勇者の魔剣
「そうか…俺今度こそ死ぬのか…」
「それなんだけど、この空間に呼び出した理由があってね!」
そうハイテンションな彼女が口にした
「え?死にかけてるから読んだんじゃないの?最後のお別れ的な」
「そんな悲しいこと言ってると彼がまた泣いちゃうよ、」
その目線の先にはあの喜怒哀楽の哀の人がが立っていた。
「あ、どどうも。」
「どうも。ってそんなことより呼び出した理由って?」
「君への謝罪だよ。」
「謝罪?」
「そうだから謝らせて?」
「ちょっと待って。何についての謝罪なのか分からないんだけど」
「君をこの世界に連れてきたとき僕たちは君に自由に生きてほしいといったよね」
「うん。君たちがそう言ってくれた。だからちゃんと言われたように自由に生活したよ?」
「やっぱりだ。君は『言われたように』としか生きていない。ここを謝罪したかったんだ、伝え方が悪かった。」
「どういうこと?」
「私たち君に『自由に』ではなく、
『君らしい生き方』をしてほしかったんだー」
「ごめん本当に話の筋がみえない、」
「私たちは君の喜怒哀楽だ。君の『本当の気持ち』も分かっているんだ。君は本当の君を押し殺して生活してきた。そうだろう?」
「………」
「そしてもう一つ、私たちが魔法の神様だから魔法の力しか与えられないことを許してください〜」
「…どうして?」
「あなたがほんとうに使いたいのは魔法ではないのではないでしょうか?」
「……!」
「もしもそうならなりたかったのは魔法使いではないのではないでしょうか?」
「…………ねぇ。一つ聞いてもいい?」
「なんなりと〜私たちはどこまでいっても君の味方だよー」
「僕は…もう自分を隠さずに生きていいのかな…」
「当たり前だよ。君は自分を偽ったり、隠したりすることはもうしなくてもいい。」
その言葉を誰かがかけてくれる僕はどこかで諦らめていたのかもしれない。なぜだか分からないが涙が出てきた。
「ありがとう。いってくるよ。」
その瞬間意識が現実に戻る感覚がした。
「さて、私たちも見届けようか。この世界の勇者のことを」
現実に意識が完全に戻ったとき僕は思い出した。
『そうだった、僕死にかけてるんだった。』
僕は目の前の直撃したらおそらく死んでしまう魔力の塊をなんとか避けようした。
『頼む。間に合え!』
そんな願いも虚しく僕の左腕が横をかすってしまった。
「ぐぁぁぁぁぁ」
痛い。視界が揺らぐ。左腕は…本当に皮一枚でつながっていてほんの少しでも動かせばおそらく千切れる。そんな感じだ、
「すごいな。まだ動く余裕があるのか。だがもう限界だろう。……最後にチャンスをやろう。命乞いをして俺の配下になれ、そしたら生かしてやる。」
「……優しいんだな。でもそんなチャンスは要らないから最後に一度魔法を使わせてくれないか?」
「…?。何度も試しただろう、俺には魔法は効かない」
「そんなことぐらいわかってるよ、だから殺される前に試してみたいんだ。」
「どういう意味だ?」
「こういうことだよ!」
『最後の魔法ぐらい口で詠唱してみよう』
僕は全ての魔力を千切れかけの左腕に集め た。
『生け贄は用意出来てる。あとはうまく出来るか祈るだけ。』
頭に浮かんできたそれっぽい言葉を使ってみよう
と考えた。
詠唱をしようとした時に地面にとても大きな魔法陣らしきものがでてきた。おそらくいけるということだろうか。とりあえず…
【黒魔法発動】
我ガ魔力、左腕、杖、全テノ魔法ヲ代償ニ
我ヲ勇者ヘト導ク魔剣ヲ錬成セヨ
その時とんでもない数の魔法陣が千切れかけの左腕に連なったその数は数億を超えるほどだ。
痛みを我慢して腕を空に突き上げた。魔法陣が太くなり縦に伸びた。それは空の雲を突き抜けるほどだった。
「来い!僕のいいや、俺の魔剣!」
俺の左腕が光の粒になって魔法陣に吸い込まれていったそして杖とその上にあった魔法陣も粒になり吸い込まれた。
それと同時に魔法陣が閉じて地面にあらたな魔法陣が開いた。そこから「バリバリ、パキパキ」
という音を立てて細長い物体が現れた。剣だ。
どうやら魔法は成功したようだ。
『そうだった。俺はアイツと一緒にゲームをしたときと同じように『勇者』になってみたかったんだ』
地面から剣を抜き取った。その瞬間意識にこの魔剣の使い方が流れ込んでくる。
「黒魔法を一発で成功させたというのか!貴様!何者だ!」
「俺は剣崎 緋色 (けんざき ひいろ )この世界を救う勇者になるものだ!」




