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WORLD)SOUL(WORLD   作者: 六等星
新人合同訓練会編
41/49

38 新人合同訓練会!

お久しぶりです。新人合同訓練会編はとても短いですが、楽しんでいただけると幸いです。

「着いたー有明!」

━結構な人がいるんですね。━


新人合同訓練会。春に入隊した新人が、戦闘、救助など様々な部門での技能を競い合う、毎年5月に行われる合同訓練だ。4日に分けて行われ、初日に特殊派遣部隊は参加することになった。


「そりゃあこの辺りのスタビライザーの新人隊員がみーんな集まってるからね。動画撮影は私たちに任せて!黒淵隊長と追崎に持って帰ってあげるんだから!」

━( ̄ー ̄)ノガしはしない。スベてオサめてやる。━


━めちゃめちゃ広いぜ!走ってきていいか!?━

「駄目に決まってるでしょ。迷惑禁止!」

━チッ、融通の効かないヤツだぜ。━

「実直…」

━待ったお前のフルパワーパンチは洒落にならねえ!━

「分かればよろしい。」


「なんだかんだ一緒に行動するのは初めてだね。よろしく。」


雨龍は握手を求めて八代の前に差し出した。


「うん、よろしく。」

━八代は足を引っ張りませんよ。安心して下さい!━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

数日前。


「そっかそろそろ新人合同訓練会か。」


「はい。うちからはミツキたちが出る予定です。」


「何すんのかな?ちょっと楽しみ。」

━俗に言う運動会みたいな感じでしょうか?━


「2人ならきっとできるよ。それで、シズクはどうするの?」


━あ?こいつはまだ研修中だしまだ正式に入隊してねえだろ?━


「新人合同訓練会は上限が新人ってだけでね、その下の研修生でも、研修先の隊長が許可を出せば参加はできるんだ。僕は許可を出すし、鎌倉隊からも是非是非と言われてるんだけど、どうする?」


「出る。強くならなきゃ。」


「うん、勿論いいよ。折角の機会だからね。存分に訓練の成果を発揮すると良い。いやあそれにしても楽しみだね。自分が手塩にかけて育てた隊員たちが力を発揮する場を見れ」

尚、新人合同訓練会の2日前に発生した三郷市での暴走意志の鎮圧に関する報告書作成で、黒淵隊長と追崎は見にくることはできなかった。黒淵隊長は悲しそうにペンを動かして、オージャからの中継を見守っていた。


「隊長、俺も残念に思いますけど何もそこまで落ち込む必要は…。」


「見に行きたかったな…。」


「…オージャ、頼んだぞ。」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━( ̄ー ̄)キタイというか、キュウジョヨウセイがのしかかっているようなキがしてならない…コタえてみせる!━

「燃えてるねー15号。その調子だよ!」


━出店はねえのか?━

━なんでアウトロードは来たんですか?━

「新人いびり。」

「冷やかしでしょ。」

━俺をなんだと思ってやがる!ただ単純にお前らの活躍を見に来ただけだ!━

「アウトロードは書類仕事とかできないから追崎たちに預けられたの。」

━お守りってことですね。━

━全部聞こえてっからな!?━


隊員たちが話していると、場内にアナウンスが流れた。


"「開始10分前です。参加隊員の皆様は戦闘服を着用し、指定の場所へお集まり下さい。繰り返します。開始…」"


「時間だ。いってらっしゃい!」

━ボコボコにしてこいよ!━


「行ってきまーす!」

「行ってくるね。」


八代と雨龍はコードを読み取り自動で戦闘服を装着し、3人はスタート地点へと向かった。そこはある大きな建物の前だった。


「やあ!!!みんな!!!本部の松本だ!!!よろしく!!!」


「すごい熱量だね。」

「!が多い!」


赤く燃え上がる炎のような髪に、押されるような大きな声を携えた松本は、隊員たちの心を焼き尽くす勢いで火をつける。


「今から君たちが行う訓練について、事前の説明もあったと思うが、あれはざっとしか話してないので改めて説明しよう!!!今日使うのはここ!!!我々以外にも自衛隊や警察、消防などあらゆる機関が使う、災害時の街を再現した訓練施設、『危機的状況再現空間災害対策最終施設』だ!!!」


「白文みたい。」

「語感がいいね。」

━声に出して言いたいです。━


「暴走意志や異世界で暗躍する犯罪者たちの活動も一つの災害と言っても過言ではない!!!この訓練は最悪のケース、現世界での暴走意志や犯罪者たちの活動の鎮圧を想定している!!君たちにはそんな災害に負けないよう!!!今日!!!ここで!!!訓練をするんだ!!!」


松本の熱気は増していく。


「君たちにはこの中で何をしてもらうか…それは……言わん!!!」


「え!?」

「言わない?」


「質問!」


八代の横にいた1人の青年が声を上げた。橙の髪の彼は松本に負けじと燃え上がる。


「言わんとは!どういうことでしょうか!?」


「すげえ熱気だ!」

━まだ5月ですよね?━


「その質問を待っていた!!!インパクトを追求しすぎて話の繋げ方に困っていたからな!!!

さっきも言った通り、ここは現世界でいわば災害に近しいことが起こっている状況!!!社会が混乱する中、スタビライザー内にだって混乱は起こる!!!そんなとき、君たちが何をすべきかを考え、行動に移すかが重要になってくる!!!暴走意志がいるかもしれない、救助を待つ人がいるかもしれない、二次災害が起きるかもしれない…おっと、これ以上話すとヒントになるな!!!とにかく!!!自分で現在の状況を見極め、何をすべきか考えて動いてみろということだ!!!既に相棒となっている者は魂の力を!!!それ以外の者は一つ自分の武器を持ち込んでもいいぞ!!!」


━体はあったまってますよ!!!━

「うわ引火しちゃった!」


「…とは言っても、それだとあまりにも放任主義すぎる!!!と言うことで我々本部の者が公正な立場から君たちを採点する!!!」


「何故採点を!」


「またそこの君から良い質問!!!話が書きやすくて助かる!!!理由は単純!!!まず点数形式なら後から振り返りがしやすい!!!自分の隊に帰った後も、それを見て自分が苦手とする分野を伸ばす訓練ができる!!!」


「なるほど、つまりこの訓練は模試みたいなものってことか。」

━やった後も大切なんですね。━


「そしてもう一つ!!!面白いからだ!!!見てみろあの熱狂を!!!」


松本が指した先には各隊の隊員たちがあらゆる手段で音を出していた。


「やったれ相模!他の隊をぶっ潰せ!」

「ボコボコにしてこい府中!跡形もなく!消せ!」

「お前が1番だ!他のやつはカスだ!松戸ー!」


「治安悪いね。」

「俺らの隊って割とマシだったのかな?」


そう思っていたのも束の間、後方にドローン隊が現れ、その中心には見覚えのある影があった。


「特殊ー!負けんじゃないよ!!!建物ごとねじ伏せろ!!!!」

━何もかも全部ぶち抜け!!!━


「マシじゃなさそう。」

「お、応援ありがとう!」


だがその狂った応援にも負けじと、その隣には大漁旗を掲げた応援団も現れた。


「しっながわ!!!しっながわ!!!しっながわ!!!」


「応援サンキューな!!!!」


橙髪の青年の属する品川隊の応援もかなりの声量だった。


「さあ、君たち若き者がどう動くのか見せてくれ!!!彼らの応援にも負けぬよう!!!精一杯!!!力を!!!発揮するように!!!!!」


「「「「「「「はい!」」」」」」


「では5分後に開始とする!!!建物内の所定の位置につけ!!!応援団は上の階へ移動だ!!!」


「っしゃあやってやらあ!!!」


隊員たちは盛大な応援をバックに、大きな建物の中に入り、ドーム状になっている内部を囲むようにドアの前に並んだ。


「私たちはここだね。」

「なんか緊張してきたな…。」


「ドアこっちか!危ない間違えるとこだったぜ。」


後ろから歩いてきたのは品川隊の例の青年だった。


「あ、さっき隣にいた。」


「ん!覚えててくれたのか!嬉しいぜ!」


青年は八代と雨龍の手をとって握手した。


「俺は品川隊所属、橙木コウスケだ!」


「私は雨龍シズク。」

「俺は」

「八代ミツキ、そして隣は魂のガイードだろ?」


「え、知ってるのか!?」


「ああ!コイツが情報通で…あれ?」


橙木が肩を組もうとした相手はそこにはおらず、橙木の後ろに隠れていた。


「ぼ、僕のことをお呼びでしょうか?」

「何隠れてんだよキヨシ!あ、紹介しとくな!コイツは根来キヨシ。俺の同期だ!」

「ちょ、ちょっとやめて下さいよ。」

「コイツが教えてくれたんだ!京葉での一件で活躍した新人がいるってな!それがお前たちだろ!?」


「私はお留守番だったよ。」


「あ、あれ?そうなのか?」


「俺たちはいかにも!」

━中々良いところに目をつけましたね!━


「こ、この調子に乗っている感じ…腹立たしい…!」

「そう言うなキヨシ!でも、確かに調子には乗らない方がいいぜ。」


熱さの裏隠された冷ややかな目が八代とガイードを見る。


「魂と相棒ってのはひねくれた持たざる者からは冷ややかな目で見られがちなんだ。特にコイツとかな!」


「チッ…う、羨ましいのはコウスケくんだってそうでしょう!」


「まあ否定はできん!俺だって魂の力が欲しい。だからミツキ、ガイード!そしてシズク…の魂は?」


「…今はいない。」


「そうか!」


橙木は一歩下がって八代の目を見た。


「魂と相棒の責任と意志ってやつを俺たちに見せろよ。」


そう言い残して橙木と根来は去っていった。


「八代、ガイード。」


雨龍は八代とガイードに声をかけた。


「変なやつと嫌なやつだったけど、言ってたことは正しい。スタビライザーには魂と相棒に妬みを感じている人もいる。」


「まあ…そうだろうな。」

━言われてから私たちも気づきました。━


「私も君たちの強さを羨ましいと思う。でも、妬ましいとは思わないよ。だって、持つ者なりの努力を知ってるから。」


雨龍は知っていた。あまり関わりはなかったものの、毎日黒淵隊長にみてもらって技の精度を上げたり、基礎トレーニングに誰よりも真摯に取り組んでいた彼らのことを。雨龍は手を差し出した。


「らしくやろう。」


八代とガイードはその手を握った。


「応!」━ええ!━


"開始10秒前!"


各隊員は気を引き締めてドアの前に立つ。


"5、4、3、2、1。"


ドアが開き隊員たちが一斉に駆け出す。


"訓練開始!"

らくがきちょうコーナー


松本の!は5個の予定でしたが文字数が多くなり過ぎたのでやめました。

根来の語尾全てに()をつけようとしていましたが、キツ過ぎてやめました。

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