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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
四柱編

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欠片

〜欠片〜


お楽しみください


三日月

四柱〜欠片〜




「こっちだ!!」

 という声の方に向かって走った。

 

 追手を阻むように過ぎた通路が崩壊していく。

 

 建物の中に入り入り組んだ通路を進む。

 声の主を信じていいか?分からないが、ついていくことにした。

 

 ようやく歩みが遅くなる。

「助けてもらったと感謝した方がいいのかしら?」

 五人は立ち止まった。

「安心させといて罠ってこともあるよね」

 モカが疑い深く声の主を舐めるように見ている。

「申し遅れました。私はハギ。四柱の欠片です。」

「欠片ってなに?四柱とは違うの?」

 

「この街には四柱の欠片と呼ばれるふたなりだけがいます。〈四柱の欠片〉とは四柱の資格を持ちながら同時期に四柱が揃わずに光の塔に行きその資格を失った成れの果ての呼び名です」

「同時期にいなかった?あなたもさっきのナズナとスズナと言ってた人も年齢はそんなに変わらないでしょ?どういうことなの?」

「この街の中は時間が進まないのです。」

「――!!」

「私が神の子として輪廻の果てにここに転生したのは2400年前なのです。そして四柱の資格を失った時にこの街に落ちてきたのです」

「2400年……」

 結が息を呑む……目の前にいるハギの容姿は自分たちと同じ二十代にしか見えなかったがその瞳の奥には途方もない時間の孤独を生きてきた澱んだ光があった。

 

「なんとも凄まじい話なのだよ」

 

「貴方様は?四柱ではないのにここまでたどり着いた稀有な存在でございます。しかしチャクラを回し驚くほどの高い知性を感じる。」

 褒められてマユリの鼻孔が広がった。

「私はマユリ!電脳のチャクラを回した女なのだよ!」

「マユリ様!」

 マユリは(ほら!様なのだよ)と言いたげにモカを見て眉をぴこぴこと上下に動かしている。


 モカは鼻歌を歌い知らんふりを決め込んでいた。


(むぅぅ……この野生児め!)

 マユリが心の中で地団駄を踏む。

 

「ハギさん?さっきの襲ってきたのも欠片なの?」

 結が話題を変える。

「その話については私達のリーダーのキキョウ様に会って欲しい。今は安全な私達のアジトに向かいます」

 五人はそれぞれ見つめあって頷き、今はハギに従うことにした。

 幾つものトラップのような路地を抜けていく。

 ハギは五人を試すように走り、飛び、を繰り返した。

 簡単に全員着いていく。

 ハギが満足そうに笑う。

「さすが四柱ですね。もう少しです。」

 そして目的の家にたどり着いた。

 複雑なノックのやり取りだった。

 ドアが開き奥へと進むと三人の四柱の欠片達が待っていた。

 

「ハギ、戻りました。」

「おおぉ本当に四人が見事に揃っている!」

 口々に話しているが私達が来たことを喜んでいるようだった。

 ハギ

 ナデシコ

 キキョウ

 各々が名前を名乗って歓迎の意を表していた。

 

「随分とさっきの二人と違い歓迎ムードだね」

 

 舞は言葉とは反対に警戒のレベルをあげた。

 キキョウたちの喜びは、助けが来た喜びではなかった。

 長く待ち望んだ儀式の道具が揃ったような、そんな熱だった。 

 罠の可能性もあると考えていた。

 

「そろそろ話してくれない?」

 

 舞がキキョウと名乗った女性に声をかける。

「失礼しました。あまりに四柱が揃ったという事が嬉しくはしゃいでしまいました。」

「まずは色々と説明をして欲しいのだが」

 マユリが聞いた。

「わかりました。まずは前提として私達はあなた方様の味方です。」

 

「…………」マユリは答えない。

「私達は四柱が光の塔に辿り着くことを願っています。言わば四柱賛成派とでも言いましょうか、そして襲ってきたのが四柱が光の塔にたどり着くことを阻止しようとする四柱反対派なのです」

 

 舞が前に出て話す。

「大前提を聞くわ!私達があの光の塔に辿り着くとどうなるの?」

「それは……分からないのです」

「は?分からないってどういうこと?」

「文字どうりの意味でございます。」

「分からないのに賛成とか反対とかっておかしくない?」

「ただ唯一私達欠片が知っているのは、何か起こるか分からないが何かが起きるとこの世界樹は、いいえ、この世界全てが消滅するということなのです」


 

「――それは誰が言ってるの?起こったこともないのに何故世界が消滅するなんてわかるの?あなた達言ってることがおかしいわ」

 

「おかしくはありませんよ!私達にそれを言ったのはティア様です」

 

 キキョウの顔がティアを想像したのかウットリとしているように顔を上気させていた。


「私達がそれぞれ四人に至らずに光の塔に行き四柱の資格を失った時にティア様が教えてくれました。そして私達はその時この世界が消滅することを望んだのです。願ったのです。この歪んだ世界を正しき方向に戻すのなら消滅しても構わないと思ったのです。それが賛成派の総意なのです」


舞の心の中に《狂信者》という言葉が浮かぶ。

 

「ティア!!世界樹の番人と言っていた。」

 

「正確にはティア様は光の塔の番人でございます」

 

「それもティアが言ったの?この歪んだ世界を正しき方向に戻す!と」


 舞は捲し立てる。

 一歩前に出て賛成派の目を一人ずつ射抜き、話を続けた。

 

「塔に四柱の資格を持つもの、

 牙のチャクラ。

 角のチャクラ。

 尾のチャクラ。

 翼のチャクラ。

 これを回した四人が同時に触れることがトリガーという事なの?

 そしてそうすることで何かが起き、その結果世界は消滅すると?

 あなた達が神の子としてここに来た時に四人揃ってないのにどうしてティアは光の塔にあなたたちを触れさせたの?

 足りないとわかってるのに?

 そして資格だけが喪失した。

 はっきり言ってあげるわ!」


舞は大きく息を吸って一文字一文字区切るように言った。



「あなたたちはティアに利用されている!」



読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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