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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
四柱編

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夢涙

〜夢涙〜


お楽しみください。


三日月

四柱〜夢涙〜




「あなた達はティアに利用されているわ!」

 

 舞の叫びが発されてから誰も話せなくなり、沈黙がしばらく続いた。

 歓迎ムードだったその場が舞の《数千年の矛盾》を突きつけられキキョウとハギの顔から笑顔が消えた。

 

 舞が息をフゥっと吐き落ち着いた声で、

 

「という私達も結果ティアに利用されていたのよ。私と結とマユリはアンドロギュノスというふたなりを護り救う組織の中で戦っていたの。でもそれはティアの手のひらで8thチャクラの覚醒を促されていただけだった……あなた達のこと偉そうに言えないわね……」


 張り詰めた空気が少し緩む……


「ティアに会いに行くわ」

 結が強く声を上げた。

「それしかないのだよ!」

「そのためには反対派との話が必要だよね?私とカリンで行ってくる」

「賛成派の人にも協力を仰ぎたいです。キキョウさんお願いします」

 モカとカリンが頭を下げる。

「わかりました。カリン様、モカ様、私達賛成派は協力を惜しみません」

「結姉、舞姉、マユリ、こっちは任せて!」

 マユリが呼び捨てにあきらめ顔で言う。

「わかったのだよ」

「ティアの前に四人無策で行くよりもいいかもね、四人が同時でないと意味がないと言うのが私達のアドバンテージになる」

 


 


――アメリカ合衆国ホワイトハウス大統領執務室――

「なんだって!!」

 大統領ジョン・ストライクの声が響き渡る。

 大統領補佐官マーガレットの報告に驚きを隠せない。

 2人の薬指には同じデザインの指輪が光っている。

「マーガレット!大至急日本の倉木総理にホットラインを繋いでくれ!!」

 ジョン・ストライクの背中が汗でびっしょり濡れていた。

 



 

 ティアは夢を見ていた。

 記憶の追体験?

 ティアは眠りながらもこれが夢だとわかっている。

 夢ならばある程度の操作は可能だがティアはあえて夢を夢に任せた。

 

「失敗だ!ティア!やはり人工的に進化など……無理だったのよ!」

「このままでは全てが無になってしまう

  ――――ティア!後は頼んだよ!種を!進化の種を!」

 凄まじい力の奔流。

 爆発的なエネルギーの放出だった。

 リタの叫びと共に強大なエナジーがティアを包み込む。

「リタ!リタ!私を独りにしないで!お願い、私も一緒に!ああああああーー」

 ティアが慟哭しながら光に包まれていく。

 リタに手を伸ばし、リタの手に触れた。

「このエネルギーでは一人が精一杯なのよ。

 それにどちらかが今のこの未来を!魂の座標をここに固定しておかないといつか戻ってこられなくなる。

 二人の願いをティアに託すね」

 

 リタの身体が細胞レベルでバラバラになっていく。

 ティアは逆行して流れる刻の河に落ちていく。

 数千年の孤独な旅路の始まりだった。

 

 ハッと目を覚ました。

 目から一筋の涙が溢れた。

 

「……まだ泣けるなんて」

 

 ティアは自嘲気味に笑った。

 

「進化の種までもう少しだわ…………リタ」

 


 ティアが何かを感じて顔をあげた。

 涙の跡を指で拭うよりも早く、その表情はいつもの番人に戻っていた。

  

「来たわね」

 

 舞、結、マユリの3人がティアの前に立つ。

「結……お久しぶりね。いつぶりかしら?」

 結は答えない。

「マユリはマキナと上手く入れ替わったのね?」

「全て見てたのだろう?」

「そうだった、自己犠牲の押し付け合い、楽しく見させてもらったわ」

「あの私とマキナとのやり取りを侮辱することは許さないのだよ!というかティア?愛が理解できなかった?」

「マユリ!貴女と愛について語るつもりなどないわ!」

「それもそうなのだよ!私もこんな話をしに来たのではないのだからね」

 

 ティアから静かで重いエナジーが立ち上がった。


  

 

 モカとカリンは賛成派のメンバーと共に反対派の元へ向かっていた。

 反対派は光の塔の近くにアジトを構えいつ来るか分からない四柱を監視し続けていた。

 光の塔を目指して行けば接触してくるだろう。

 いきなりモカとカリンに銃を向けてくるかもしれないことも考慮しつつ警戒は解けない。

 賛成派のナデシコがフェニックスになり上空を旋回して警戒している。しかし本来なら美しく燃え上がる炎のような翼は曲がり歪で飛ぶスピードも速くなかった。

「……」

 カリンがその飛ぶ姿を見て言葉にならないようだった。

「四柱の資格を失うということはそういうことだ」

 

 カリンの雰囲気を察してハギが独り言のように話した。

 ハギはヴァンパイアのようだが牙は右側だけしかなかった。

「お前たちは光の塔に行かなければならない。そしてこの世界を終わらせて欲しい」

 

「終わらせることなんてしないわ」

 と言った瞬間――

 ダッダダダダダ!!

 この街にあるはずのない近代兵器の悪魔の叫びのような音が響いた。

 

 地上から機銃掃射が発射された、ナデシコが声も出さず、翼を散らせながら地に落ちた。

 

「ナデシコ!!」

 

「なんであんな武器があるのよ!」

 

 目の前で仲間が殺されてハギとキキョウは理性を失い飛び出して行った。

 

「ダメ!!」

 モカとカリンの声は届かなかった。

 驚いたことに反対派は近代兵器を所持していた。

 四柱の欠片といえども近代兵器には勝てなかった。

 

「カリン!止めよう!」

「わかった!」

 モカはライカンになり。戦闘区域に飛び込んでいく。

 カリンはフェニックスになって空から敵を補足すると急降下しその羽で吹き飛ばしていく。

 モカの前にナズナとスズナが立ち塞がる。

「ここで一人死ね!」

 

「あんたらあんな武器どこから?」

 

「知らないのかい?この街は世界樹と行き来自由なんだよ!脳筋のライカンに教えてあげる!このすぐ下の階層まで、つまり門の前には我々に協力的な軍事力があるのよ!もう終わらせてあげる!」

 

 反対派は神の子の街と世界樹の門とを行き来している時に協力者と会っていたのだった。


 その手の銃は明らかに《アジア連邦》の軍の基本装備だった。

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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