USA動乱〜ジョン・ストライク〜
USA動乱〜ジョン・ストライク〜
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三日月
USA動乱〜ジョン・ストライク〜
ホワイトハウス上空に一羽の巨大な鳥が舞っていた。
普通の鳥ならば誰もここまで警戒はしなかっただろう。
あろうことか、その鳥は音速でF22を振り切り、防衛網をかいくぐりホワイトハウス上空を旋回していた。
その姿は神話のフェニックスそのものだった。
500年ごとに自ら火に飛び込み、
灰の中から蘇ると言われる伝説の鳥。
下からは見えないがその背には少女が乗っているらしい。
銃を構えた兵士が広場を埋め、
地対空誘導弾が鳥をロックオンしていた。
大統領の一声ですぐさま攻撃可能だった。
ジョン・ストライクとマーガレット補佐官が話している。
「大統領、どうするのですか?攻撃するのですか?」
「この兵器は敵を撃つためのものだ!ただ飛んできた鳥を撃つためのものではない!とにかく降りてもらい話をするべきだろう」
「とりあえず武装をひかせてくれ」
補佐官が司令官に命令した。
兵士達が銃を引く……
ミサイルもロックオンを解除した。
カリンが地上の様子を見下ろしていた。
「モカ、武装が解かれた。降りる?」
フェニックスのカリンがモカに聞いた。
「うん。降りよう!」
ゆっくりとフェニックスが地上に降り立った。
背中からモカが飛び降りてきた。
精悍な顔つきの中に少女の面影も残して大統領に向けて笑った。
「やぁ!おっちゃんが1番偉い人?話……あんだけど!」
フェニックスが眩く光り輝き、見えなくなったそしてその光の中からカリンが出てきた。
若い顔立ちにはまだあどけなさが残る。だがその佇まいには、幾度も死線を越えた者のような風格があった。
「こら!モカ!おっちゃんじゃないでしょ?」
向き直り言った。
「ミスタープレジデント!ジョン・ストライク。お話があります」
「君達はモルディブでの報告書にあった事件のあの共性——レゾナントだね?」
モカの言葉に怒りが乗った。
「事件?あれをそんな一言で済ませると言うのか?」
モカから風圧のようなエナジーが立ち上がり、ジョン・ストライクの髪をなびかせた。
「モカ!今はそれはいい」
カリンがモカを制した。
「今は!ってことにしておくよ!い。ま。は!」
二人は大統領執務室へ入っていった。
入室を許可された者はマーガレット補佐官だけだった。
SPもつかず異例の会談だといえた。
大統領が自らSPを外したのだ。
カリンがマーガレット補佐官を見た。
「この人は?」
「私の大事な人であり信頼のおける仲間だ」
大事な人という言い方にマーガレットの顔が少し曇る。
しかしすぐに元の冷静な顔にもどったのをカリンがじっと見ていた。
「ふーん、まぁいいか」
モカがいきなり切り出す。
「なぁおっちゃん?核ミサイル撃つの?」
すごい迫力で大統領と補佐官の髪が少し揺れた。
モカの体が一瞬大きくなったような気がした。
モカの背後に巨大な獣の影が揺らいだ。
空気が帯電したようにピリピリとし置いてある書類の山が崩れた。
執務室の頑丈な防弾ガラスがチリチリと振動しピシッと小さなヒビが入った。
「何故それを?誰もまだ知らないことだぞ?」
「仲間のブレーンを甘くみないで欲しいわ」
「それで?どうなのさ?」
「撃てるわけないだろう。軍の一部が騒いではいるがな」
「安心しました。プレジデント――」
カリンが丁寧にお礼を言った。
その瞬間ドアの外で何か重たいものが倒れるような音がした。
パン!
乾いた銃声がなった。
急に周りが騒がしくなる。
扉の外で待機していたSPが倒れている
マーガレットがジョン・ストライクを安全なところに移動させようとする。そこに見慣れない兵士が銃を構えて二人を拘束しようとしていた。
刹那――カリンが一人の兵士の手首を掴み捻り上げ逆関節をとった。
モルディブ事件からみっちりと舞と結に鍛えられた成果が発揮された。
モカの体が一瞬ブレて消えた。
瞬時に兵士の間合いに入り、なんの反応もさせないスピードで手の銃を回し蹴りで吹っ飛ばした。
返す足が兵士の顎の手前で止まる。
あっという間の鎮圧だった。
「ここであんたを蹴らなかったのはおっちゃんの顔を立てたんだからね!」
二人は落ちた銃を拾うとマガジンを抜き装填されていた弾丸も抜き、躊躇なくそのままゴミ箱に捨てた。
カリンが振り返り
「大統領……これは?何が起こっているのですか?」
マーガレットの声が震えた。
「まさかクーデター??」
すぐにSPを呼び寄せた。
「君たちも安全な場所に!」
二人はSPに守られて部屋を出ていった。
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次回更新は明日19時です。
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