い娘じゃないか! これからもバアルをよろしく頼む!!」
バアルの父さん、ベックさんが涙を流して喜んでいる。
「で? ジノ……そちらのお嬢さんは?」
「あ、ああ。付き合っているんだ、レベッカだ」
ガタンッ!! とクライツさんが立ち上がる。
ジノは怒らしたかとビビっている。
「レベッカに、彼氏が……? そうなのか!? レベッカ!?」
「は、はい! ジノ先輩とお付き合いしています!」
何故か宣言っぽくなってしまうレベッカ。
「お前……クライツさんの孫に手を出すとはいい度胸だな?」
ハザックさんが真剣にジノの方を見て言う。
「必ず幸せにして見せるので、どうかお許しを!! クライツさん!!」
うん、酔っ払いが集まってるから皆、感情が高ぶっているな。
「ジノ君……小さい頃からの君を良く知っている私はね……嬉しいんだ」
「クライツさん……」
「孫を、よろしく頼む……!!」
手で顔を覆いながらクライツさんは泣いていた。
「はい!」
「めでたくなってきたな! レイ! 次の嫁さんは見つからないのか!?」
「ゴホッ!!!」
俺は静観して酒を飲んでいたが火矢が飛んで来た。
嫁三人がジーっと俺の方を見ている。
「お父さん! レイにはもう十分ですよ!」
母さんから怒られている、自業自得だな……。
「そ、そうか、エレナがそういうならそうなんだろう……すまん! 今のは忘れてくれ!!」
全く、いきなりすぎて冷や冷やした……。
「それにしてもお前ら四人がLv.100とはな……」
ハザックさんの言う通り、ジノとバアルもLv.100に到達した。
「ホントだぜ……めでたいを通り越して訳わかんねえよ……」
グビッとビールを煽る父さん。
「バアルも良い友人を持ったな!」
「ああ、最高の親友だ」
「それで? レイ、今度の休日ちゃんと空けといたかよ?」
「ああ、父さんが言うから空けてあるけど……何かあるのか?」
「決まってるだろ、可愛い娘達の御両親への挨拶だ」
「……挨拶? 王都に来てもらうのか?」
「来週の土日に集まるんだ。父さん達はこのまま王都にいるから何かあったら言えよ? マシュアもだ。アイルースの御両親も来るから準備しろよ?」
「嘘……!! お父さんお母さんが王都に来るの!?」
ミュフィスがビックリしている。
「ああ、ジェミレさんとは手紙でやり取りしててな、俺も合うのは初めてだよ」
父さんは手紙での交流はあるらしい。
「四人の両親か、どんな人達か楽しみだな……」
「ライラの父のライゼンさんも良い人だぜ? グラドさんもな」
「そうなんだ、でも、ちょっとだけ緊張するな……」
「ジェミレさんは柔らかい人だよ?」
「ライラとミュフィスの家は仲良いんだっけ?」
「うん、私が三歳の頃からミュフィスちゃんとは友達なんだ!」
「へえーライゼンさんはどうだ? ミュフィス」
「ライゼンさんは怖いよー」
「!!」
「厳しいって意味でね……昔は勉強しろってよく怒られたなー」
「そうなんだ……ははっ」
「グラドが来るのは聞いていたか?」
「親方から手紙届いてたから知ってたっすよ!」
「そうか、挨拶考えとかないとな」
その後も宴会は続いて、今日は解散となった。
翌日、俺は何故か朝早く目覚めた。
そして新聞を読んでいると最悪なニュースが舞い込んできた。
『水の都ウェステンシア陥落』
「ウェステンシアって!! ミュフィスの故郷じゃねえか!!」
俺は急いでテレビを付ける。
「現在水の都ウェステンシアは剣王国と獣王国の連合部隊により多大なる被害を受けています!! 避難を急いでください!!」
握っていたリモコンを落としてしまう。
まただ、また、ミュフィスの家族が危ない……。
だが一人で行っても助けられる人は限られてくる、一度騎士団と合流するか? それとも一人で……?
迷っている間にも被害は広まっていくだろう、だったら!
「クソッ!! フラム副団長だけでも連れて行く!! ヴァン!! 頼む!!」
「オーケー、もう庭に着くよ」
俺は庭へと出る。
すると以前よりもはるかに成長したヴァンが降りて来た。
「僕も強くなったよ、何か手伝えると思う」
「ありがとう! 行くぞ!!」
こうして俺はフラム副団長の家へと飛び立った。




