壊れたもの
「…これが私の呪い。触れたものが燃えてそれが壊れるまで燃え続ける呪い。」
「………」
「………」
『何も反応もない……やっぱりこの人達も私を気味悪がるのか…』
「すっげーーーーー!!!」
「?!」
「何そのかっこいい能力!」
「かっこいい…?」
「そりゃかっこいいでしょ?手から火が出るなんて全男子の憧れでしょ!?」
「僕達からすればそれのどこが呪いなのってなりますよ!」
『まさか呪い持ちだったとは驚いた。』
『バーン?呪いって?』
『この世界には極稀に魔法でも魔術でもなく体質的に不思議な力を生まれつき持っている者がいる。』
『なるほど?まあ俺達の世界のめっちゃレアな血液型みたいな感じ?』
『うーん。まあそれでいいや。でも一つ違うのはその力は上手く扱うのが難しいということかな~』
『と言うと?』
『上手く扱えずに暴走することがあったりする。だから呪い持ちの人は大抵の人は忌み嫌う存在という認識なんだ。だから自害する人も少なくない』
『そんな…』
『なんとも残酷な話だよ…私達ではないこの世界の神のミスで生まれたバグのような存在だから…救ってあげたいけどそれも難しいからな〜』
『そうなんだ…というかなんかバーンの扱いがこの世界の案内人みたいになってきたね。』
『それは言わないお約束〜〜』
「ところでさ、ここからどうするの?僕達はここから剣崎くんの用事でとある場所に行くのだけど、
アリアさんは?」
「…私は何もない、でもひとまずこの森から抜けたい。」
「じゃあさ!一緒にここを出ない?それならアリアさんも安全だし!」
「いいの?」
「もちろんですよ!」
こうして俺達は森を抜けるまで3人で行動することになった
「ところで…お金ってどうするの?僕は脱獄したから一文無しだけど…」
「あ…そういえば俺もないや」
「脱獄?」
「あ…」
その後俺はここに来るまでの過程を説明した
「つまり2人とも脱獄した死刑囚ということですか…やっぱり今回の同行の件はなしということでいいですか?」
「大丈夫!2人とも冤罪だから〜!」
「でも…」
そんなことをしていたときだった
「ドコン!!!!」という大きな音が森に響いた
「何の音!?」
「あっちだ!」
俺達は音がした方に向かった。
「なっ……」
そこには何かに壊されてしまった村があった
「何が…あったの…」
そこには何人かの人がちぎれていた。
すかさずユウトがアリアさんの目を手で隠した
「アリアさん、見ちゃ駄目だよ。」
「まさか、またアイツが来たのか?」
そう思ったが壊れた家が何か変だった。
「何かに傷つけられてる?この感じ…爪?」
そんなことをぼやいていると何者かが話しかけてきた。
「もしかして、旅の方ですか?」
「はい?」
「もうこの村は終わりです。生き残りは私だけです…」
「もしかして村の人ですか!?一体全体何があったのですか?」
「奴が…グーレトウルフが…あああああああああ」
「剣崎くん…彼の話を聞こう。何が分かるかも。」
「そうだね、あの、お話聞かせてもらえませんか。」
その後俺達はその男性についていった。
「ここが俺の店です…」
そして彼はこの村で酒屋を営んでいること、妻と子供が一人いること、そしてその二人は彼が『奴』と呼ばれるものに先ほど喰われたということを教えてくれた。
「なんで…なんで…俺も残さずに喰えばよかったのになんで俺を殺してくれなかったんだよ…」
「あの…大切な人達を失うことはとても辛いと思います。きっと僕らなんかには想像ができたものではないと思います。でも自分を責めるのは駄目です。それはあなたの命を奪うものに変わるかもしれませんから。」
「……ありがとう。でも駄目だよ…俺の命であの二人の代わりになれたならどれだけ良かったか…」
そう言うと彼はうずくまってしまった。
「ウォーーーン!!!」
「「「!!!!」」」
「奴だ!奴の遠吠えだ!もう良い!俺も喰ってくれよ!二人のところにいきたいんだよ!」
そう言って彼は店の外に出ようと走り出した。
「まずい!あの人を止めないと!」
「俺が行く!」
剣崎は彼の後を追いかけた。
しかし止めることは出来ず彼は外に飛び出してしまった
『やばい!』
「ウォーーーン!!!」
すると声の主が目の前に現れた
「なっ……!」
「頼む…殺してくれ…」
剣崎の前には体長6mほどの狼がこちらを睨んできた
「剣崎くん、どうし…なんだよこの大きな狼!」
「大きい」
そして狼は俺達を嘲笑うように唸ってどこかで行ってしまった
「もしかしてあれが…」
「……この村を、二人を殺した、グレードウルフだ…」
「グレードウルフ…って確かランクB級じゃないですか!」
「ランク?」
「魔物や魔物を狩る人達はランクに分けられています。」
「なるほど?」
「ランクは主に下からE、F、D、C、B、A、S、SS、SSS、に分けられています。」
「え!じゃあAって強いんじゃ?」
「大体、Cが2体いれば村を簡単に制圧することが出来ます。」
「えぇ…マジであの狼やばいじゃん。」
「………なぁ、旅の方。あの狼を倒してはくれないでしょうか…もちろん報酬は払います…どうか…」
「……ねえアリアさん、今の俺達でそのグレードウルフ?ってやつに勝てるかな…」
「……わからない。明らかに格上のグレードウルフだけど、さっき言っていた魔王軍の強い人を倒した話が本当なら、可能性はなくはないと思う。」
「そっかー、よしその依頼受けるよ。」
「本当ですか…ありがとう…ありがとう…奴は、多分この先の洞窟に居ると思います…」
「わかった。行ってくるよ」
「いいの剣崎くん?アリアさんの説明じゃあ、相手の強さも未知数だよ?」
「まあなんとかして倒すしかない。じゃないとこの人が報われないじゃん!そしたらなんか、俺もいい夢みて寝れないじゃん?」
「何と言うか、剣崎くんらしい?のか?」
「まあできるとこまでやってみようよ」
「そうだね。友達とならなんとかなりそうだ。」
「うん!アリアさんは?」
「一応ついていきます。戦闘はできないですけど…何かあったときに洞窟の外に運ぶぐらいなら…」
「わかった!じゃあ出発しよう!」
かくして俺達は村を壊したグレードウルフを討伐することになった。
「ここがその洞窟か…結構遠かったねー」
「そうだね〜」
実際はユウトが担いで走っただけである
「よし。じゃあ洞窟に入ろうか。」
「二人とも準備はいい?」
「僕はいいよ。」
「……はい。」
俺達は洞窟に足を踏み入れた。
洞窟の中はかなり暗い。
しかし真っ暗というわけではない。宝石のような光った石がたくさん生えているそれが光を放っている
「気をつけて、いつ出てきてもおかしくない」
そう言った矢先だった
「ウォーーーン!!!」という聴いた事のある遠吠えが聞こえてきた。その声の先に先ほどのグレードウルフがいた。臨戦状態と言わんばかりに爪を立てている。
「ユウト!構えて。」
「了解!」
「『出てこい』魔剣!」
こちらも構えた
「アリアさん下がっててコイツは仕留めるしかない」
「わかりました…」
「こい!グレードウルフ!」
すると不思議なことが起こった
『ゴトッ』という鈍い音と共にグレードウルフの首が落ちたのだ。
「へ?」
「え?」
「えぇ…?」
何が起こったか分からなかったが、すぐにその原因は現れた。
「剣崎さん…グレードウルフの上…」
「なんだ…あのでっかいの…」
それは細長いが蛇ではないような形をしていた。
「剣崎くん…あれって…」
「どっからどう見てもムカデだよね。」
「サイズ感がおかしいだけで、ね。」
「グレードウルフを一撃で…」
「一つ分かるのは、討伐に必要な人数が二人ではないということだね。」




