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16/30

16にっこり

知らない女性から声をかけられた。



???「あの、カラーリリーの?」


響子「はい、そうですが。どちら様で?」


???「あ、すみません。私後ろでドラム叩いてた

真美(まみ)と言います」


頭をフル回転させて思い出した。

響子が思いつきでZARDのマイフレンドをアカペラで歌った時に、後ろでドラムの叩いてくれてた人がいてくれたことを。



響子「あーー!あの時はありがとうございます」

少し頭を下げた。


響子は考えた。こういう場合やってもらったから奢るべきなんだろうか?と。

でもお金が無い。見た感じ年下っぽい感じだしな。

連絡先を交換?いや、気が早すぎるか?


そんなことを頭の中でぐるぐるさせていると


真美「さっきクッキー二つ買っちゃったんで良ければどうぞ!」


響子「あ、ありがとうございます。すみませんやってもらった上にいただいちゃって」


真美「いえいえ、いいのよ勝手に私がやった事だから気にしないで!」


とは言われても、あまり話したことのない人からいただくのは忍びないなと思いながら、気づいたらクッキーを貪り食っていた響子。


真美「実はあの後私のバンドすぐ解散してさ。」


一瞬にして空気を鉛並に重くした。


響子「た、大変でしたね」


精一杯振り絞って考えた一言だった。


真美「でも、すごい偶然。こんな所で会えるなんて、もう一人いるんだっけ?事故大丈夫だった?」


響子「はい!実は今さっきお見舞い行ってきた所で」


そんな会話を30分程して


真美「とりあえず、ライン交換しときます?今度ぜひ桜さんにも会いたい!」


そう言って連絡先も交換して、次また会う約束をした。


響子は思った。行動力が鬼だなと。

躊躇していた連絡先交換もサラッとして、見た目は学生っぽくて童顔だけどどこか大人びてる感じがする。「なんかすげぇ」

“大人の女性”とはこういうことなんだろうなと実感した。



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