首都クライシス〜ドッペルゲンガー
首都クライシス〜ドッペルゲンガー
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三日月舞
首都クライシス〜ドッペルゲンガー〜
「で?現役最強フェアリーと天才科学者がこんなところで何をしているの?」
サングラスをかけながら聞く。
「それよりマユリ?あなたどうかしたの??前と全く違うエナジーを感じるのだけど……」
「あぁ、これは色々あって私は一度死んでるのだよ!本当にね……この身体にも、この間戻ったところなのだよ」
「あはは、マユリが言うと何の不思議もないわ」
「私が作ったサンダーロッドもまだ使ってくれてるのだね」
総理が警棒にエナジーを込める。
二本の警棒を合わせると電撃が爆発した。
「この根のことで久しぶりに押し入れから引っ張り出したのよ」
と言って笑った。
「総理……」
舞が話し始める――
この騒動の元凶がオーストラリアにある可能性が高いということ。
そこに行くために自衛隊のC-2輸送機を借りたいということ。
仲間がアメリカに向かっているということ。
可能な限り説明した。
「アメリカが核を?!!」
アメリカがオーストラリアのウルルに核を撃つ計画があることを聞くと、総理はまさかと言う顔で叫んだ!
「あのジョン・ストライクがそんなことをするとは思えないわ!それに大統領にはマーガレットさんという補佐官が寄り添ってる」
「オフレコでお願いだけど彼女はふたなりなのよ。
プライベートで相談も受けているわ――またジョンからプロポーズされたって」
「私達の仲間がアメリカに向かってます。きっと核発射は事実だとしても大丈夫です。」
「都庁近くの暴動にも私の仲間が向かっています」
わかっている事実を話した。
「そうなのね、あのティアが仕組んだことの可能性が高く、かなり深刻という事ね。わかったわ!私が一緒に練馬駐屯地に同行して輸送機の話をつけるわ」
三人は練馬駐屯地へ向かった。
舞が気になっていたことを聞く。
「総理……ついてきて頂けるのは嬉しいのですが……その国の運営は官邸から離れててもいいのですか?」
「ふふふ……それは大丈夫なのよ、私にはフェアリーとしての特殊能力があってね、二体目は少しきついけど……見てて」
そういうと立ち止まり、目を瞑り集中する。
綾香が全身にエナジーを注ぐ。
綾香の体からそのままの形でエナジーの人型が出来た。そしてそれはゆっくりと綾香になっていく。しばらくすると目の前に全く同じ二人の総理が立っていた。
声がユニゾンする
「私の能力……ドッペルゲンガー!意志が共有しているからどこにいても私の意志が反映されるのよ。でも時間制限もあるから、ずっと任せっぱなしも無理なの
が難点だけどね」
「三人は少しきついわね」
綾香が苦笑いして言う。目の前の総理が本物に重なっていく。
「こんなところね、だから私はこの非常事態に、街に繰り出せるのよ」
「すごいこれが綾香さんの力……」
「さ、行きましょ」
三人は歩き始めた。舞が総理の大型バイクを押している。
舞は歩きながらこれまでのことを倉木綾香に話した。
(どうしてだろう……自然にこの人に聞いて欲しくなる)
マユリは後ろで少し面白くないような顔をしている。
舞のことを一番心に留めずっと支えてきたの私という気持ちが綾香に対しての少しだけジェラシーのようだった。
話が終わり沈黙が……三人の足音だけがしていた。
「辛い旅をしているのね。でもあなたにはかけがえのない仲間がいる」
心に蘇る母の記憶……舞は記憶の中の母を思い出した。もう遠くなったはずの母の優しい声だった。
綾香がチラリとマユリを見る。
舞は歯を食いしばり涙を堪えた。
後ろからマユリがそっと舞の背に掌を当てる。
エナジーとは違う暖かい気持ちが舞の心に沁みていき、舞の涙が表面張力を超え流れ落ちた。
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