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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
四柱編

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通路

〜通路〜


お楽しみください


三日月

四柱〜通路〜




 舞とモカは強烈なエネルギーの奔流に流されていた。エナジーとはまた少し違う、無数の命そのものが流れていた。

 耳元で聞いたことない笑い声や話し声が聞こえ、何億人もの生命エネルギーが行き場を求めて舞とモカの中に入り込もうとしていた。

 

「ま……舞姉ぇ!凄い……あぁ……命が魂が……入って来ようと……」

 

「ううぁモカ……こっちへ!」

 

 舞はモカを引き寄せ思い切り抱きしめる。

 

 モカも舞に抱きつき思い切り抱きしめる。

 

 そうしてお互いの存在、互いの体温と鼓動、その存在、魂の座標を確認していないとこの流れている命の奔流が自分の中に入ってきてしまい自分が自分でなくなってしまうのが本能的にわかっていた。


 舞が叫ぶ! 

「モカ!私がちゃんとモカの魂をこうして繋いでいるから大丈夫!モカも私を繋いで!」

「ああ……舞姉〜!」

「モカ!チャクラを!チャクラにエナジーを!」

「舞姉ぇ〜わかった」

 二人は抱き合いながら8thチャクラを廻す。

 モカがライカンになっていく。

 舞が二角鬼になっていく。

 己の中にエナジーを廻らすことで外からの命の奔流を防いでいた。

 

 少し思考する余裕が出てきた。

「モカ……大丈夫?よかった……これが正解だったみたいね」

「うん、助かったよー」


「そうか!このエネルギーは世界中の根から吸収された生命エネルギー!魂の無かった横穴の生き物がここを通り魂を得る通路!」

 

「あ!見て!さっきのふたなりの人!」

 

 モカがさっき奔流に流されたふたなりの人を見つけた。

 流されるままの身体に光が入っては弾かれ、それを繰り返す。そして一際明るい光がその身体に吸い込まれた。

 ふたなりの女性に魂が刻まれその目に意思が宿るようだった。

 チラリと二人を見て笑ったように見えた。

 

 そしてその身体は光り輝きどこかへ消えていった。

「あの人は何処へ行ったの?」

「わかんないけど、もしかしたらこれが輪廻?あの人は生まれ変わって行ったのかも?」

 

 その頃には二人に入って来ようとする命の奔流はほとんど無くなっていた。

 ただ流されるだけの時間が続く。

「舞姉?このまま流されてていいのかな?」

 モカが不安そうに聞いてくる

 

「この流れから出る方法が分かれば……」

 

 ――「こっちよ」

 と声が聞こえた。感じたと言うべきか?

 

 二人は目と目を合わせて頷き合い、その声に意識を向けた。

 

 突然景色が反転し二人は固い地面にに投げ出された。

「舞姉ぇ!!戻れた!」

 

 舞は本能で、戻れた喜びよりも周囲の警戒をした。

 すぐ側に人の気配がする、(この気配!)ナイフを抜き、モカの前に立つ。

 

 舞の身体にバチバチと雷光が纏われる。

「ティア!」

 警戒は解かない。

 

「助けてあげたのに、またそんな怖い顔……」

 

 ティアが……いつもの、

 笑顔ではない笑顔で立っていた。

 モカも舞の横に並ぶ。

「舞姉……この人がティア?」

 代わりにティアが答えた。

「そうよ!私がティア、初めましてモカさん……でも私は初めましてではないわ!ずっとあなたを見てたのよ」

 

「おばちゃんがラスボスなの?」


 空気の密度が上がった

 

「……舞!あなたといるからこの子あなたに似て脳みそが筋肉になっちゃったのね?人の事を初見でおばちゃんなんて」

 見る者の感じ方によってティアは幾つにでも見える。モカの目に映るティアの輪郭が陽炎のように揺らぐ。

 モカの目の前のティアがふとモカの目に若くなって見えた。初老の落ち着いた女性から二十代の美しい人……一瞬モカよりも幼い子供のようにも見えた。

 モカの背中が汗でベッタリと濡れていた。

 呼吸が浅く早くなる。

 足が動かなかった。

 

「……この人……ヤバい……」

 

 モカも本能で感じていた。

 

「助けたってどういうことなの?」


 ティアが恩着せがましくはっきりとした口調で言う。

 

「文字通りよ。あのまま、あそこにいたらあなたたちは戻って来られなくなっていたのよ!戻って来れないだけではなくあなたたちではない存在になっていたかもね。感謝のひとつでも欲しいぐらい」


 舞はまだわからないことが多く質問を続ける。 

「……私も助けてもらったとは思ってる。……ありがとう。

 でも教えて、あの命の奔流は輪廻なの?

 あそこで生まれ変わり、どこかで生を受けるの?」

 

ティアがニコリと笑う。 

「素直ね。モカさんは?強気が取り柄だったわね」

「うるさい!感謝してる!これでいいんだろ?」

吐き捨てるようにモカが感謝の言葉を言う。

  

「ふふふ、まぁいいわ、あなた達にはこれから重要な役目があるのだから」

「四柱計画?」

 

「そうよ。やっと四人揃った。同じ時代に四柱が揃って生きているなんて奇跡なのよ!とてつもない奇跡……私はこの時はずっと待っていた」

 ティアが遠くを見るような目で話す。

 

「……何が目的なの?」

「その時が来れば分かるわ」

「それとあのまま、あの光の中にいたら戻って来れないってどういうこと?どこへ向かってたの?」

 

「相変わらず何でも聞くのね!まぁいいわ。あの通路は何処へ向かってた訳じゃないの」

 

「どういうこと?」

 

「何時へと言うことなのよ!あの通路は時間軸に流れている。

 過去――

 現在――

 そして未来への道」

 

「タイムマシンとでも言いたいのかしら?」

 

「もっと危険な乗り物よ!さっき光の中にいたふたなりを見たわね?あの魂は――過去へと流れたわ。」

 

「過去?」

 

「そう……遥かな過去。あなた達が見たあの魂は約2億年前のジュラ紀で昆虫として生まれたわ」

 

「なんですって?」

 

 にわかには信じられなかった。

 ふたなりの身体。

 魂。

 それが昆虫……ふたなりの身体と魂の定着は輪廻の旅の片道切符なのか?

 

「この世界樹は上に伸びてるだけではないのよ!」

 

「時間軸へも伸びているということなのよ!」

 ティアの背後の巨大な樹がドクンっと身じろぎした。


 

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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