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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
黄金竜編

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94/94

エピローグ

これで完結です。


お楽しみください。


三日月

フェアリー・レゾナンスエピローグ

 マユリが新しいアンドロギュノスビルの屋上で佇んでいた。

 あの戦いからもう五年が経っていた。

 

 舞の行方は未だ分からなかった。

 あのクリスタルには種だけがあり、どんな検査をしても舞の痕跡はなかった。

 今はアンドロギュノスの地下深くに厳重に保管されていた。

 

 マユリは舞のナイフをじっと見つめた。

 キンッとナイフが共鳴する。

 結が傍に立つ……結の持つナイフと共鳴したのだ。

 

「任務ご苦労さまなのだよ」

 

 あの時世界はたしかに一つになったが五年が経っても世界は大きくは変わっていなかった。

 世界では紛争やテロが起こっているし、

 ふたなりたちも未だに狙われていた。

 

 アンドロギュノスは日米両国の公的機関になった。

 マユリが代表になっていた。

 そしてフェアリーは、結を中心にとしてフタナリの保護活動を続けていた。

 

 ふたなりの地位や人権も五年間で確実に良くはなった。

 アメリカではマーガレット•ストライクが初のふたなりの大統領に就任した。

 日本では倉木内閣は長期安定していた。

 

 

「はいこれ、シュークリーム買ってきた」

「ありがとうなのだよ」

 二人でシュークリームを食べた。

 すぐ横のベンチにもう一つシュークリームが置いてあった。

 

「舞のシュークリームの食べ方汚かったよね」

「そうだったのだよ、いつもここにベッタリと」

 ふふふと口の横を指差して笑った。

 

 二人はふと空のベンチに目が向いた。

 寂しさは五年経っても一かけらも変わらなかった。

 

涙が溢れそうなのを誤魔化そうと明るく話した。

「明日のフライト忘れないでよ!」

「ああ、もちろんなのだよ」

 

 明日は結とマユリでモルディブへ行くことになっている。久しぶりに、モカとカリンに会える。

 

 二人も、もちろんフェアリーになっていた。

 

「それに明日は念願のモルディブの妖精祭りだからね、懐かしい」

「私も見たかったのだよ」

 二人はモルディブの海を思い出すように遠くを見つめた。

 

◇ 


 翌日――モルディブの空港でモカとカリンが出迎えてくれた。

「結姉!マユリ!久しぶり〜」

 

 二人の成長に驚きを隠せなかった。

 モカとカリンは誰もが振り返るほど美しくしなやかだった。

 

 法整備が進みふたなり同士の婚姻も認められていた。

 二人の薬指にはお揃いのリングが光っていた。

 

「結婚式以来だね」

「そうだね〜」

 

 空港敷地内にはアスカの銅像が立っていた。

 世界を救った勇者の一人、フェアリーとして敬愛されていた。

 もちろんこの地にアスカの銅像を建てたのはモカとカリンの希望だった。

 

 結とマユリは夕方までアンドロギュノスモルディブ支部の視察をこなし、夕方には妖精祭りに出向いた。

 

 未だに露店ではあのパチンコや妖精のコスプレ衣装が売られていた。

 

 結は懐かしさで泣きそうになった。

 

 マユリが結の手をギュッっと握った。

 

 夜になりモカとカリンも合流して祭りを楽しんだ。

 

 四人で砂浜を歩いた。

 名物のスカイランタンが始まっていた。

 

 願いを込めたランタンに火を灯し、熱気球のように無数に大空へ放つ。

 人々の祈りが無数の光となり夜空を彩る。

 妖精祭り最大の名物だった。

 

 四人は無数に上がるランタンに願いを込めた。

 

 四人もランタンを買い文字を書いた。

 

 中のロウソクに火をつけようとした。

 

「マユリ!ライター出して!」

 

 モカが相変らず呼び捨てでマユリを呼んだ。彼女なりの親近感なのだろう

  

「そんなのないのだよ!なんでランタン買う時に一緒に買わないのだよ?」

「誰も持ってないの?」

「持ってないわ」

 全員がカリンを見た。

 モカがカリンに言った。

「フェニックスになったらよくね?」

「バカ?全部丸焼けになっちゃうでしょ!」


 

「あ!」

 マユリと結がなにか思いついた。

 懐から舞のナイフを出した。

「あーーーあのバチバチって奴だよね〜火も着くかも」

「やってみよう」

 

 マユリと結がナイフとナイフを合わせた。


 バシ!

 ナイフが雷のように帯電していった。

 

「お!いけるかも!」


 バチバチバチバチと想像以上の雷が出た。

「ちょっ!あっ!」 

「キャ!」

「やりすぎだよー」

 雷が止まらず闇夜を照らした。

 

 ナイフの共鳴は火花を起こすだけでは止まらなかった。

 まるで、遠いどこかから返事が届いたように、刃が震え続けた。

 

 放電が収まらない。

 闇夜の空間に雷が収束していく。

 空間が歪む。

 そして空中にぽっかりと穴が開いた。

 

その穴の奥から声ではなく、か細く、すぐに見失いそうな思念が聞こえたような気がした




(やっと…………見つけた!)

 


 四人が微動だにしなくなる……

「聞こえた?」

「うん」

  

 

 穴から何かが落ちてきた。


 海に落ちて飛沫が上がった。

 

 四人はびっくりして飛び上がった。

 

 飛沫を払いながら人が立ち上がった。


 びしょびしょに濡れた女性だった。


 キィィィーーン……五人の妖精たちの魂が共鳴した。

 

 


 何も言う必要などなかった。

 

 ゆっくりと雲が流れ月光がその人の顔を照らした。

 

 ――カリンが海へ駆け出した!

 ――モカが海へ駆け出した!

 ――マユリが海へ駆け出した!

 ――結が海へ駆け出した!


 

 言葉が出なかった。


 

 その人が笑った。

 

「私が帰る道標、魂の座標って言ったでしょ?」

 

 誰もが望んだ笑顔。

 

 誰もが望んだ声だった。

 

 あの日の笑顔だった。

 

「ただいま!」

本当に最後まで読んでいただきありがとうございました。


楽しんでいただけたでしょうか?


私が初めて書いた本格的小説です。

私の中の全てを出し尽くしたような


最後の「ただいま」を1人でもいいので読者様に届けたくて書いてきました。


また感想などよかったら聞かせてください。。


ありがとうございました。


そしてまだまだ至らぬ文章力を少しでも改善しようと日々改稿していますので、よろしくお願いいたします。

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