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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
ライカン編

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〜暴走〜

〜暴走〜

お楽しみください


三日月

ライカン編〜暴走〜

 地下の実験室がビリビリと揺れた。

 バリバリ!!

 ライカンスロープの咆哮に強烈なエネルギーが含まれているようで声が暴力的に計器をモニターをガラスを破壊した。

 

 モカは自分で制御しているつもりだが少しずつ溢れるエナジーに飲まれそうな恐怖と戦っていた。

 

 (くそぅ……この力、自分が自分でなくなってしまいそうだ!誰か……助けて!)

 

(誰か!)

 そこに舞と結が飛び込んできた。

 モカに寄り添い背中と肩に手を当てて抱きしめるように話しかけた。

「モカ!呑まれないで!」

「モカ!私達を見て!」

 不意の来訪者にモカは驚いたがその二人の顔を見て倍驚いた。

 

「お……おね……おねえちゃん……!!??」


驚きと同時に安堵の気持ちが巨大な波のようにモカを包み込み涙が溢れた。

 

「うわああーお姉ちゃんが来てくれたー」

 

「もう大丈夫よ!よく頑張ったわねモカ!」

 

 舞の角と結の牙とモカの尾が共鳴する。

 荒れ狂っていたエナジーが、舞と結の触れた場所からゆっくりと流れを変えていく。

 外へ噴き出していた力が、二人に導かれるようにモカの中を巡り始めた。 

 

「そう……外に出さずにゆっくりとエナジーを体内に巡らして……止めず……常に……」

 

 二人でモカのチャクラを整える。


 モカも二人の声に合わせ、荒い呼吸を整えていく。

 モカの中の暴れる獣を、少女の魂が抱きしめた。

 

 ライカンスロープの身体がゆっくりとモカに戻っていく……

  

「お姉ちゃん達も……同じチカラを?……」

 

「そうよ!モカ、一人じゃないからね、私達がついてるから」

「よく怒りに染まらず耐えたわね……」

 

「はっ!カリン?!」

 

 カリンのおかげだったのを思い出しカリンを探す。

 隣の部屋に倒れているカリンを見つけた。

 

 その瞬間、部屋が崩れてカリンの上に瓦礫が落ちてくる。

 ――カリン!!

 モカが叫ぶ。

 舞と結の姿が消える!

 二人は超速で移動する。

 結は一際大きな瓦礫にエナジー弾を連射し粉々にする。

 舞は瓦礫をナイフで切り裂きつつ、カリンを抱きかかえ降り立った。

「すごい……お姉ちゃんたち……一体……」


「私たちはフェアリー」


「え?フェアリー……本当に妖精さんだったんだね」


「そうよ!詳しいことはこの事態が終わったらゆっくり話してあげる」

 

「それにしても——カリン……いい子だね」

「はい!」

 いつものモカがいた。

「ん……ん、」

 カリンの意識が戻る

「は!モカ!モカ!」

「カリン……ここにいるよ……カリンのおかげで」

「良かった」

 二人の目が涙が溢れ抱きしめあった。


◇ 


 その様子を離れた場所からティアとマキナがじっと見ていた。

 マキナが困惑した顔をしていた。

「うかない顔ね」

 ティアが満足そうな笑みを浮かべマキナの顔を見ている

 

「私は愛を観察する度に分からなくなる」

「苦しんでいるのに――なぜ笑うの?」

「失うかもしれないのに――なぜ抱きしめるの?」

「合理的じゃない」

「無駄が多すぎる」

 マキナがまくし立てた。

 

 ティアが遠くをみながら

「だから滅びへ進んでいる」

「あなたも滅ぶの?」

 ティアは答えない。

 

「私は観測している。だが――なぜか、胸が痛いの」

 マキナの声が震えた。

 

「そして行動と矛盾して何故か私は助けたいと思った」


「それでその身体を奪うときにマユリを助けたの?」


「わからない……あれも私自身、正確には分析できない」

ティアが冷たい声で答える。

「それはバグよ!」

 

「あの人はきっとそれをバグとは言わないと思う。でも私には理解出来ないけど理解したい」

 

「無理よ」

 

「理解したいの……理解したい…………」

 マキナの声が震えていた……


◇ 


 アスカが動かなくなった――

 目を見開いたまま身体がピクリとも動かなくなった。

 ただ何か呟くように口だけが動いていた。

「怖い……」

「助けて……」

「許さない……」

「全員……何もかも……」


 

 白衣の男が近づく……手足の拘束は壊れて外れていた。

 ゆっくりとアスカの身体を観察していく。

 

 身体が一回り——いや二回りは大きくなっていた。

 

 アスカの下半身に向く。

 

「こ!これは!」

 

 アスカの下腹部に共鳴紋が見えた。

 

 近くに寄り声を張り上げた。

 

 

「成功だ!人工ふたなり実験!っ——」

 

 そこまで言って白衣の男の頭が消えた。軍幹部達の席に首が飛んで転がった。

 

 白衣の体が奇妙なダンスを踊って崩れ落ちた。

 会場は誰も声を出せなかった。

 

 ゆっくりとアスカが立ち上がる。身長は二メートルを超え、それに伴い全てが太く強くなっていた。

 

 その身体から、どす黒いエナジーが噴き上がった。

恐怖も怒りも羞恥も――すべてを飲み込んで膨れ上がっていく。


「全員……コロス!」

 

 白衣の男から血に染まった白衣を奪い羽織る。サイズが全く足りなかった。歯を剥き出しにして周りを見渡す。

 ニヤリと笑った。

 

 会場の全員が恐怖に呑まれて動くことが出来なかった。

 地上が地獄に変わる。

 アスカは完全に暴走状態で暴力の化身となり暴れていた。軍兵達も応戦するが圧倒的戦力でほぼ壊滅状態だった。 

 

 舞と結とモカが地上に出てきた。

 カリンは離れたところでみんなを見守っていた。

 あまりの状況に声が出ない。

「これは!」

「酷い」

 

 マユリの声が舞の胸元から聞こえる。

「この場所も問題なのだか今はそんなことを言っている場合じゃないのだよ!早く止めないと大変なことになるのだよ!急いで!」

 

 舞と結がモカに聞く

「モカ?力に呑まれることなく出来る?」

 

「大丈夫!」

 モカがゆっくりと息を吐く。

 人の姿を保ったまま、尾てい骨から一本の獣の尾が伸びた。


もう、獣に呑まれてはいない。

必要な力だけを、自分の意志で引き出していた。 

 

「三人でアスカさんを助けるよ!」

 

「わかった!」

 

「結!モカ!武器は使えないよ!」

 

「わかってる!」

 

 三人が暴走しているアスカを止めようと連携する。

 舞がパンチをかいくぐり腰にしがみつく。結とモカが腕を抑えて、舞がアスカを倒そうと足を掛ける。

 

「倒れない!」

 腰にしがみついている舞が投げ飛ばされた。

 結とモカで舞を受け止めた。

 

「こんなすごいパワーますます上がっていってない?」

「マユリ?どうすればいい?」

 

「本当に私の予測が正しければこのままだと大変なことになるのだよ!近隣の島ごと全部吹き飛ぶ!」


読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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