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第二話 パンツ男と盗撮王

 場所は、ヒーローがいる町 ヒデユウ の駅。


 時間は平日の午後5時。


 周囲には100名ほどの帰宅途中の少女たち。


 ヒデユウの駅の近くには、有名な女子校がある。


 学校帰りの少女が帰宅する時間。


 僕はその時間を待っていた。

 

 そこで僕は、女の子のパンツをかぶり、全身タイツを着て大声で叫んだ。


 「ぐわっはっはっは!オレの名前は改人 パンツ男。

 世の中の少女のパンツは全てオレのモノだぁ!パンツをよこせぇーーー!」

 お決まりのような、チープな悪役の台詞を口にする僕。

  決まりごとは物事を分かりやすくしてくれるし、チープな台詞は、僕の心を傷つけてくれた。


 ぐわっはっはっは!って、そんな笑い方、本来の僕ならしない。

 けど、演じないと。

 改人 パンツ男にならないと。

 僕は少女を傷つける事ができない。



 サッ


 シャッ


 シュバッ


 鮮やかに


 艶やかに


 舞を踊るように、僕は逃げ出した少女達のパンツを奪い取った。


 「へっ?」

 「あっう?」

 「きゃーーーーーーーーー!!」

 少女たちは悲鳴を上げ、その場に座り込む。

 パンツを奪われたからだ。

 女子高生のスカートは、基本的に短い。

 自身を可愛く見せるためだ。

 しかしその短さは、下着の無い状態で歩くには、難がある。

 だから、少女たちは座りこんだのだ。

 ……いや、単純に恥ずかしいからだろうけど。

 ごめんなさい。


 僕は改人 パンツ男。

 少女からパンツを奪い

 パンツを食べるために造られた化け物。

 僕にとってパンツを奪うことは、呼吸よりもたやすく行える行為だ。


 気持ち悪い。


 僕が生きていることを、僕以上に呪っている人物はいるのだろうか?


 この身を消すために...僕は一年間自殺をし続けてきた。


 投身自殺 焼身自殺 練炭自殺....


 しかしそこは改人。

 改造人間。


 この一年間行った自殺の方法では、この改造された体を殺すことは出来なかった。


「逃げるなぁーーー!パンツをよこせぇぇぇ!!」


 別に


 今の僕はパンツを欲していない。


 パンツは8時間に一枚食べれば十分だ。


 なのに、なぜ僕はこうやって少女を怖がらせ、パンツを集めているのか。


 「まてぇぇいい!!改人!!」

 響きわたる声。


 待ちわびた声。


 「ヒーローだ」

 「ヒーローが来た。」


 ヒーロー。

 不死身に近い改人や怪人を殺せる存在。

 ヒデユウの町に数多くいて、カイジンたちを退治している。

 30階建てのビルの屋上から飛び降りても、傷がつかないこの体を殺してもらおうと、僕は暴れていた。


 「それ以上の少女たちへの狼藉を止めろ!」

 ヒーロー達は、いまや世界の英雄だ。

 僕はそのヒーローの姿を確認しようと、

 周囲に目を凝らした。

 ?

 どこにもいない?

 僕はもう一度、ヒーローの声がした方向。

 逃げまどう少女達がいる方を良く見る。

 そのヒーローは、逃げ惑う少女達の中にいた。


 逃げ惑う少女達の中で、仰向けになり、声を出していた。


「貴様は、この 盗撮王 マサシンが退治する!!」


 そのヒーローは、両の手の指にそれぞれCCDカメラを付け、頭にはお笑い芸人が撮影するようなカメラ付きのヘルメットをかぶり、右手にはハンディカメラ。

 靴にもカメラ。

 右肩からかけているカバンにも明らかにおかしい穴が開いていて....


 「きさまに脱がされたノーパン女子高生の盗撮完了!リビドー全開!盗撮王 マサシン!!」


 ゴン!


 僕は自身が出せる最高のスピードで、ヒーローと名乗る変態に近づき、


 思いっきり殴った。


 右手で、グーで。


 ヒーローの顔面を。


 え?


 なんで?


 ヒーローってこんな奴なの?


 なんか、もっと、こう


 カッコいい

 っていうか。

 別に昆虫をモチーフにしろ と贅沢は言わないけどさ。


 少なくても


 最低でも


 変態


 ではない。


 変態は無い。


 盗撮王って。


 恥ずかしげもなく言えるセリフなのか?


 パンツ男が言える事じゃないけどさ。


 とりあえず、逃げていた女子校生(僕からではなくて、盗撮王から)にあやまりながらパンツを返して、僕はその自称ヒーローの盗撮男を縛り上げた。


 どうやら、このヒーローに僕は殺してもらうことはできなさそうだ。


 ってか嫌だ。


 盗撮男に殺されたくない。


 どんな自殺志願者も 変態には殺されたくないのだ。


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