幕間
「何の用だよお医者さん?」
「やあやあ、よく来てくれたな天鬼くん。一杯いるかい?」
「ははは、上等な酒じゃねえかって、俺は画面の向こうだぜ。」
「ナイスなノリだね天鬼くん。」
猫を撫でながら暗闇の中にいる白衣に身を包んだ者と、路地の裏で着物に身を包んだ者が画面越しに話をしていた。
「さて、挨拶も済んだところで本題に入ろうか。」
白衣の者は小瓶を取り出してくるくると回してみせた。中には貴重な薬品が入っているはずだが、あろうことかペン回しのような遊びまで始めた。
「これ、何だと思う?」
「さあな。でもただの薬じゃねえってのは馬鹿でも分かる。」
「察しがよろしい!これは…崩壊の種!今名付けたけど中々センスが良いと思わないか?」
「崩壊の種…分かったぞ。そいつは暴走意志の種ってわけだな?」
「スンバラシイご名答その通りさコイツをタラーっとそこらに垂らせばあら不思議!」
画面の向こうで液体が垂れると、そこには暴走意志が現れた。膝に乗っている猫は威嚇し背中の毛と爪を立てた。
「種にしては成長が早くねえか?」
「サイズが種ってこと。ほらこんな一瞬で暴走意志が完成ご家庭に一つ如何です?お前邪魔だから死ね。」
白衣の者は暴走意志を手で払いのけて消した。だが猫はまだ警戒し続けていた。
「お前もうるせえ!だーまれ!」
白衣の者は猫を同じように消し去った。
「はあ、次はもっと従順になる個体にしよう。」
「話の続きはどこいったんだ?」
「おっとすまないすまない。まあとにかくだね、 の生誕の際、時間稼ぎとかに使うから、このサンプルたちで試してきてほしいんだ。」
白衣の者はタラーッと自分の声で飾りながら、並べられた薬品たちを見せた。
「まったく、人使いの荒いやつだ。」
「おっと勘違いするなよ!天鬼くんをただ働かせってわけにもいかない。君が今、1番欲しがってるものをあげるよ。」
「欲しがってるもの?」
「今に見てれば分かる。はいさーん、にー、いーち…あれ?流石に外れちゃっ」
2人の脳に痛みが走ると共に、ある情報が共有された。
「ってぇー!」
「っ…おいおいマジかよ。本当にいいのかよ!」
「ほら、君の望み通りだろう?祈ったら承諾してくれたんだ。」
着物の者は喜びを噛み締め、我慢できなくなり地面を思い切り蹴り飛ばした。地面は抉れた。
「最高だ!これでやっと2年前、240年前のリベンジに行けるぜ。」
「 の生誕に備えて、龍を連れて来いってことなのかな?あれは正直僕でも作れないと思うし、とんでもなく強いからねえ。」
「ははは、こんなに気分がいいのは久しぶりだ!改めてありがとよ!」
「ははーありがたき幸せー。まあ、二度あることは三度あるにならないよう頑張ってよね?」
「三度目の正直だ。行くぜ、いや、ここはこう言った方がいいな。いざ、鎌倉!」




