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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
四柱編

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進化

〜進化〜


お楽しみください


三日月

四柱〜進化〜




 だんだんと世界樹のルールがわかってきた。

 上に登る。

 先に平地があり。

 またどこかに上へ上がるルートがある。

 まるで巨大な階層世界だった。


 もう下で遭遇したような食べようとしてくる巨大生物はいなかった。

  

 出会う生き物がだんだんと人に近づいていた……手と胴体が人間のバッタがすごい跳躍で跳ねている。

 数人で集まりコミュニティのようだった。

 

「家族……なの?」

「巣を作り集団で過ごす……家庭なのかもしれないね」

「知性の進化……なのだよ、これは」


 そしてとうとうここに来て初めて人間の姿をしたモノに出会った。


 木を使い、住居を作りそこに住んでいる。家の前には木がくべてあり、何かの肉を焼いていた。

 だが皿もなく、言葉もなく、火だけが人間の真似のように燃えていた。


「話をしてみるのだよ……」

といい近くの男に声をかけた。

「ちょっと聞きたいことがあるのだが……」

 ジロリとマユリを見てびっくりしたように聞いたことのない言葉で叫び出した。


「※※※※※※※!!」


 言葉が通じなさそうだったが指が先を指していた。


「もっと先へ行けという事なのかな?」


 三人は先へ進んだ。


「ここまで来るともう完全に人で、知能はおろか知性のようなものも見えるのだよ」


 


 

 ――そして目の前に巨大な門が現れた。

 ただの門だった。

 横に壁もない別に通らなくても向こうに行ける。

 しかしその迫力は通れと圧をかけてくるようだった。

 三人は止まってどうするかを相談した。


 

――突然、声が聞こえた! 

 後ろからここにきて初めての人間の言葉が聞こえた。

「どいてくれ」三人は息を呑んで、その男を見つめた。

 いつからそこにいたのか?突然現れた男に恐怖すら感じた。

 見た目は完全な人、全裸の男だった。

 

「ちょっと聞きたいのだが……」マユリが声を掛ける

「なんだ?」

 マユリは質問をする。男の態度からいくつも質問には答えてくれないだろう。

 マユリは考えて質問した。

「この門は?」

「問だ」

「問?質問されるの?どんな問なの?何を聞かれる?」

「門は問うだけだ」門をじっと見つめる。

「そして問に答えて通過出来たものが先へ進める」

 男はそう言うと門に入っていく。

 

 門の真ん中でジッと止まっている

 なにやら言葉を話しているようだった。

 口が動いている。

 地面に穴が開いた!すごいエネルギーが穴の縁まで溢れていた。

 男は黙って落ちていった。

 

「と……通れたのかな?落ちたのかな?」

「落ちたと見るべきだろうな」

「問に答えられなかったということ?」

「分からないのだよ!問が何かということも」

 

 カリンが門を見ながら言う。

「ねぇ結さん、マユリさん、門に入るのじゃんけんしませんか?」

「嫌よ!」

「嫌なのだよ!」

 即答した。


 

 

――横穴――

 舞とモカは壁面に蠢くカオスをなぞるように横穴を進んでいく。

 進むたびにだんだんとその歪さが緩やかになっているのを感じていた。


「舞さん……だんだんと人間に近づいている気がしません?」

「モカ……これは進化の模索の工程……ううん肉体の進化を見てるのかもしれない……」

 顔だけ獅子の人間。

 足だけ馬の人間。

 ――そして完全な男と女

 それでも魂は無い。

 

 そして肉体の進化の横穴の最奥に、ふたなりの人が立っていた。

 下腹部に共鳴紋が見える。

 

 しかし虚ろな目が魂の欠落を意味していた。

「…………ふたなりは進化の終着点ということなの?」

 その姿を見た瞬間、舞の胸が冷えた。

 自分たちの身体が、誰かの答えとして並べられているような気がした。

 

 舞とモカはいいしれぬ恐怖を感じ手を取り合っていた。

 そしてその通路を見つけた。

 その通路は凄まじいエネルギーの通り道だった。下から上へ重力を無視して登っていく。


 その通り道を見ながら休憩することにした。

 バックパックから簡易食料を出して食べる。

 

 モカがニコニコとしながら話しかけてくる。

「せっかく二人きりの冒険だからこの際、舞姉って呼んでいい?」

 

「いいわよ。なんかいい感じね」

 

「親近感湧くよね〜で、ずっと聞きたかったことがあるんだけど……」

 

「何よ?」

 

「舞姉は結姉とマユリとどっちが好きなの?」

 

 ゴフッ!!!いきなりの質問に咳き込んだ。

 

「ぶっちゃけ三角関係じゃん?気になって〜」

「そ、そんなこと……」

「ねえねえ〜どっちなの?」

「いや!そのそれは……」

 消え入りそうな声で……

「二人とも大事よ……」

「えーーーズルい答えだなぁ」

 と笑う。

「じゃ二人が崖から落ちそうだったらどっち助けるの?」

 その質問には真顔になりきっぱりと答えた。

「そんなことにならないようにする為のフェアリーの力よ。そしてきっと二人は自分から手を離す。私に、そんな選択をさせないように」


 思いがけない答えにモカは妙に納得した。

 

「うんうん。すごいわかる……私達もそんな関係になりたい」

「私たちってカリンと?」

「うん、そうだよ」

「きっとなれるわよ!もう半分なってるじゃない」

 モカが照れて鼻を啜った。

 

 ――その時、急に何かが近づいてきた。

 舞は思わずナイフを抜いて構えた。

 

 その刀身に映った自分を見て時が止まった。

 

 《金色に輝く自分》が『これは大丈夫よ』と言った気がした。

 

 (何か言ってた?)

 

 最奥にいたふたなりがゆっくりと歩いてくる。

 

「ちょっとあんた!」モカが肩に触れようとするのを

 舞が止めた。

「モカ!大丈夫!止めないほうがいい……」

 もう刀身にはいつもの刃文が見えた。

 

 モカは頷きそのふたなりの歩みを見ていた。

 ゆっくりとその通路に向かっている。本能なのか?

 意志を感じない歩みだった。

 そして通路に入りたちまち上に吸い込まれ消えた。

 舞はエネルギーの通り道を見ながら考えていた。

 

「これは……もしかしたら木が水分を吸い上げるのと同じようなことかもしれない」

「どういうこと?」

「木は根から水分を吸い取り葉から蒸発させその浸透圧で道管を使い水分を上に運ぶのよ」

「それで?」

「世界樹は根を世界中に張り巡らし人の生命エネルギーを吸ってたよね?なんだかこれが世界樹の道管だとすれば似てると思わない?」

「すごい!舞姉〜冴えてる!ということは、これに入ったら上まであっという間ということだね」

 モカが腕まくりしながらゆっくりと接近し観察していく……

 舞は考え込んでいた。

 さっきのふたなりが歩いて来た方を気にしながら言う。

「でもさっきの人は魂がなかった……ちょっとここに飛び込むのはやめた方がいい気がする。」

 と言いながらモカに近寄らないように言おうと振り返った。

 モカの気配が消えた。

「え?」

「あ!あーーー舞姉ぇーーーー」

 モカが接近しすぎて吸い込まれた!

 

「バカ!」

 

 舞も後を追いかけ飛び込んだ。


 ギリギリでモカの手を掴んで引き寄せた。

 


 

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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