21にっこり
初の三人でのレコーディングを行なった。
あらかじめ用意してきた、響子の打ち込みと桜の歌詞を合わせた。
レコーディングスタジオは2時間で1万2000円。
三人で割って4000円。
4000円と言えば、焼肉食べ放題の料金ぐらいである。
響子「くっ、焼肉」ジュルリ
アルバイト生活の響子は時給1000円のバイトであるため、4時間分に値する。響子にとっては大金なのである。
身銭を切って挑むため、数日前から下準備をしてきた各々。
前日曲の構成やメロディを決めて、それに合わせて歌詞も少しだけ変えた。
二人が持ってきたサックスとクラリネットも一曲に満遍なく入るような編成で。
真美「よーし。じゃあレコーディング始めますよ〜」
ここは慣れている真美に先導してもらった。
初めてのブース
二人は宝石箱でも見ているかのように、目をキラキラ輝かせた。
まずは、二人の楽器での音入れをする。
息を整える。
そしてRECボタンが押される。
ピーーーッ!
響子「ごめっ」
リードミスを起こした。
真美「どんまいどんま〜い」
すると桜が響子のサックスのネックを掴みマースピースをしばらく眺めてこう言った。
桜「お前リード割れてるじゃねーか!」
ズボラな性格の響子は何とかなるだろうとだいぶ割れていたが使いやすいリードで挑んでいたのであった。
響子「ごめんごめん」
笑いながら言った。
桜「ったく。ほれ、貸してみろ。」
と言うと、新しい響子のリードを勝手に取って、光を透かす。
割と透けているものを響子に吹かせて、吹きにくそうであったから、ヤスリで削る。
(補足:サックスやクラリネットで使う木のリード。これは、5個入りで大体3000円である。ただし、全部が全部当たりという訳では無い。こんな高いお金を払っても吹きやすいリードが出るのはガチャガチャようなものである。なのでまず、吹きやすいかどうかというのを光に透かせて見ることで厚い、薄いかを見分ける。薄いのは割と当たりである確率は高い。問題は厚いリードである。そのまま捨てるというのは1本600円程するので勿体ないので、ヤスリで削ったりすることで自分の音が出しやすいように変形させていくのだ。)
※アルトサックスでの場合
なんやかんやで、吹きやすいリードが見つかった。
すると、真美が突然笑った。この一部始終を見て。
それにつられ、響子と桜も笑い、さっきまでの緊張が嘘のようになくなった。
レコーディングが終わり、残り30分程となった。
録り終わったのを三人で聞いて、桜は満足していたが、真美と響子が物足りないという顔をした。
桜「ん?どうした?」
二人の顔を伺う。
響子「なんか物足りないよね終盤の間奏」
真美「そうですね〜」
しばらく考え込んで真美が膝を打って言い出した。
真美「この間奏桜さんのソロパート入れましょう!」
響子「そうだ!それだ!」
二人が頷く横で、桜は照れくさそうに「あ、そう?」と恥ずかしげになっていた。
残り時間少ない中で、急いで即興で演奏させた。
桜「え、え、いきなり?」
と困惑していたが、即興でやった割には結構上手くいった。
「できたーー!」と胸を撫で下ろした三人だった。
そうしてできあがった曲が、
「りstart」
明日いいことがありますように
なんてそう呟いて
今日はお休み
恥ずかしいことなんて
いつか忘れるから
りstartして今日は
さようなら
今日は羞恥だらけの毎日で
僕のこと気にとめない大半が
目線をこちらに向けて話しかける
バカだなぁ疲れてるなって
閉じこもる日々でも
頭の中の記憶がバグを起こし
透明な紐が縛りつけて苦しいんだよな
幸せなことが続きますように
なんてそう呟いて
今日はお休み
ふと思うことは
いつか忘れるから
りstartして今日は
さようなら
またさよならした事象が
ふと思い出したとしても
この世界で振り返ってるのは
僕だけで勝手に反省しているだけだから
そんなのはさようならだ
もし、これを読んで楽器に興味があるなと思ったら、ぜひ調べてみてください!
PS.リードの話長くなっちゃった笑
ちなみに私はバンドーレン派です。




