5にっこり
別日
また二人は楽器を持ち寄って桜の家で吹いた。
基礎練習が一通り終わり
チューニングもやり、倍音(音程がピッタリ合うと不思議と違う心地よい音が聴こえること、例えば“ド”の音を出したとしてピッタリ合ったら“ソ”の音が聴こえること)
がハッキリと聴こえ、バッチリの状態になった。
響子「よし、やるか」
桜「よっしゃー」
1.2.3スッ…
最初にしてはなかなかのものだった。
と二人は満足気に顔を見合わせる。
響子「顎痛〜」
桜「まぁ久しぶりに吹いたらそうなるよな」
桜が録画してたスマホを持ってきて
桜「よし、じゃあ見てみるか」
そうやって二人は自分たちの吹いてる動画を見た。
そこでは懐かしさもあり、少し恥ずかしい思いもあり、口角が上がってる二人が映っていた。
肝心の演奏は、悪くない出来栄えだった。
細かいところを聞けば、息継ぎが多かったり、フレーズの終わりが雑になっているところは多々あったが、音程は合っているし、何より二人は吹いててすっごく楽しかったのである。
響子、桜「楽しかった〜」
演奏が終わって二人は、久しぶりに中、高時代に戻れたような気がしてとっても嬉しかった。
二人の気持ちは一緒だった。
「また楽器やりたい!!!」
どこかムズムズしてた気持ちが一気に晴れたような響子と桜だった。
響子「ねぇ、またやろうよ」
桜「いいよ、やろやろ」
桜は笑いながら言った。
桜「じゃあさ、今度めっちゃ練習してネット上げようよ」
あんまり言わなそうなことを言う桜に響子は驚く。
響子「えー、恥ずかしいよ」
桜「いいじゃん、いいじゃん!ね、やろやろ」
いつもツンとしてる桜がここまではしゃいでいるのは、久しぶりだったので珍しいなと思った。
まさか、ここからとんでもないことになっていくとは今はまだ知らない二人であった。




