落下
『倒したら駄目ってユウトさんに伝えないと!』
「ユウトさん!この蛇は倒しちゃ…」
そう言い放とうとした時だった
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ユウトさんがナタ包丁を構えて突撃していったのだ
そして大蛇も尻尾でこちらを薙ぎ払ってきていた
「危ない!」
そう思った時だった。
「ガン!」という音と共に蛇がのけぞった。
なんと2つの包丁で尻尾を弾いたのだ。
「えーーーー!どうなってんの!?」
「? 何かおかしい所がありますか?」
色々とツッコミを入れたいがそれどころではない。
しかし一つだけ聞いてみたいことがあった
「なんで今の攻撃をその包丁で防げるんですか?
普通なら折れていてもおかしくないですよ!」
「あぁー。そういえば説明してませんでしたね、僕がこの世界に転生してきたときに獲得した物がありまして、それがこの【手に持った物が壊れない】というものでして…なのでこのナタ包丁でも受けられます。あとはこの世界に来たときから双剣使いだったようなのでなんとなく…」
「なるほど…そういうことだったんですね!ってそうじゃなくて!ユウトさん!この蛇は倒したら駄目みたいです!倒したら極刑らしいです!」
「え!極刑!?やばいじゃないですか!」
そう言うとユウトさんは包丁をしまって後ろに下がった
「ではどうすればいいですか?」
「ひとまず逃げないといけないと思う。」
「わかりました!一緒に逃げましょう!」
俺達はその場から急いで逃げた。
しかし、一度目に入った敵を逃すはずがない。
「やばい!追ってきてる!」
『バーンどうする!』
『一旦、剣を出して足止めする、でもそれだと一人だけしか逃げられない…それか、石ころででも威力をうまく調節しないと倒しちゃったり、意味が無かったりする…そんなことを走りながらじゃできない…どうすれば…』
その後バーンが少し黙った後ボソッとこう言った。
『ちょと待って、このあたりって確か…』
そしてバーンはこう告げた。
『剣崎くん!左に曲がって!』
「了解!」
何を考えているか分からなかったがバーンの考えることだ、きっと面白い。そう信じてユウトさんに伝えた
「ユウトさん!左へ!」
「何か策があるんですか!?わかりました!」
『信じてくれた。』
その気持ちが嬉しくてたまらなかった。
『バーン!こっからどうするの?』
『この先にいかにも断崖絶壁なところがある!だからそこで2人の力で着地して!それであの蛇を撒けるはず!』
『…………つまり、また落ちろってこと?』
『うん!』
『またかよ、まあ良いかその案を教えて!』
俺はバーンが考えた案の全貌を聞いた。
「ユウトさん!この先に崖があります。俺を信じて飛んでください。」
「はい?!諦めて来世に期待ってことですか?」
「違う違う!そんな悲しいことじゃなくて!あなたの魔法?加護?スキル?わからないけど【物が壊れない】ってやつを使います!」
「どういうことですか??」
「えーと説明が難しいんですけど俺の中の神様?みたいなのがいい作戦を思い付いたのでそれを試してみようと…」
「なるほど、よくわからないけれど信じていいんですね?」
「はい!信じてください!」
「僕は何をすればいいんですか?」
「まず俺が空中で剣を使ってユウトさんよりも速く落下します。」
「ほうほう。」
「そして、俺が着地した後にした剣を頑張って持ち上げて構えます。」
「なるほど?」
「そこにあなたが俺の剣に攻撃してうまく落下の勢いを相殺します。」
「??????」
彼はそんな顔をした。でもその顔は疑いの顔ではなく、何か質問をしたそうな顔だった。
「何か質問が?」
「ないと言ったら嘘になりますが…」
「何でも言ってください!」
「もし私がミスをして貴方を怪我させたりしてしまったら」
「……大丈夫。」
「でも!」
「大丈夫です。そのときはそのときです!今はこの状況を打破するしかない。その後は未来の俺がなんとかしてくれるそう思って生きていい。この世界に来てそう俺は学びましたから。」
少し間が空いた後ユウトさんはニコッとした
「そうですね!今は今を生き抜くことが一番ですね!僕も忘れていたようです!」
「……てことはつまり!」
「やってみましょう。あなたのそのかなりぶっ飛んでる方法で!」
「ありがとうございます!!」
崖が見えてきた。
「行きますよ!せーの!」
俺達は同時に飛び降りた。
「魔剣!『出てこい』!」
俺は魔剣を出してとんでもない速度で落下した。
「っ!もっと速く落ちろ!」
そしてもうなれたように魔剣を地面に突き立てた。
そして頑張って右腕で魔剣を掲げた
「よし!ユウトさん!」
「はい!」
『ガキン!』という音とともに火花が散った。
「くっ!」
とんでもない重さだ。やはり片腕ではダメだったか
『まだだ!!』
「『ブラスターオン!』大丈夫だ。ユウトさん!絶対に受け止める!」
「頑張って!剣崎さん!」
「おおおおおおお!!!!」
俺はユウトさんを弾いてのけぞった。そしてユウトさんは無事に着地した。
「よっしゃーーー!!!」
「すごい…本当に出来た…」
「そうだ、ヌシは…」
上を見た、しかし大蛇の姿は無かった。
「やった!逃げ切った!」
「ありがとうございます!剣崎さんがいなければどうなっていたことやら…」
「いやいやもともとあんなところに行った俺が悪いわけですし…こちらこそ助けていただいて感謝しています!ありがとうございます! 」
そんなことをしていたときだった。
「グオーーー!」
「またゴブリンかよ!しかも囲まれてる!」
「大丈夫です!一緒に倒しましょう。」
頼もしい知り合いができた気がした。
そうして俺達は無事にゴブリンを倒した後一緒に夜を越すことになった。
「あのユウトさん…」
「ユウトでいいよ。後、敬語もなしでいいよ。」
「じゃあユウトお願いが…」
「何?何でも言って?」
「俺と、その、何と言うか、えーと、あの、……」
「?」
「と、友達になってくれないか?」
「?そんなこと?もう僕は友達だと思ってたけど」
「本当に?」
「うん!もう僕達は友達だ!」
その言葉を聞いた瞬間俺は涙が頬を伝っている感覚がした。
「え?え、なんで泣いてるの??僕なんか嫌なこと言っちゃってた??」
「いや、、俺、友達が出来たことほとんどなくて、なんか嬉しくて…」
「……大丈夫。俺はユウト。朱居 優人
(あかい ゆうと)。これから君の友達になる男だ。」
俺は最高の響きの宝物を一つ手に入れたらしい




