表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
黄金竜編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/94

キス

〜キス〜


お楽しみくださいね


三日月

竜〜キス〜

「チャクラなんて、はいどうぞ、ってあげれるものじゃないよね?」

 モカがリタに拳を放ちながら叫んだ。

 攻撃は簡単に弾かれ逆にモカが押されて下がった。


 舞が迫る攻撃をナイフで受け流しながら、もう一度はっきりと言った。

 

「私が竜になる」

 

 エナジースラッシュを撃ちながらみんなに告げた。

 斬撃を素手で受け止められて投げ返された。

 何とかエナジーシールドで防いだ。

 

「もう一度ここに登った時のように竜の中に」

「でもそんなことやってる時間が」

 少しでも時間が稼げたら……


 背後で衣擦れの音がした。


 胸元を血で染めたティアがよろめきながら立ち上がっていた。

 

「話は聞いていたわ――――私が時間を稼ぐ」

 

 胸の穴は治癒魔法で塞いでいた。

 しかし失った血も損傷した臓器も完全には戻っていない。

 ダメージ自体は復活することはなかった。

 

  

 舞はティアの目を見つめた。

「ティア……あんたのこと嫌いだけど、ここで終わるような女じゃないよね?意地見せなさいよ」

 

「舞、顔と言葉が合ってないわよ」

 

 舞にはティアの覚悟が見えた。

 舞の顔がくしゃくしゃに泣いていた。

 

「そんな顔で嫌いなんて言われても信じられないわ」

 

「うるさい!やり遂げるんでしょうね?」

 

「もちろんよ……今なら、ゆかやエミリーやマキナが何をあなたたちに託したのかわかるわ」

  

 ティアがゆっくりと歩きリタの前に立った。

 

「カリンお願い竜まで飛んで」

 カリンがフェニックスになり三人を乗せて真上に飛んだ。

「何を今更竜になど!たたき落としてやるわ」

 リタが手のひらをフェニックスに向けた。


 ジュパッ!!

 ――その手のひらに鋭利な傷がついた。

 

「リタ……これ以上、好き勝手にはさせないわ」

 

 ティアが魔法でリタを切った。

 

「今!私は私の意志で立っているわ」

 

「アハハハハ〜死に損ないに何が出来るというの?」

 その手の傷が見ているだけで塞がり回復していった。

 

「私もついさっきまではそう思っていたわ……でも今ならわかる。死に損ないだからこそ出来ることがあると!私の戦友が……よく言っていたわ、——死ぬまで生きるだけだ!って

 そしていつまでぺちゃくちゃ話してるの?あの頃とちっとも変わってないじゃない」

 

「減らず口が!」

 光の魔力と闇の魔力がぶつかり合った。

 


 フェニックスと光の竜が並んで飛んだ。

「もう一度みんなで竜に触れてみよう」

「わかった!」

 

 竜の下に回り込み、四人が8thチャクラを廻しながら竜に触れた。

 光に包まれていく。

 竜の意識の内部、光の広大な海に浸かっているような感覚に支配された。

 

 

 舞が竜に語りかけた。

「お願い!あなたの力を私に貸して!このままでは世界が終わってしまう。竜の力があればきっと護れる! いや……私が絶対に護るわ!だからみんなの力を集め私に託して!もう時間がないの!」


  ――『我の主はお前達』

 

 『お願いなどせずとも力を使うが良い』

 

 『しかし四柱の意思が統一されていないようだな』

 

 『一柱が拒んでいるぞ』

 

 舞が順番にモカ、カリン、結を見ていく、結だけが目を逸らした。

 

「結…………」

 

「どうして?どうして舞ばっかり、いつも……いつも……」

 感情が昂っていた。

 

「どうしていつも私はそれを受け入れ、あなたを失うかもしれないことを、認めなくちゃならないの?」

 

 泣きそうな顔で訴えた。

 

「どうしていつも自分を犠牲にすることに躊躇がないの?

 あなたは私と会えなくなるかもしれないことが平気なの?」

 

 瞳が涙で溢れてかろうじて落ちず瞳を濡らした。

 

「私は舞を失うかもしれない恐怖にもう耐えられない」

 

 涙が溢れこぼれ落ちた。


「結……」

 


 


 ティアの光の獅子とリタの闇の獅子がぶつかり合う!

 今度は互角だった。同時に霧散して消えた。

 ティアが重力波をリタに浴びせた。

 何倍もの重力がリタを地面に押し付けた。

「へぇ、なかなかの魔力じゃない!命を消費しているだけのことはあるわね!」

 ティアの額に汗が流れる。リタの言う通りだった。

 ティアは自分の命を魔力に変えリタにぶつけていた。

 

「揺らいでいるわよ!命も!魔力も!」

 

「揺らいでいる?違うわ!メラメラと燃え上がっているのよ!」

 ズンッ!!

 重力波が増した。

 

 (もうこうしてリタの動きを止めておくことしか出来ない!早くして!私の命が尽きる前に)



 ◇

 

 


「結…………」

 

 舞の指が結の零れた涙をすくい上げた。

 

「結、私も結と会えなくなるなんて考えたくもないよ、私はあのとき、あのバーで結と出会えて、

そこで初めて思えたの。生きてるって。生きたいって。本当に心から結を愛してる」


 舞の手が結の肩に触れた。

 

「そして私は犠牲になりにいくのではないのよ!……護りぬく!結のこともみんなのことも!そしてその原動力は結、あなたがこの世界にいるからなのよ!」

 

 ゆっくりと二人の距離が近づいていった。


「結がこの世界で生きて笑ってくれてる限り、私は死にはしないわ!だからもし私が帰り道が分からなくなって迷子になったら結のその声で愛で私を繋いで欲しい!そして、頑張ったねって抱きしめて!」


 次の瞬間、二人の唇が重なった。

 それは別れの口づけではない。必ず帰るための約束だった。 


 モカとカリンが目を手で隠しているが指の隙間から好奇心が爆発していた――

 


 


「もういいわ!さっさと死ね!」

 リタの手から瘴気の槍が投げられた。

 一直線にティアの胸に穴を穿つ。

「っ!」

 ティアは胸を貫く槍を両手で掴み、最後の魔力を逆流させた。

 瘴気の槍を伝って光が走り、リタの身体を後方へ弾き飛ばした。


 竜が地上に降りた。

 結とモカとカリンだけが投げ出された。

 光の竜と舞の身体が重なって行く。

 舞の背骨が軋む……

 腕の皮膚が鱗になる……

 共鳴紋が金色の光を放っていた。

 さらに

 上半身へ

 腕へ

 首へ

 そして背骨に沿って広がっていき翼のような紋様を描いた。

 舞の全身を金色の共鳴紋、レゾナンス・シグマが包み込んだ。

 

「舞、やったわね……ああ……その力……四柱の欠片たちもあなたを選んだのね。みんな…………」

 ティアは呟くと動かなくなった。

 結が駆け寄った。

「――――ティア…………」

 胸に刺さった槍を握りしめたまま、ティアは静かに立ち尽くしていた。

 

 その顔には全てを託し成し遂げた者の穏やかな笑みが残っていた。

 

 結はティアを抱きかかえてゆっくりと寝かせた。

 ティアの頬に結の涙が落ちた。

  

 ゆっくりと舞が光の中から出てきた。

 竜の角がバチバチと雷光を散らす

 竜の牙が全てを噛み砕かんと光り輝く

 竜の尾があらゆる敵をなぎ倒そうと揺れる

 竜の翼がどこへでも飛ぼうとはためく


 舞の中へ、無数の四柱の欠片たちの記憶と祈りが流れ込んできた。

 舞は目を閉じてその声に耳を傾けた。


 

「なんだそれは!」

 


 舞の瞳が大きく見開いた。

「これはかつて神が四つに分けた竜の力。

 ティアが一万年探し求め、四柱の欠片たちがいつか四柱が揃うまで、この竜に力を注ぎ続けた魂の結晶!」

「私には分かる。欠片たちはティアに騙されていただけじゃない。いつか自分たちの届かなかった先へ進む者が現れると信じて、この竜へ力を残していたのよ!」 


「注ぎ込まれた魂が今こうして竜の力となっている。

 お前を倒す力だ!!」


 舞の金色の輝きが増した。

 

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ