表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
世界樹侵食編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/85

首都クライシス〜敬礼〜

首都クライシス〜敬礼〜


お楽しみください♪


三日月舞

首都クライシス〜敬礼〜




 国会議事堂の会議室に数人の議員が集まっていた。

 圧倒的人気で女性初の総理大臣になった、倉木綾香のことを疎ましく思っている反対勢力の議員たちであった。

 

 一人の議員の秘書がすごい情報を持ってきた。

 もう一人の倉木総理を街で見たという。

 尚且つその写真まであった。

 街で一般市民に向けて警棒を振りかざしている写真だった。

 ここにいる総理は偽物なのでは?

 

 すごいゴシップである。現役総理がこの非常事態中に偽物を用意して街で一般市民に暴力をふるう。

 前代未聞のゴシップだった。

 このネタならば!と色めきたつ。

 

 秘書が部屋に軟禁していた総理を連れてくる。

 目が虚ろで今にも消えてしまいそうだった。

 議員が声を張り上げる。

「総理!虚ろですな!正体を見せたらどうですか?」

「正体?」

「あなた影武者でしょ?」

「何を根拠に?そんなことを……」

 声が消えそうな程弱々しい。

「いや……貴女を街で見たという人物からの情報でね」

「……誤解ですよ」

 ガクガクと震える。

「写真もある!」

 ――バン!

 議員がテーブルに写真を叩きつける。

 総理がビクッと肩をすくませた。

「どうすれば信じてくれるの?」

「そうだな……総理は格闘技がお得意だと……まさか偽物もそんなことはないでしょう……ここにいる秘書たちは元SPの経験もある。この人と立ち会ってみてもらいましょうか?」

 元SPのにわか秘書が三人、顔に余裕を浮かべ前に出る。


 総理がわなわなと震える。

 頭を下げて顔が見えない。

 しかし俯いたその顔は信じられないぐらい楽しそうに笑っていた。

 

 顔を上げて――ニヤリと笑った。

 いきなり総理の回し蹴りが元SPを吹き飛ばした。

 そのまま軸足をたたみ水平蹴りで隣の秘書の足をすくう。

 宙に浮いた巨体を前蹴りで壁まで吹っ飛ばす!

 

 別の秘書が後ろから抱きついてきた。前に振り上げた足が顔の横から背中の秘書の顔につま先がめり込んだ!

 あっという間に三人をノックアウトした。

 三人はぐったりとうめき声を上げていた。

 

 

 議員を鋭い目で睨みつける。

 両手に特殊警棒を持ち、ジャキン!と警棒を伸ばした。

 隙だらけのたるんだ体を軽くペチペチと叩いていく……

「ひぃぃぃ」

 議員が四つん這いで逃げようとする。

 一瞬の出来事に他の議員たちは声も出せない。

 

 綾香は喝を入れる。

 

「この日本の危機に何をしてる!このバカもんが!!」

 

「一からやり直すのだよ!」

 

 咳払いし、言い直す

 

「一からやり直しなさい!!」

 

 警棒にエナジーを込める。二本を合わせながら机に当てる!爆発音がして硬い木製の机が木っ端微塵に吹き飛んだ!

「ひぃぃ」と言いながら議員たちは蜂の子を散らすように消えていった。

 

「ふぅぅぅ」と言うとジジジ……という音とともに擬態が解かれ光の中からマユリが出てきた。

 

「気持ちいいわーー私も総理の椅子目指してみるか」

 

 と言うとニヤリと笑った。

 


 


 ――駐屯地では作戦が決まった。輸送機を別の燃料タンクまでロープで引っ張り移動させるというのだ、

 空荷で六十トン。根の攻撃を防ぐため車などが使えないということだ。僅か50Mだがその距離は永遠とも思える。

 

 幾本のロープがかけられ全隊員が全力でロープを引く。

 タイヤが、ゆっくりと動き始める。隊員の首に筋が浮かぶ。

「日頃鍛えた筋肉を総理とこの女性に見せつけてやれ!」

「応ぅ!」

 舞と綾香が目を合わせ苦笑いする。


 一致団結した力は凄まじかった。

 六十トンの鉄の塊が動いていく。

 その時一本のロープがプツリと切れた。

 力を込めていた隊員が後ろに飛ばされる。

「危ない!」

 根に激突すると思った瞬間、舞がすごい速さで移動して二人の屈強な隊員は受け止めたが残りの二人が根にぶつかってしまった。

 根が二人に襲いかかる。

 舞がその根の根元をナイフで切り落とした。

 根が標的を二人の隊員から舞へと変えた。

(思った通りだ!)

 根はより強い敵意に向かう!

 舞は根のヘイトを全て引き受けるつもりで切った!

 全ての根が舞に襲いかかる。

「今のうちに!!」舞が切りつけながら叫ぶ。

 

 偶然か全く同じタイミングで市民球場で結が同じ戦法を取っていた。

 

 根に囲まれ動けない!舞はチャクラを廻す。

 バチバチと電光を纏い頭から2本角を生やした鬼が現れた。

 隊員たちは一瞬怯んだが、すぐに状況を理解し

 

「今こそ今ここで自衛隊の力を!!誰よりも強く!誰とも戦わぬために!」

 

 全員が叫んだ!

 綾香は舞の動きを見ながらどうしてこの根を抑えれば?と考えていた。

 その時、国会議事堂のドッペルゲンガーが役目を終えて消えた。

 良しこれでここにドッペルゲンガーを出せる!

 舞にフェアリーサインで作戦を伝える。

 舞はそれを見て最大戦力で根を刈り取っていく。

 

 悲鳴のような音を出しながら根が舞を襲う。

 舞がジャンプして空中に逃げた。

 その舞に向かって全ての根が空中に伸びた!

 空中では自由に動けない舞に無数の根が突き刺さる!

「あーーーーー」

 隊員が声をあげる!

 舞が根に引き裂かれ霧散した。

 隊員から叫び声が出た。

「舞さん!」

「そんな!!」

 数人の隊員が拳を握りしめ膝をつく。


 綾香の顔がニヤリと笑った。

 

 それは綾香が作り出した舞のドッペルゲンガーだった。

 空中に飛び上がる瞬間に超高速でドッペルゲンガーと入れ替わったのだ。

「はぁ……はぁ……」


 舞が隊員の死角からゆっくりと立ち上がる。

 舞の息が上がる。

 

 舞が見上げると駐屯地のすべての根が空中に向かってまるで天空へと続く塔のように真っ直ぐ伸びていた。

 

 全隊員から大歓声が上がる。

 輸送機が燃料タンクの前に止まり、なんと滑走路の根まで全てクリアになっていた。

 鬼の舞がゆっくりと元に戻っていく……隊員たちは整列し舞に敬礼した。

 舞は小さくガッツポーズで返した。

 

 いつの間にか影が長く伸びていた。

 

 たまらないほど綺麗な夕焼けだった。

 

 

 

 

 

 

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ