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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
黄金竜編

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ー夢幻双龍〜

〜夢幻双龍〜お楽しみください


三日月

竜〜夢幻双竜〜

「竜の力だと?そんな捨て去られた力粉々にしてやるわ!」

 リタが瘴気を練り硬め、何本も槍を放った。

 舞は腰から二振りのナイフを抜き、飛んでくる槍を斬った。

 

 槍をことごとくバラバラにした。

 ニヤリと笑った。

 

「エナジースラッシュ!!」


 バシュッ!

 

 斬撃がリタの頬を掠めた。

 

 ――リタの頬から鮮血が流れる……リタが震えながら頬を触りその血の感触に手が震えた。

 

「この私に……この私の顔に傷を!!!!」


 その傷口から流れる血は、すぐには止まらなかった。

 リタの顔から初めて余裕が消えた。

 

 

 マユリは見ていた。

 あのティアが最後、笑いながら逝ったのを……

「まったく最後まで美味しいところは逃さないのだな……ティア」

 

 (ふふふ……あなたには似合わないわよ!生きなさい)

 ティアの声が聞こえた。

「本当に…………マキナといい、ティアといい……」

 ――それ以上は声にならなかった。

 

 そして今、舞が竜の力を手に入れあのリタと戦おうとしていた。

 

 マユリの視覚は衛星回線で全世界に中継されていた。

「綾香……見えてる?」

 

「ああ……見えてるとも!我々の代わりに戦ってくれている」

 

 マユリは足元へ視線を落とした。

 エデンの地面。

 そのさらに向こう――世界中へ張り巡らされた世界樹の根を感じ取った。


「舞ならきっとやってくれる。でも私達にも出来ることがあるかもしれないのだよ」



 


 リタから瘴気が立ち込め形になっていった。

 瘴気の角

 瘴気の牙

 瘴気の尾

 瘴気の翼

 手には瘴気が凝縮した二本の槍を持っていた。

 暗黒の竜となり黒い雷を体に纏った。

 

 ゆっくりと舞に向かって歩いていった。

 舞もゆっくりとリタに向かって歩いていった。

 手の届く距離で止まった。

 

「リタ……可哀想な人……」

 

「――なんだと?この私が?」

 

「そう、哀れなほど可哀想だわ」

 

「私を哀れむというのか?」

 

「未来でティアと二人で長い間生きたのでしょ?」

 

「うんざりするほどの時間だったよ」

 

「ティアはあなたを愛してた。そして二人の未来を夢見た」

 

「愛?さっきお前がしていた口付けが愛か?」

 

「くだらん人間が身体を合わすことが愛か?」

 

「家族を作り子を成すことが愛か?」

 

「そんなことも分からないから哀れなのよ!愛はそういう行動ではないわ!」

 

「愛とはそれを願う衝動!」

 

「愛とはそれを願う祈り!」

 

「愛とはそれを願う想い!」


 

「黙れ!小娘!!!」

 

 リタが槍を振るった。

 舞がナイフで受け、飛んだ。

 リタも翼をはためかせ飛んだ。

 二人がすごいスピードで飛びながら切り結んだ。

 何度も交差する度に光と闇がぶつかった。

 

 双つの竜の軌跡が空に巨大な〈∞〉を描いた。

 無限ではない。

 光と闇が織りなす夢幻の双竜だった。


 二人が斬り結ぶ度に光が爆ぜた。

 刃と刃がぶつかるたびに火花が咲き、どちらかの身体に新しいキズがついていった。


「おおおーー」と舞が叫んだ

「死ねぇーー」とリタが吠えた。


 金色と黒色の螺旋がエデンの空に幾何学模様を描いた。


 

 全世界でその映像が配信されていた。

 テレビ、PC、街のニュースモニター、スマートフォン、あらゆる場所で人々は画面を見つめていた。

 

 マユリは少し移動してある地点に立った。

 綾香に通信した――

 

「わかった!やってみるわ」


 舞の身体に限界が近づいていた。

 集まった8thチャクラの膨大なエナジーが舞の身体を回っていた。

 それだけでも身体の負担は大きかった。

 

 少しづつ遅れを取るようになっていた。

 

 リタの尾が舞を叩いた。

 バシッ!肉が切れ骨が軋んだ……

「つぅぅうあ」


 

 リタの爪が舞を襲い胸にゾッとするような傷を付けた。

「ぐぅぅ」

 

 掴まれて首に牙が刺さる寸前リタの腹を蹴って避けた。

 

 舞が受けるダメージは8thチャクラを通じて結にもモカにもカリンにも伝わった。

 

「イタタタタ」モカが歯を食いしばった。

「舞姉……頑張れ」

 結が祈った。

「みんな頑張って!」

 

 結とモカが逆に少しでもエナジーを送ろうとチャクラを回した。

 

 カリンだけが静かにエナジーを練っていた。

 その瞬間を、その一瞬を、逃さぬように――


「クククっ!動きが鈍くなってきたなぁ〜ほれ!ほれ!」

 バチンバチンと尾で舞の頬を張った!


「ちくしょう!」

 

 舞がその尾に噛み付いた。

 リタの尾が噛みちぎられた。


 舞がペッっと吐き出した。

 

「まずっぅぅ!ドブの味ね」

 

 リタが半狂乱になった。

「キサマ〜」


 

 マユリが立ち上がった。

 世界樹の吸収システムを計算して人が根に触れても問題ない時間を算出した。

 

 全世界の配信画像に2つのワイプが入った。

 1つにはアメリカ合衆国大統領ジョン・ストライクとそのファーストレディ、マーガレット・ストライクだった。

 

 マーガレットはジャケットを脱ぎ、シャツを大きく捲り自らの共鳴紋を隠さずたっていた。

 そこに羞恥などまったくなかった。

 国家の代表としてではなく一人のふたなりとして、自らの存在を世界に示していた。

 

 そこには誰もが知ることのなかった

 彼女たちの秘密があった。

 腹部から下腹部に刻まれた共鳴紋……

 ――ふたなり

 

 もう1つのワイプには日本国総理大臣。

 倉木綾香もカメラの前でシャツを捲った同じ姿で現れた。

 世界が息を呑んだ。

 2人の同時演説が始まった。

 

「私は見ての通りふたなりです。

 ずっと隠していた事を謝罪致します。

 しかし恥じてはいないのです。

 今私達の代わりに戦い血を流し痛みに耐え世界を護ろうとしているふたなりの五人の戦士。

 いや五人の勇者たち、そして彼女たちに命を託した全ての者たちを……

 ――私は誇りに思う。

 

 

 私達も戦う!

 そう!もう傍観者ではないのです。

 皆さんの力を貸してください」

 

 二つの国のトップが全世界に願った。

 

「今目の前にある根に触れてあなたの少しの生命エネルギーをあの勇者たちに届けたい。怖がらずに根に触れて祈ってください。仲間が吸収量を安全な範囲に制御しています。無理はせず、一秒、ほんの一秒、根に手を触れ、ほんの少しだけ力を貸してください」

  

 倉木綾香総理が深々と頭を下げてお願いした。

 そしてワイプが消えマーガレットとジョン・ストライクだけになった。



 倉木総理がモニターを見ながら精神を研ぎ澄ました……

  

「よし、次は私が……こんなに強い力のドッペルゲンガーが出せるのだろうか?いや……出すのよ!」

 

 エナジーを込めて、自分の体の中で舞のエナジーの枠をイメージした。

 

「うぐぅぅ……舞さんのエナジーが強すぎる……エナジーが足りない……」

  

 ――その時部屋のドアが勢いよく開いた。


 執務室横の広間に沢山の人間が入ってきた。

 

 サナが先頭に次々と入ってきた。

 

 リナ。ミナ。美由紀。マユリのLABOのメンバー。教官だったサラ。ミッションでアンドロギュノスが救ってきたふたなり達。


「あなたたち!」

 

「私たちも戦います!」

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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