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フェアリー•レゾナンス〜ふたなりの私達が金色の竜となり世界を救う〜  作者: 三日月舞
妖精狩り編

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20/62

賞金首

〜賞金首〜お楽しみくださいね


三日月舞

妖精狩り編〜賞金首〜

 舞は収容所に侵入し捕らえられた、ふたなりを捜索する。奥の独房らしき部屋を覗く。

 

「居た!」

 うつ伏せでうずくまりピクリとも動かない。

 舞はナイフを抜きドアのロックを切った。

 ゆっくりと近づく。

 同じ年齢ぐらいだろうか……

 呼吸は?

 

 舞が驚かせないように静かに口元に手を当てようとした――その時、

 うつ伏せだった女性がゴロンと寝返りし舞を見て笑った。

 その手にはニードルガンを持っていて、振り向いた瞬間に舞の顔めがけて撃った。

 舞は思い切り身体を仰け反らせて避けた!

 狙われたのが心臓なら避けられなかっただろう。


「くっ!」

 自分の迂闊さに腹が立つ。

 

「ざーーーんねん!その綺麗な顔を穴だらけにしてあげようと思ったのに」

「趣味悪いわね、変態さん?!」

「変態!!このクィーン様に変態だと」

 逆上し

「殺す!」

 とニードルガンを構える

 

 (姿さえ見えていればニードルガンは避けられる!接近して……)

 

 ニードルガンに集中しながら部屋を飛び出る。

 外に出た瞬間――炎が襲ってきた。

 咄嗟に避けながら伏せた、髪の焼けた匂いが鼻につく。

 ジャックが火炎放射器を構えていた。

  

 その伏せた地面にニードルガンが打ち込まれる!

「チッ」

「ジャック!トドメは私よ!」

 火炎放射器とニードルガンの波状攻撃に防戦一方だった。

 

「なぜ私達を?!」

「邪魔なんだってさ」

 ニードルガンのマガジンを装填しながら

「あんたらかなりの賞金首なのさ」

「勝手に!!」

 舞がエナジースラッシュを撃つ!

 クィーンがギリギリでかわしながら

「いいよ!いいよ!あんたら最高だよ!滾るわぁー」

 後ろから炎が――

 エナジーを全開し防御フィールドを展開してなんとか防ぐ。

 次はない。

 結も戦闘中だった。

 

 舞は結を見た。

 結もまた、舞を見た。

 

 結と目が合う――


 何も言わなくても通じた。

 

「舞!!」

「結!!」

 

 叫び声と共に舞は地面を蹴りナイフを構えながら疾走する。

 結の方へ猛然と駆け出す巨漢キングの前に二刀のナイフを構えた舞が鋭く躍り出る。


 動きを合わせた結もまた、舞を追っていたクイーンとジャック達の射線に滑り込んだ。

 対峙する相手を瞬時にスイッチした。

 

 砂煙が爆ぜ、陽炎の中に二人のフェアリーがそれぞれ別の戦闘領域へ飛び込んでいった。


  

舞と結が交差する瞬間を狙われ、キングの腕からグレネードが発射される。

 

 二人の姿が砂塵で見えなくなる。

 クィーンが叫ぶ

「砂塵で敵が目視できない」

 

 刹那、砂塵の中からライフルの銃身が姿を現した。

「エナジーバースト!!」

 エナジー弾が一気に爆発的に発射された。

 クィーンはかろうじて避けようとしたが右手を吹き飛ばされた。そのまま光が広がりジャックの全身が光の渦に包まれ跡形もなく蒸発した。

 

 

 キングは防御を固めた。

 

 しかし砂塵を切り裂き斬撃が飛び、キングのグレネードを装着した腕が宙を舞い落ちた。

 

「エナジースラッシュ!」

 舞の鋭い声が響く。

「思ったより柔らかいのね」

 

「俺の腕が!腕が……」

 キングが逆上して大振りする。

 

 刹那、舞は大振りの腕をかいくぐり雷光のごとき速度でキングの懐に潜り込む。

 そしてそのナイフは強化スーツを簡単に貫いた。

「あの世でもっといい技術者に出会うのね!」

 スーツごと腹部を両断する。

 

 刃がスーツ装甲を紙切れのように裂き、内部機構が火花を散らして砕け散る。

 キングは自身の破滅を認識する暇もなく、驚愕の表情を浮かべたまま上半身と下半身が泣き別れ、砂の上に転がった。

 

 灼熱の砂漠に金属の断末魔音だけが鈍く響き渡った。

 

「一人逃げたわね」

 辺りを見渡す。クィーンは心地いいぐらいあっさりと逃げ出していた。

 

 舞は結に視線を送る。

 結の様子がおかしかった。

 苦しそうに胸を押さえて、四つん這いでハァハァと息が荒い。

 舞が急いで駆け寄る。

「はぁはぁ……エナジーバースト……強力だけど何発も撃つとその後エナジーが整うまで動けなくなっちゃうのよ……」

 

 舞もエナジースラッシュのせいでエナジーが乱れてはいた。

「本当に諸刃の剣ね」

 マユリなら対処できるかしら?とあの笑顔を思い出した。不思議とエナジーが安定方向になっていく……

 

 この様子をクィーンは憎悪の目で睨むようにはるか遠方から見ていた。

 目が血走り。

 腕の付け根をベルトで締め上げ止血しながら。痛みで美しかった顔が歪んでいた。

 私の腕をよくも――よくも……

 脳内であの結の愛くるしい顔にニードルを打ち込み、踏みつけ殺す!その妄想が痛みをやわらげる。


「ふふふっ!こんなに簡単な弱点があったのね!

 三人の仇はとる!」

 ……もう他の三人のことではなかった――

「いや!私の仇!!」

 粘液質な思念が舞と結に絡みつく……

 

 

「それにしても私達が賞金首って」

「やってられないわね」

 言いながら舞は地面に転がっているキングの腕からグレネードガンを拾い調べる。

 

 グリップに『カンパニー』の刻印があった。

「結、見て!あのカンパニーが私達を《賞金首》として狙ってきたみたいよ」

「私達の顔写真でWANTEDって紙が出回ってるのかしら?」

「それも悪くないわね、全部蹴散らすのみよ!」


 舞がグレネードガンをポイっと捨てた。


 砂漠の砂が落下音を飲み込んだ。


「結、帰ろう」

 

「うん」


 舞は深くため息をつき、灼熱の太陽を恨めしそうに見た。


「もう暑いのはうんざりだわ」


 

 

 

読んでくださりありがとうございました♪


次回更新は明日19時です

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