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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月舞
ライカン編

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〜ヘンリー〜

〜ヘンリー〜


お楽しみください♪

 襲撃してきた十人の中から一番ダメージの少ない、舞に蹴られて窓枠ごと吹っ飛んだ男が選ばれた。

「この男でいいんじゃない?」

「一番体重も軽そうだもんね」

「よし、決定!」

 

 そんな会話など、この男は知る由もなく、舞と結でなんとか担ぎ……転がし……引き摺って……森深くに連れてきた。

 

 舞が男の認識票を見て眉を顰める。

「ん?これはアメリカ?!アメリカの軍が出張ってきてるってこと?」


「世界の警察を名乗るくせに……『人工ふたなり』の計画に加担しているなんて……」


「どこの国もエネルギー問題を抱えているのだよ、しかしアメリカの現大統領……ジョン・ストライクがこんな非人道的な事をするとは思えんな……」


「どういうこと?」


「大統領のあずかり知らぬところで、軍のタカ派や一部の狂信者が暴走している可能性が高い。国家の盾という大義名分の裏で、私利私欲のためにエナジーを独占しようとする不穏分子さ。どこの軍も一枚岩ではないということなのだよ」

 

「だよね?紛争地帯での人道的支援が認められて、その人気で大統領にまでなったというのに……」


   

 舞が男を椅子に座らせて、拘束し直した。

「ヘンリー上等兵って名前だって」

 と言った。

「マユリ頼むわよ!」

「どうして私がこんなことをしなければならないのだよ!」

「まぁ適任ってことでよろしく頼むわね」

「まったく…………なのだよ」

 マユリは諦めたようにため息を着いた。


 

 

 男が目を覚ますと男の前に小さな箱が置いてあった。周りを見渡すと森の奥深くのようだった。街の喧騒は聞こえない。

 椅子に座らされ拘束されていた。

 

「な……なんだここは?俺はいったい……」

 目の前にポツンと置いてある箱に気が着いた

「なんだ?この箱?スピーカー?」

 

 突然――箱から声がした。

「ヘンリー上等兵だな?」

 男がびっくりする!

「な!な!っ!!」

 冷酷な女の声だった。

 男の額に汗が滲む


「まずは自分の口で所属と名前をいうのだ」

 

「自分はアメリカ合衆国陸軍、ロメオ大佐直属の部隊所属のヘンリー上等兵であります」

 

「うむ!ヘンリー上等兵!君は奇襲部隊に選ばれながら作戦には失敗し尚且つ自白剤を打たれ作戦の全てを敵に漏らしてしまうという失態をしたのだよ!したのだ!」


 いつもの口調になってしまい誤魔化す。


ヘンリー上等兵にまだそこを気にする余裕はなかったようだ。

 

「え?少し待ってください!私にはそのような記憶はなありません!」

 

「自白剤を打たれたのだからな!朦朧としている貴様を友軍が奪還して今、こうして尋問しているというところだ!」

 

「何かの間違いです。あなたは誰なのですか?そんなスピーカーではなく姿をお見せください!」

 

「お前ごときに我の姿を晒せると思うな!」

「ヒィィ」

 ヘンリーが怯えている

 スピーカー女士官は続けた。

 

「お前の失態のせいで秘密実験場であるモルディブ第821島の秘密がバレたのだぞ!!我が軍は大きく損害を被った!ヘンリー上等兵!……死刑!」

 

「えぇえー!!少しお待ちください!第821島の事など私は知りません!」

 ヘンリー上等兵は反論する。

 

「軍の特記事項だからな、それを漏らした罪!償うがいい!」

 

 兵士がライフルを持って目の前にきた。

 ヘンリー上等兵はわけが分からずパニックを起こしていた。

 兵士がライフルを構える。

 ヘンリー上等兵は唾を飛ばす勢いで言った。

 

「お待ちください何かの間違いです!私が知っているのは第456島に捕らえている四柱とやらを探している者への攻撃です!」

 

 静寂がしばらく続いた………


 

「………第456島ということなのだよ!」

 

 ライフルを構えた兵士が羽織った軍服を脱ぐ

「教えてくれてありがとう、ヘンリー上等兵」

 結がにっこりと笑った。

 

 ぞろぞろと舞、美由紀、カリンが出てくる。

 ヘンリー上等兵の唇が震える。

「お……お……お前ら……よくも……」

 

 舞がスピーカー女仕官を手に取り

「ありがとう〜いい演技だったわ」

「舞!もうこんなことは懲り懲りなのだよ!」

 箱が熱を持っていた。

 

 結がライフルのストックで上等兵の頭を叩いた。

 意識を飛ばしぐったりと倒れた。



 


 第456島の近く第458島は無人島だった。

 モカ救出隊一行はそこにキャンプを置いて456島の情報を集めた。

 

 中規模の島で島民は約800人

 観光地ではなく、観光客はいなかった。

 監視してしばらくすると船が何隻かやってきては人を下ろし、またどこかへ行きまた戻ってくるということを繰り返していた。

 

「やつら何をしてるの?」

 美由紀がタブレットを見せる。

「気になる記事があります。モルディブ各島で女性たちの失踪ってふたなりではなく、女性ばかりということです」

 

「人工ふたなり実験の被検体……なのかもしれないのだよ」

 マユリが静かに言う。


「この女性の失踪というのは、これが《人工ふたなり》の非検体としてのことならもしかすると……もう……」


 舞が拳を握りしめ唸るように呟く。 

「このまま……島に乗り込む?」

 

「流石に無策で乗り込んでもどうにもなるまいよ、民間の研究機関ではないのだよ!」

 

「女性としてわざと捕まり連れていかれるってのは?」

 結が案を出す

 

「チェックがないと思うのかい?」

 

「じゃぁどうすればいいのよ!」

 舞が地面を思い切り殴る!

 ドカっとすごい音がする。

「やめたまえよ!地震計が反応したらどうするんだい?」

 

 ………………

「地震?……天変地異?……」

 ……………………??!撹乱?舞とマユリの脳裏に撹乱作戦が浮かんだ。

 

 舞の口角が上がり、ニヤリと笑った。


 

 


 

 

 

 


 

 

 

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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