魔剣
「かかってこい」
『さて、どう戦う?まずはさっきみたいにレーザービームをうってみるか、』
先ほどのように頭のなかでさっきのレーザービームを思い浮かべて放った。すると先ほどよりも速いビームが出てきた。それはムナギの肩に当たった。
しかし何か違和感がある。
彼の体にはなんの変化もないのだ。いくら彼が強くても服が汚れたり、かすり傷ぐらい付いていてもおかしくないのになんの変化もない。
『ならもう一回、今度はさっきよりも強く、ビームも太く、できるだけ、今できる最大限のビームを』
今度は避けられないように彼の胴体ど真ん中を狙って、
『当たれ!』
今度は間違いなく彼の体にビームが直撃した。
そう。直撃したのだ。なのに彼は無傷だ
『マジか、効いてない。どうしよう。じゃあこういうのはどうだろうか?』
【煙幕魔法】
周りに黒煙が立ち込めた。
『これでアイツからは僕が絶対に見えない。その隙に後ろから撃ち抜く。』
先ほどよりもさらに強いビームを打てるようにイメージした。
『黒煙でおおまかな位置しかわからない。頼む、ど真ん中に当たってくれ!』
それはまるでレールガンの如くムナギの体に当たった。それと同時に黒煙が晴れた。彼の体が見えてきた
しかし結果は予想外だった。彼は無傷どころかニコニコしているムナギが浮いていた。
「気が済んだか?なかなかにいい魔法のビームだったぞ。否なかなかというのは少し違うか、俺の出会った魔法使いの中で一番いい魔法だったかもな。
だが俺には意味が無かったみたいだな。」
「なんで効いてないんだ…」
「俺の能力だよ、俺は生まれつき【魔法】というものが自動で無効かされる。それが俺が
【無力のムナギ】と呼ばれる由縁だよ。」
「魔法の無効化…そんなのどうやって戦えばいいんだよ…」
「だから最初に言っただろう?残念だったな、と貴様は俺には絶対に勝てない。物理で殴ってきても無駄だ。並大抵の攻撃では傷がつかない。諦らめろ」
反論しようとした次の瞬間僕は目の前が歪んだ。おそらくとんでもない速度でぶっ飛ばされたのだろう。体が壁に当たって激痛が走った。
「ああああああああああッ…」
「おお、すごいな、俺の一撃を耐えるとは、痛いか?………ああ、痛すぎて声が出せないのか。これは済まない。今まで耐えた奴が居なかったから痛いのか興味が湧いてしまってな。」
煽ってきているのか、それとも純粋な興味かどちらかどうでもいいほどに痛い。
「済まないな。苦しかろう。今楽にしてやる」
ムナギの腕に魔力を固めた、ようなエネルギーの塊があつまった。
その腕を俺に向かって振り下ろした。
『まただ。またこの感じ、走馬灯か?』
今回は前よりもはっきり見えている
『これは、中学校のときの…』
「アイツきもくね?」
「わかるー。なんかずっとすみっこでもじもじしてて暗いよなwクラスの雰囲気乱してるよね。」
『違う。僕は本当は…』
それが言えないからきっとイジメられていたんだろう。
「うわ、なんかこっち見てるキモw」
「あんなの無視無視、目が腐るぞ。」
「ていうかアイツ名前だけカッコてけてるくせに名前とは正反対なやつでウケるw」
『名前。そうだ、色々なことで頭がいっぱいになってたけど僕は自分の名前がコンプレックスだった自分には不釣り合いな名前だったからだ。』
そんなこんなで学校に居場所は無い。でも家にも居場所が無い。なぜならば…
「どうゆうことだ!この成績は!お前はウチの子供ではない!」
父がこんな調子だからだ。
一方母は…もういない。
僕のことを産んでから一か月ほどの時に交通事故で亡くなったそうだ。なので母の顔を一度も見たことがない。きっとその影響で父もおかしくなったのだろう。僕は成績が決して悪いわけではない、むしろ成績は良い方だ。
なのに父は一番以外を認めない。そのせいで僕はテストで100点以外を取ってしまうと罵られながら暴力を振るわれる。そして100点を取らないと殴られたり刃物で切られたりするのでそれを回避するためにずっと勉強をしなければならない。だから必然的に誰かと遊ぶという行為が難しかった。そのせいで僕は人と話すのが難しくなっていた。
なので『友達』なんていうものは僕にはできなかった。そんな学校生活を送っていた。
そんなある日のことだった。僕に話しかけてくる者が現れた。
彼の名前は「星月 光」(ほしづき ひかる)
僕にとっての初めての友人だった。
彼は僕にこう話しかけてきた。
「一緒に遊ばない?」
僕は返した「なんで僕を誘ってくれたの?」
「だっていつも一人でさみしそうだもん。だから一緒に遊ぼうよ。」
「いいの?」
「もちろんだよ。」
その後僕は光と一緒にいろいろなことをした一緒に映画を観たり、一度も行ったことのなかったゲームセンターやカラオケにも連れて行ってくれたりもした。そして光の家に招かれ一緒にゲームをした。
そのゲームは有名なRPGゲームだった。一度もやったことがなかったため光が教えながらゲームを進めた。光が魔法を使って味方を強化したり、炎を撃ったりして、僕が剣で敵を倒す。そんなことを繰り返してゲームをどんどん進めて行った。もうそろそろでゲームをクリアのところまできたが、門限の時間が迫ってきた。
「ごめん光君。僕そろそろ帰らないとだ。」
「そうか、じゃあまた明日ね。」
「うん!また明日!」
そうして僕は光君の家を出た。
僕はこの時とんでもないほどの幸福感に包まれていた。
『まだこの幸せな時間が続けばいいに』
そう思いながら家に帰った。
きっとこれが『友達』というものなのだと直感的に感じた。
次の日。
僕は何が起きているのか分からなかった。
光君がみんなに殴られていた。
「あっ、きたきた!おまえが悪いんだぞ!お前が光君と話すから、光君をみんなが悪者にしないといけないだぞw」
「意味がわからない…どうゆうことですか…」
言葉に詰まる。息がしづらい。
「だってそういうもんでしょ、お前の存在って。」
その後騒ぎを聞いた先生がその場を治めて、それぞれ先生に呼び出された。
『僕のせいで光君が……』
僕が呼び出される番になった。先生なら助けてくれるそう思っていた。
「光以外の人がお前が犯人だって言っている。本当か?」
「え?違います!僕はなにもしていません!」
「そうは言ってもなーお前が光を何も喋るなど脅しているのかもしれないとアイツらが言っているからな…とりあえずこの件は親御さんに報告させてもらう。これで話は終わりです。速やかに教室に帰りなさい。」
それで話は終わった。終わった。先生は僕を助けずに光君や僕をイジメたやつらを助けた。
重い足取りで教室に帰るとイジメてきた奴らが煮やして笑っている。
「これだから問題児はw」
そう言ってきた。
僕はもう何もできなかった
その後、僕は家で報告を聞いた父から今までないほどの暴力を受けた。
そしてしばらくして光君は転校した。原因は明確だった。
僕は光君とは一緒に遊んだときの別れのあいさつ以降一言も話せなかった。
目の前にがブラックアウトした。
「あれ、僕死んだ?」
「いいやーまだギリ生きてるよー!」
聞いたことのある声。そういえばどこかで見たことある白い場所。
「あ!僕の喜怒哀楽の人達!」
「正解。」
「どうしたの、僕、急にここにいたんだけど呼び出しとかした?」
純粋に疑問を聞いてみた。
「それは君が今死にかけてるから呼んでみた。」
「!」




