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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月
ライカン編

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〜偽装〜

〜偽装〜

お楽しみくださいませ


三日月

ライカン編〜偽装〜

 軍の司令室が慌ただしくなっていた。

 兵士たちが、モニターを見ながら状況を説明している。

「見つけました!顔認証カメラにカリンです」

 

「第456島の南側近くボートに乗ってます……ここです!」

 地図モニターに赤い印が付いた。

 地図上をゆっくりと移動していく。

 

「小型のボートで上陸するようです」

「どうしますか?」

「もちろん即確保だ!全部隊沿岸封鎖に向かえ!」

 

 その時――別の兵士が飛び込んできた。

 

「何事だ!」

「カリンを顔認識で発見!」

「わかっている!」

「いいえ……また別の……第456島北側ゲート付近です」

 ロメオ大佐が目を剥く

「どちらかは陽動のはずだ!部隊を二手に配置せよ!偽物なら即攻撃してよし!」


「は!」っと敬礼して出て行こうとする兵士と飛び込んできた兵士がぶつかる。


「何を慌てとるのだ!」

 走り込んできた兵士が息を荒くしながら言う。


「ロメオ大佐!カリンを西の港で発見とのことです」

 

「どういうことだ!」

 

 突然地響きのような爆発が軍港から聞こえる。

 司令室の窓ガラスが割れて、天井が一部崩れた。

「大変です!!軍港で……燃料タンクが爆破され船がすべて航行不能です!」

「そんなバカな……」

 ロメオ大佐の顔がモルディブの青い空に浮かぶ白い雲よりも白く血の気がなくなっていた。


 

 

 第456島に三人のカリンが現れた。

 

 美由紀がLABOで作ってきたという機械。


「こんなのを作ってきました」

 装置を身につけた人間は、肉眼ではそのままに見える。

だが監視カメラや顔認証システムを通した映像だけは、カリンの顔へ書き換えられるという。


 そのせいで疲れているのか、美由紀にいつもの溌剌さがなかった。

 

 美由紀の有能さに全員、いや、マユリ以外手放しで賞賛した。

 

「むぅ……こんな技術見たことないのだよ!私だって体さえあれば……なのだよ!」

 バイブレーション機能でブルブルと震え悔しさを滲ませた。

「マユリ……局長の技術がベースになってますよ」


 疲れているのか?思わずマユリを呼び捨てにしてしまい口を押さえて言い直す。

 

「美由紀さん……忙しい中ありがとう〜」

 

 三人はそれぞれ装置を持ち、島の各所に姿を現した。

 軍の監視網は一気に混乱する。


 その裏で、先に潜入していた舞と結は軍港へ爆弾を仕掛けていた。

 爆発によって船舶は航行不能。

 海上からの追跡手段を潰す。


 混乱のさなか、舞はそのまま収容施設へ侵入した。 

 

「ぬるい軍だわ」

 西の港のカリンが本物で、既に姿を隠していた。

 ボートのカリンは結だった。

 装置を切るとそのまま上陸し基地へ向かった。

 

 北側ゲートのカリンは美由紀だったが様子がおかしかった。

 自分で作ってきたと言うそのデバイスをあっさり海に捨てた。


 あっという間に装置が沈んでいくのをじっと見ていた。

 声にならない笑いが込み上げてくる。

 

「ふふふ……」

 

「さすがマユリ……こんな技術あるわけないじゃない……美由紀も着眼点は素晴らしいけど、最後は全部私のハッキング!」

 

 と言うと美由紀が目を閉じる……ゆっくりと目を開くと別人の目だった。ジジジジ……と美由紀に見えていた者が正体を現してくる。まるで美由紀の蛹が羽化し下から別の何かが生まれてくるような……

 見慣れた優しい笑顔

 似合っている白衣

 小さい手と細い指

 全てがマユリだった。

 

「マユリが開発した光学迷彩をバージョンアップさせてもらったわ」

 

「ふふふ……しかしあのマユリの悔しそうな声……」


 マユリのクローンにナノマシーンを融合させた半人半機の身体。

 元アンドロギュノスの意思決定機関。

 デウス・エクス・マキナが笑っていた。

 

「マユリ……」

 マキナの口から感情と共に言葉が漏れた。

 優しいその声はすぐにモルディブの風と一緒に流れていった。

 

 本物の美由紀は日本のLABOで薬を盛られて気絶し、拘束されていた。



 そして美由紀に擬態したまま、軍の司令室のある施設に入っていく。


 混乱している司令室に何食わぬ顔で入り言った。


「探している娘……引き渡してあげる」


 


読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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