15にっこり【初LIVE編③】
「よっ!」
響子は軽くいつもの挨拶をした。
すごく心配していたという気持ちを悟られないように、ごく自然にいつもと同じように接した。
桜「で、LIVEどーだったよ」
響子「どーだった?じゃねーよバカ!一人でやったわ」
桜「笑い者になんなかったか?」
笑いながら言う。
響子「テッメー!もう2、3回頭打たれたらどうだ!」
冗談交じりに言う。
桜「いや、それはあんまりだよ。ほんとに痛かったんだから」
真顔になった。
響子「悪かったって。そういう意味じゃないって」
本気で焦る。
桜「ウッソー!」
満面の笑みでケラケラ笑った。
桜「これが冷笑ってやつ?」
響子「違うと思う。マジないわー」
そんなくだらない話ばかりして、面会時間があともう少しまで迫ってきてた。
恥ずかしそうに響子は口を開いた。
響子「あのさ、曲書いたんだけど」
桜「おーー!!どれどれ」
電車の中で書き終えた歌詞をみて、目を輝かせながらみる桜。
桜「いーじゃん!今度やろっか!いつになるか分からんけど」
響子は、桜には私の歌詞が笑われるだろうと思った。でも真剣に見てくれたことがとても嬉しかったのである。
響子「よし!じゃあ帰るわ!また来るわ」
そう言って、別れた。
病室を出たあと、桜の唸るような声が聞こえた。
リハビリもツラいというのを桜の母から聞いていた。今日は私の前だからと無理して気丈に振舞ってたのは一目見ればわかった。それを汲んで響子は、普段通りに接したのだった。
「これはまだ時間がかかりそうだな」
そう思いながら、病院を出た。
まだ15時。帰るのにはまだ少し早い。今限定のアフォガートでも買って飲もうと思いスタバに入った。
ウィーン!
「いらっしゃいませー!」
少し緊張しながら、メニュー表を指さしながら
響子「えーっと。あっアフォガート!ひ、一つください」
いつ来ても注文する時はドギマギしてしまうのであった。
「お待たせしました!お姉さんはアフォガート初めてですかー?」
という場を和ませてくれる店員さんを目の前にだんだん心の硬さを解いていく。
こうやって緊張しないように声をかけてくれるのはとてもありがたいなと思いながら、
「は、はい!そうです!」裏返りそうになるのを必死に抑える。
座って飲んでると、一人の女の人が響子に声をかけた。
「あのー、カラーリリーの方ですか?」
ブッ!
飲んでるものをほんの少しぶちまけた。
この声をかけた女性は誰だ!!
次回をお楽しみに




