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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
四柱編

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アンモナイト

〜アンモナイト〜


お楽しみください


三日月

四柱〜アンモナイト〜




「見えてきたのだよ!」

 マユリの声で舞と結がコクピットへ向かう。

 

 前方に信じられないような景色が見えた。

 距離感がおかしくなるぐらいの大きな樹が天に向かって伸びその先はまるで宇宙にまで伸びているかのようにその先端が見えることはなかった。

 

「まだオーストラリアの外海なのにこんなに近くにあるように見えるなんて……」

「すさまじい大きさね」

「まぁあのウルルが種だからね……」

 

 ウルル。

 周囲約9.4km、地上からの高さ約348m。

 世界一大きな一枚岩とされてきた存在が今は巨大な種だったとしか思えなかった。

 

「これは本当に樹なのかしら?ホログラムみたいな幻ではないの?」

 舞がその存在を疑っているように聞く

 

「きっと触れるものなのだよ、レーダーにも反応しているからね」

 

 舞がレーダーを確認しながら

「ホントねしっかりレーダーが捉えてるわ……今からどうする?モカとカリンはどうなったのかな?」


「ここにミサイルが落ちてないということはやるべきことはやってくれたと言うべきだろうね」

 

 舞が途方に暮れた様子で二人の意見を求めた。

「それで今からはどうする?まさかこのまま世界樹にぶつかるってことはないよね?」

「着陸して歩いて接近……登山じゃなく木登りってこと?」

「どうしたものか…………」

 

「マユリ!あそこ!」

 結が目をこらす……

「何?なんか来る!すごい数!」

「鳥?」

 結が視覚にエナジーを流す。

 結の目が銀色に輝く。

「鳥!やばい!回避して!」

「鳥だったら接近したら鳥の方から逃げるのだよ」

「違うの!鳥がデカすぎる!一羽三メートルはある鳥だわ!」

 結の叫びと同時にC2輸送機のフロントガラスの向こう側が無数の黒い影に包まれた。

 

「回避して!輸送機は捨てよう!」

 幹に近づくとその周りには鳥や羽虫が数え切れないほど飛んでいる。そしてその全てがサイズがおかしかった。

 羽虫は一匹二十センチはありそうだった。

 そしてその羽虫を捕食する鳥は大きいもので四メートルはありそうだった。

 一匹でもぶつかったら輸送機も鳥も無事ではすまない。

 

「幹近くまで耐えて!」

 舞がコクピットに飛び込む。

「マユリ!あそこに平地のようなところがある」

 500m程下にテラスのようになっている場所を見つけた

「あそこに着陸できないかな?!」

「無茶を言うのだよ!」

「お願い!頑張って!」

 甘えた声で言う。

「任せるのだよ!」

 マユリの視覚がセンサー最大になった。

 侵入角度速度をあっという間に計算する。

 右目の網膜にシミュレーション3D

 左目の網膜にリアルタイムの視覚が映っている。

 スピード、角度を合わせ2つを重ねる。

「揚力、1.8..0.9...よし!速度よし!フラップON!」


「衝撃に備えるのだよ!!」

 シートに座りベルトを締め頭を下げて体の力を抜く。

 テラスの草木をバラバラにしながら輸送機がテラスに不時着した。


 

「ふぅ」

「さすがね!」舞が言いながら後ろから抱きついた。

「当たり前なのだよ」という顔は最大にニヤけていた。


 三人は輸送機から必要な物資をバックパックに詰め込んでいく。

 ハッチを開けようとしても開かなかった。

 舞がナイフで脱出穴を開けた。

 輸送機から出ると三人は声を失った。

 

 輸送機はもう既にロープのようなツタに絡まれていた。

 きっともう離陸することは出来ないだろう。

 全てが狂っていた。植物、生物、姿形サイズ。

 見たこともない植物が生えていた。

 結の声がうわずる。

「ここ……樹の途中だよね?そこに木や森があるなんて……」

 「このスケールの樹なのだからね、しかしここの植物も生物も因果が完全に狂っているのだよ」

 

 とぐろを巻いた茎の先に咲く花。

 30cmぐらいの原色のカエルのような生き物が2足歩行して、こちらを見て歯を剥き出しにし威嚇してくる。

 水は豊潤にそこらから湧き出ている。

 飲んでみると冷えてたまらなく美味しかった。

 少し歩くと水の音が大きくなってきた。

 絡んでくるツタを外しながら茂みを抜けると三人は声を失った。

 

 遥か上空から大量の水が滝のように落ちていた。

 滝——いや滝というレベルではなかった。

 高低差数千mから轟音を鳴らしながら大瀑布があった。

 水は落ちている間に散り散りになり下の方が雲のようになっていた。

 ナイアガラの滝ですら水遊びに思える。

「凄いものだなこれは……」

「この樹自体が生態系なのだな」

 

 その時茂みから音がした。

 ガサガサ……

 足音のようだ。

 三人は警戒モードになる。

 鼻歌が聞こえる

 ふふふふーん

 モカが手に持った棒でツタを避けながら下から上がってきた!

 後ろからカリンが着いてきている。

「モカ、カリン!」結が駆け寄る

「お姉ちゃん〜」

 結は言葉が出ず、ただ強く抱きしめた。

「通信が出来ないから本当に心配だったのよ、ミサイル止めてくれたのね」


「うん。モカと二人で頑張ったよ」


 三人の温かい再会に舞とマユリの表情も明るい。

 

「やっと会えた。下から飛行機が見えたから」

 

 

「下から来たのかい?」

 マユリが聞いた。

「そうです、1番下から登ってきました。ちょっと飛べそうな時には飛んでズルはしたけど」

 カリンが舌をペロッと出した。

 

 マユリが気になるものを見つけた。

「会えて良かったのだよ!それよりモカ?手に持ってるのは何だい?」

「これ?棒だよ!」

「違うのだよ反対の手!」

「これは一番下の水辺で捕まえたの!焼いて食べれるかなぁって、こんなのがいっぱいいたよ」

 

カタツムリのような殻にイカのような触手がウネウネと動いている。

「…………これはアンモナイト!それも生きたアンモナイト…………」

「本当にねうじゃうじゃいたの!マユリも食べる?」

「いや……人類史でこれを食べた人間はいないのだよ!」

 

「最下層でこれを……」

 マユリの口角が上がる。

 

 科学者の顔になり好奇心の爆発を隠せなかった。


「世界樹……」

 一回間をおいて言葉を捻り出すように言った。

 

「世界樹とはただの巨大な樹ではないのだよ!これは……進化そのものなのだよ!」

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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