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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月舞
W Mission

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コンサート

コンサート〜お楽しみください


三日月舞

W・MISSION〜コンサート〜

――同時刻……ドームコンサートが開演した。

ドームの全てのライトが消え真の暗闇になる。

 靴が床を擦る音すら耳に入ってくる程の静寂。

 

 そんな中、静かに小さく美しい歌声がバラードを歌いはじめた。

 

 まだ誰も音すら立てない呼吸音すら我慢してるぐらいの静けさの中……優しい歌声がゆっくりと「あなたを愛してる」と歌いあげる。

 

 ……Aメロが終わるとまた静かに…………暗闇のステージにいきなり光が走る!

 

 誰もいなかったステージに愛理が立っていた!

 

 爆撃のような歓声がドームを揺らす。


 


 ――南米同時刻――

 舞は敵の返り血で全身を赤黒く染めていた。

 北で罠を張っていた部隊を切って、蹴り、切る!

 まるで舞の殺戮ダンスの舞台のようであった。

 

 突然暗闇にサーチライトが忙しく動き舞の姿を捉えようとする。

 一瞬姿がサーチライトに照らされる。

 爆撃の大音量が舞の全身を叩きジャングルを揺らす。

 

 

 

 ――ドーム――

 結のベースが重低音で会場を揺らす。

 いつもと違うベースに観客が気付く。

「あのベースすごくね」

 観客がベースの結を見て騒ぎ始める。

 

 愛理の歌が加速し、息継ぎすらメロディになっていく。愛理の声が重低音から高音まで駆け上がる。

 観客の熱狂が最高潮になる。

 

 愛理からエナジーが溢れ出し、声が燐光を帯びているようだった。

 光り輝く歌声が全ての人を魅了する。

 

 四万人が足踏みしてドームが揺れる。

  

 次々と曲が進む。

 時間の流れが加速してあっという間に時間が過ぎていく。

 結も汗だくでベースをかきならすが心の中心は、警戒態勢でいついかなる時も愛理の周囲5mから離れない。

 そして最後の曲が終わった。

 

 ステージには誰もいなくなったが、観客からアンコールの大音量が響く。

 

 愛理は舞台袖でメンバーに告げた。

「アンコール曲新曲にするよ!

 キーは私が合わせるから、みんな適当に合わせてコードはいつもの感じね!」

 

 舞台袖に戻ってきた愛理の両手には、なぜか二挺のマシンガンが握られていた。

(……本物!? いえ、まさか。演出用の精巧な小道具だよね?)

結の鋭い五感が、その鉄と硝煙の冷たい気配に一瞬だけ警戒のシグナルを鳴らす。だが、ここは四万人の観客が見守るドームのステージ裏だ。

 

「新曲の演出よ!」と笑う愛理の言葉に、結は(曲名が『恋のマシンガントーク』とでも言うのかな?)と、自分に言い聞かせるように微かな苦笑を浮かべるしかなかった。胸のざわつきを、どうしても拭えないまま――。

 

 周囲の異変は全くなかった。

 愛理がステージに飛び出した!両手にはマシンガンを持っている。

 暴力的大歓声の中……

 

 愛理は何も言わず静かになるのを待った……


 …………数分後やっとドームが静かになった。

 

 愛理は静寂の中、ゆっくりと優しい声で話し始めた。

 「今日は来てくれてありがとう。とうとう最後の曲になりました」

 観客から悲鳴のような声が上がる。

 

 声の質が変わった。

 

「今宵の最後の曲を聴きながら幸せを感じてあなた達は生贄になれるのよ」

 

「今なんて?生贄?聞き間違い?」

 

 観客もザワザワとなっていく。

 

「今日のために書き下ろした今日だけの曲。聞いてください。『フェアリー・レゾナンス』」

 

 曲名と共に愛理の持っていたマシンガンが乾いた音を奏でた。

 結の顔色が変わった!


 


――南米――

 舞は爆撃を走り!飛び!転がり!避けたが何度も爆風で飛ばされボロボロになりながらエナジースラッシュで爆撃砲を破壊する。

 

 息つく暇もなく戦闘ヘリがホバリングしながら機関銃を撃ってくる。木の影に隠れて身を隠す。

 時計を見た、時間の流れが遅くまだそんなに時間が経ってないことに気付き唖然とする。


 ヘリから何か落ちた。ドラム缶のようなずんぐりした物体……舞は一瞬の判断で思い切り走り崖に飛び込むように跳躍した。

 焼夷弾が辺り一面を火の海に変えた。

 熱で皮膚がチリチリと痛む。

 崖から飛び出した瞬間に近くの巨木にアンカーを打ち込む。

 すぐさま傭兵が崖下を確認しに来る。

 覗き込んできた傭兵の首がエナジースラッシュで落ちた。

 

 すごい熱気でジャングルが揺れているようだった。

 右手の火傷が痛む。

 

 ヘリからロケットランチャーが発射され舞のそばに着弾した。避けられない。

「やばい!」

 舞は最大にエナジーシールドを展開して耐えた。

 それでも衝撃で吹っ飛んだ。

 谷をゴロゴロと落ちていく。木に背中を打ち付けて止まった。

 ヨロヨロと立ち上がった舞の両手には、まだ奇跡のようにナイフが握られていた。

 

 (私は刃!折れたりしない!!)

 

 砂煙と黒煙の中から舞が上空の巨木にアンカーを打ち込んでヘリと同じ高さまで上がった。

 ヘリのコクピットに向けて2本のエナジースラッシュを放った!

 バツ印に亀裂が入りパイロットが切られてヘリが墜落していく。

 地面に落ち轟音と共に炎が立ち上がる。

 

 刹那もう一機戦闘ヘリが飛んできた。


「キリがないのね」

 

 舞は動けず物陰に隠れているとヘリから何かパラシュートで落ち、ヘリはそのまま飛び去った。

 静寂が訪れた。


「何を落としていったの?」

 

 舞はゴフッっと血を吐きながら、落下してきた物体に接近してみる。

 

 歩きにくい……きっと肋骨が折れてるのだろう。

 一歩進む度に顔が歪むほど痛い。

 

 着地した機械から何かが出てきた。

 アームが伸びその先に映写機のような物が付いている。

 光り始める、そして目の前に立体映像が映し出された。

「??何?これ?……」

 舞は何事かもわからなかった。

 

「なんなのこれは?」

 映像を凝視する。

 目に入った血を泥だらけの腕で拭い、その立体映像を凝視する。

 音声と同期していき徐々にコンサート会場だと気付いた。

 

 どこだ?ドームか?ゆっくりと音声も流れてきた。

「今日のために書き下ろした今日だけの曲、聞いてください。『フェアリー・レゾナンス!』」

 

 曲名と共に愛理の持っていたマシンガンが乾いた音を奏でた。

 悲鳴。

 怒号。

 パニック。

 

 次の瞬間――画面いっぱいに結の顔が映し出された。

 舞の思考が凍りつく。

  

 舞の叫びがジャングルに響き渡る。

 

「結ぃぃぃ!!」

読んでくださりありがとうございました。

次回更新は明日19時です。


そしてよろしければブックマークや評価など頂けると

私自身の励みになります。

どうかよろしくお願いいたします。

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