会心の一撃
「勇者だと?笑わせるな。片腕の貴様に何が出来る。」
「お前を倒せる」
そう言葉を発したとともに剣が変化した。どうやらこの魔剣は3つのモードがあるようだ。頭の中に流れ込んできたモードでおそらく一番基本的な形の剣をイメージした。イメージで形を変えられる。なんて便利な設計。そんなことを思っていたが、
『これ実質2つしかモード使えなくね?』
頭の中のイメージで出てきた剣のモードでは今手に持っているカリバーモード。鞘がついてる日本刀モード。そして、双剣モード。
『どうやって片腕で2本の剣を使えとー。』
そんな不満はありつつも一旦目の前のムナギに集中しないといけない。
どうやらカリバーモードはほぼ大剣のようなサイズで周りに様々な装飾が付いているそしてさらに驚くのは転生してきたときの洋服が重厚感ある鎧に変化した。正直驚いたが魔法で腕が剣にできる世界だ。
何が起きても驚かない。
「さてどうやって戦うんだ?」
俺は流れ込んだ情報の中で戦い方に関するものを探した。
「えーと、斬る。防御する。必殺技。以上…雑!」
「…さっきからなにを言っているんだ!どうしようが貴様は俺に勝てない!死ね!」
そう言ってムナギが先ほど俺を消し炭にしようとした魔力の塊のようなものを飛ばしてきた。
『防御しなきゃ!』
急いで魔剣を横にして地面に突き立て体を隠した。するととんでもないことが起きた。稲妻が落ちたような音とともに魔力の弾が消し飛んだ。避雷針に落ちた雷のように地面に吸収されていったような気がした。
その後も何発もその攻撃を防いだ。
「……なぜだ、なぜだ!俺の最も威力の高い攻撃だぞ。なぜ消えた!」
ムナギは激しく動揺している
『今だ!』
そう思って攻撃をしようとした。が俺は大事なことを忘れていた。
「ん?」
重くて剣を振れない。それもそのはず。俺は『魔法使い』としてこの世界に転生してきた。剣の使い方が分かっていても、使える体力や筋力はない。
さっきも防御と称して剣を地面に突き立てただけだもの。そりゃ持ち上げたり引き抜くのが精一杯、
振り下ろすなんてできるはずがない。
それを見たムナギは少し落ち着いた様子で
「その様子では剣を使いこなせていないようだな
多少動揺したがあまり警戒するほどではないようだな。やはり所詮は雑魚だったな!」
『どうする。どうする。どうする。』
そんな時俺は説明の最後を思い出した。
『必殺技…そうだ!必殺技があるじゃないか!』
情報を頼りに俺は必殺技のやり方を知った。
『……これならいける!』
「おい、ムナギ。お前は魔法が無効なんだろ、」
「それが何だ。」
「なら物理は効くんだな、」
「効きはするが、どうせ避けるから意味がない。」
「ならやっぱり俺の勝ちだな。」
「どうゆう意味だ?」
「さぁ?その身を持って味わってみるってのはどうだ?」
俺は一度やってみたかったことをしてみることにした。
『俺の予想だとこの必殺技撃ったらしばらく動けない』そう頭の情報で直感した。
「一撃に全てを賭ける気か?馬鹿め、かわして貴様の心臓を貫いてやる!」
俺は決めないと死ぬという緊張感と自分が勇者になっているという高揚感で自然とハイテンションになっている。
「うおおおおおおお!」
これまでの人生で一番の力を右腕にこめて魔剣を突き上げて構えた。
その瞬間、脳裏によぎった言葉を口にした。
「ブラスターオン!」
すると装飾だと思っていたパーツが展開したかと思えば周りの空気を吸い込み始めた。
『魔力だ、魔力を吸い込んでいるんだ。』なぜそう思ったかというと体が軽くなっていると感じたからだ。おそらく体を強化してくれたのだろう。
続いて魔力は魔剣に注ぎ込まれはじめた。
吸い込みが終わった。
驚くことに吸い込まれた魔力は魔剣のサイズを大きくしていた。おそらく8メートルはある、。それでも片腕で支えられているのは魔力の強化のおかげだ。
『これならいける!』
俺はまたもや脳裏によぎった言葉を発した。
「オールエイドキャリバーァァァ!」
そう放った瞬間僕は魔剣を横に薙ぎ払った。とてつもない光が放たれながら斬った断面が大爆発した。
俺はその後すぐに地面に倒れた。強化が切れたのだろう。体が動かない。
『ムナギは……』
急いで目を動かしたが彼の姿は見えない。
「何処に行った?」
「探してるのはコイツか?」
そこには初めてムナギに会ったときと同じように空に浮いている男を見つけた一方ムナギはというと体が真っ二つに斬れている
「これごときにやられるとは魔王軍幹部も落ちたな。」
「うるせぇ!」
なんと声の主はムナギだ。体が真っ二つになっても生きている
「だが。これは魔王様に報告だな。」
「まて…よ…」
そう言おうとした途端に意識が途絶えた。
「確か報告があったのはこのあたりのはずだ。」
「にしてもあの光は何だったんだ。」
「さぁ?でも一つ言えるのはこの村を一瞬で消しされるだけの何かがあったことだな」
「おい!見ろよあれ、人が倒れてるぞ。しかもなんかよくわからない剣を持ってるぞ」
「国王をお連れしろ!」
「国王様。これがその剣です。」
「ほう。なかなかによい剣ではないかもらって行くとしよう。」
「国王様。この者はいかがなさいますか?一見この剣の持ち主に見えますが」
「この村を滅ぼした魔族として、罪人としておけ。なんせこの剣はこれから私のものなのだから。」
「あ!剣取られちゃったよ!」
「えと、あっ、え、どどうしましょう…」
「……」
「僕が行くよ。」
「え?」
「いいのいいの。この変な空間にいるのも飽きたし、じゃ、そうゆうことで僕があの子を助けるから。これから楽しくなるぞ〜」
「魔王様。ただいま戻りました。」
「ちょっとちょっと!ムナギ君どうしたの!そんなに怪我して!」
「なにやら勇者を名乗る。イカれた男が現れたらしいです。」
「勇者…。一応警戒しておこう。何があるかわからないからね。」
「はい。」
「そんなことより!ムナギ君の手当てをしてあげないと!絆創膏あったっけ?」
「魔王様。絆創膏では足りない気がします。」
これは勇者が勇者になる物語。
序章 完




